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民主党代表選は一向に盛り上がらないが、一方候補予定者は乱立気味である。
今までの言動で、国民から見ると、増税翼賛会候補、復興成長派、泣いちゃった人、口だけ番長等、基本的な立ち位置やキャラクターについては大体分かるが、政策の細かいところまでは伝わってきていない。
一般国民は代表選への投票権はないが、ほぼ事実上の首相を決めることになるので、その判断材料が必要である。
そこで各候補者に対して、マニフェスト修正と福島第一原発事故を受けての新エネルギー政策に絞って質問したい。
まず、マニフェストについて、護持か修正かで単純な色分けがされているが、要は修正の内容である。
先日、自民党曰くバラ撒き4Kと言われる中で、与野党が同意した子供手当の修正について、「こども手当」制度が残ったのか「児童手当」に変わったのか小競り合いがあった。
これは、与野党とも名前に拘り本質的議論をしていない査証である。
そもそも、民主党の「子供は社会で育てる」という「理念」自体が共産主義かナチスを連想させる歪んだものであり、子供は家庭が中心になって育てるものであり社会はその支援をするというのが在るべき姿である。
「こども手当」でも「児童手当」でも名前はどうでもよいが、育児支援の本質は、少子化対策であり、目的はずばり出生率の増加に他ならない。
その本質を避けているのか隠しているかしているから、堂々巡りのくだらない議論に終始しているのだ。
各候補は、出生率を増加させるためには、たとえば第二子、第三子と手当てを倍々にしていった方がよいのか等の具体的な議論をすべきだ。
農家の戸別補償についても、その本質は食料自給率の向上であり食料安全保障である。
確かに水田の治水機能等の環境面や農村社会の維持等も大切だが、それはサブの位置付けとすべきである。
食料自給率を向上させるためには、大規模農地には補償を厚くしたり、株式会社の参入を自由化したり、農地の相続税免除制度に手を入れた方が良いのか等の本質的な議論をすべきだろう。
原発事故を受けての新エネルギー政策については、各候補とも概ね「将来的に原発依存率を徐々に下げ、新エネルギーの割合を高めて行く」と言った辺りに落ち着くのだろうが、それでは抽象的過ぎ、少なくとも次の3点に分けて具体的に述べるべきだろう。
●少なくとも暫くは稼動させる原発の安全性を、どういう方法で担保するのか。
●原発を、最終的には廃止するのか、存続させるのか。
●新エネルギーへのコスト負担をどう賄い、機器輸出等のメリットとバランスさせるか。
特に、最後の新エネルギーへのコスト負担について、ドイツの例を見ると、再生可能エネルギーの高コスト電力での経済的デメリットを風力発電装置、蓄電装置、スマートグリッド等の生産輸出で補いバランスさせているスキームとなっている。
オバマが考えているのも、これに電気自動車等を加えた図だ。
中国は安い人件費で太陽光パネル等の輸出大国となる事を目指しており、半ばそれを実現させている。
日本もこれらを研究し、緻密に計算して対処し、伍して勝ち抜かねば、新エネルギーへのシフトは、スペインの太陽光発電政策の破綻のように頓挫し成り立たない。
各候補者は、合理的で現実的かつ具体的な、特に収支計算と日付入りの総合エネルギー政策を打ち出し競うべきだ。
民主党代表選については、各候補は多数派形成のために曖昧戦略を取りたいのだろうが、もはや今の日本には、マスコミのステレオタイプのレッテル貼りや、国民の烏合の衆然としたお上頼みに甘えてお茶を濁している余裕はない。
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