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靖国神社の問題を見ていて恥ずかしいのは、終戦記念日に軍服を着て日章旗を掲げながら参拝にくる若者たちである。自分たちの親や無数のアジアの民間人が犠牲になった事実を無視し、わが国のために死んでいったものを英霊として尊敬しろという傲慢性はどこから来ているのであろうか。戦争というものは何であったかを考えず、自分たちの都合だけで世界を考えるという傲慢性にあきれるのは自分だけなのか。そこに見られるのは戦後の教育に確実に欠けている道徳観という根本的な問題である。それは大量破壊兵器がなかったのにイラクを攻撃して戦争に走った米国と同じである。
明治維新で何が行われたかは何度も述べた。それでも殆どの人々は理解さえしようとしていない。その根本にあった考えは国家が征服されないための大変革の実施であった。その正しさは歴史が証明している。しかし、それを実行した武士という強い倫理観を持った集団がいなくなった途端にこの国は劣化を始めた事実を誰も正しく見ようとしていない。天皇を神として実態は官僚による独裁による中央集権で西欧化を果たしたことは正しかったけれど、それを引きずって何も変えられずに太平洋戦争で自滅したことを誰も正しく分析していない。むしろ原爆によって被害者のような教育がなされている事に異常性を見ないでどうしろというのだろう。この国の知識人たちの無責任さにはあきれるというより、情けない思いで彼ら、彼女たちを国賊と決めつけたい思いでいっぱいになる。国のために死んでいった多数の若者や招集されていった一般市民に謝ろうともしないのだろうか。無謀な戦争を主導した者たちは東京裁判という茶番で裁かれたけれど、その何百倍もの招集軍人は現地で戦犯として処刑された事実を国もマスコミも何も国民に知らせようとしていない。そこに見られるものは、原爆投下の被害の詳細の全てを、国民ではなく米国に提供して訴追を免れた多数の官僚たちの裏切りの事実でもある。国民は平気で見捨てられたことは、今回の福島原発の事故の対応と全く同じである。
明治維新以前にあった士農工商という身分制度の中では、藩主のために命をささげるというのは武士階級だけに求められたもので、その他の農民などにはそのような考え何も求められていなかったし、事実、武士階級以外は戦いには誰も参加していない。例外といえる奇兵隊という特殊な組織は、元は武士だったものが農民にならざるを得なくなっていたものが武士として復活し参加した組織に過ぎない。明治維新を作り上げた武士階級は忠君愛国の思想を全国民に強要して富国強兵に利用しただけなのである。太平洋戦争に突入したのは、過去の思想を変える事ができずに、西欧の国家覇権主義をなぞっただけの官僚による失敗に過ぎない。前例主義でしか物事を考えられない無能集団の官僚制度が国を滅ぼしたのである。
戦後はどうなのか、全く同じことを官僚たちが繰り返している。国民が必死になって成功させた経済的な成功を自分たちの成果のような傲慢な考えで何も変えず、自民党という政党を利用した民主主義の皮を被って国民を欺いたまま中央集権の独裁で今日まで来た。政権交代してあせったものの、結局は菅直人政権の構成員たちの浅はかさを知って、それを徹底的に利用するように方針転換し見事に成功している。菅直人がダメになれば次は理念を持たないものであれば誰でもいいのである。案の定、見栄えだけはいい前原というバカを選び出してマスコミを使って世論操作が開始されている。これがこの国の実態なのだ。
明治維新以降、少なくとも国民は忠君愛国という道徳によって誇りを持つ事ができた。今、この国の国民は何を基準に生きているのであろうか。戦後、連綿と続けられているのは経済的な成功という物質的な満足感だけである。そこにあるのは米国に見られる個人至上主義という精神的な裏付けのない薄っぺらい生き方だけの世界である。戦前から残っていた他人への思いやりという仏教などの過去から連綿として続いていた道徳は消え去ろうとしている。その最大の原因は官僚機構による国民の他人を思いやる道徳の悪用だろう。自分たちの私的な既得権だけを目に見えない形で温存し、全ての責任を国民が選んだ政治家に転嫁して誤魔化している。このままではこの国は本当に崩壊するだろう。我々は何を基準に国を作るのか、一人一人が自問すらしていない。もっと考えよう、本当に情けない国民になってしまっている。
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