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(日刊ゲンダイ2011/8/18)
「日々担々」資料ブログ 2011-08-19(11:09)
政治劣化を招いた怪しい集団 ポスト菅が彼らなら国は戦前回帰
彼らの生活体験や思想は自民党より右側に位置しているのに、選挙の当選を狙って左派の多い民主党に乗り込んで、政権交代実現後の政治をゴチャゴチャに混乱させている
松下政経塾が、にわかに注目を集めている。目下、ポスト菅の本命とかいわれる野田財務相が政経塾の1期生で、もし、本当に野田首相が誕生すれば、政経塾初の総理大臣となるからだ。
松下政経塾というと、地盤、看板を持たずに徒手空拳で政治家を目指す若者を支援し、育てる私塾のイメージがある。実際、「理想の日本と世界を実現しようとする固い志がある者」を求め、体力、知力に加えて徳を兼ね備える人材に「来れ」と言う。
松下幸之助が私財70億円を投じてつくった私塾は一時期、それなりの「ブランド力」を持っていたことは事実だ。
しかし、それが今、いかに色あせたことか。というより、そもそも、政経塾には世間のイメージとはかけ離れた実態がある。ここから本当に真の政治リーダーが育つのか。答えは絶対に「ノー」である。評論家の佐高信氏が言う。
「松下電器とソニーはよく比較されたものです。創造力で成長したソニーに対して、松下は流通網を整備した販売力を誇った。団結心です。松下電器では朝礼をやり、社歌を歌う。松下幸之助さんはそれを教育と言った。松下の社員はどこを切っても金太郎飴といわれたものです。つまり、創造力はない。こうした精神はもちろん、松下政経塾にも反映している。そこからリーダーが生まれるのか。私は政経塾出身の政治を政僚と呼んでいます。官僚ならぬ政僚で、本当の政治の動かし方を知らない頭でっかちの集まりです。松下未熟塾とも言っている。エリート意識だけは人一倍で、そうしたエリートの押し付けで人が動くと思っている。一言で言うと、薄気味悪いところです」
◆気色悪くなる政経塾生の一日
松下政経塾のホームページには塾生の活動がいろいろ紹介されている。
塾生は寮に寝泊まりし、朝は当番が鳴らす目覚まし音で一斉に起きる。早朝研修は朝6時から(4〜9月)。中庭でラジオ体操をした後、清掃、ジョギングをする。朝食のあと、朝会があり、黎明の鐘を静聴し、塾是、塾訓、五誓を全員で唱和し、塾歌を歌う。
入塾1年生はいきなり、自衛隊研修が待っていて、4年間の研修では毎年、100キロ行軍のカリキュラムが組まれている。
大学の体育会ならイザ知らず、社会人としては異様なプログラムだ。似たような研修を課す会社は多いが、狙いは創業者への盲目的な忠誠心や宗教的な団結力になる。それが政治リーダーに必要なのか。
まして、政経塾には、国家を動かそうという、普通に考えれば、誇大妄想的な若者が集まってくる。そういう自称エリートがつらいカリキュラムをこなしたことで、国家を動かす資格を得たと勘違いするのだ。
そこに自由がイデオロギーがあるかも疑問で、前出の佐高信氏によれば、「最初から社会党、共産党的な部分を排除している。日本を左翼に席巻させないという意識があってつくられた塾だ」と言う。
陸軍士官学校とは言わないが、それに似たようなウルトラ保守のにおいがする。そこから出てきたのが野田であり、玄葉政調会長であり、前原前外相で、いまや、40人の国会議員と10人の首長がいる。
前原はまだまだ代表選出馬の意欲を捨てていなくて、きょう(18日)、グループの議員一人一人と面談し、最終的な態度を決めるという。
いやはや、どっちに転んでも松下政経塾出身者という不気味。背筋が寒くなってくるのである。
◆民主党の中に松下政経塾党という別の党がある
政経塾出身の国会議員40人のうち、民主党の議員は28人だ。どちらかというと左の民主党に、これだけの政経塾出身者がいること自体が不思議だ。政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「松下政経塾の出身者には、ネオコン的な思想を持つ政治家が多い。前原氏に代表されるように、エリート意識が強く、財界の意向を代弁し、外交は対米追従を基本とする。自民党の右派よりも右寄りの政治家が大勢います。本来なら、リベラルな民主党とは水と油なのです」
民主党の中に、松下政経塾党という別の政党があるようなものだ。そして、民主党の中では異端なはずの彼らが、いつの間にか党の中枢に座り、本家民主党みたいな顔をして仕切っている。これは、どう考えてもおかしなことだ。
「彼らは本当は自民党から出たかった。しかし、選挙区に空きがなかったため、日本新党などの新党ブームに乗っかって政界に進出した。そうした議員が民主党に収(しゅう)斂(れん)されているのです。彼らは民主党が巨大な政権与党になった途端、本性をあらわにし、民主党を乗っ取りにかかっているように見えます。菅内閣では、松下政経塾出身者が外務、財務、総務、国家戦略担当といった重要ポストに就いた。菅内閣は、松下政経塾の傀(かい)儡(らい)政権と言ってもいいくらいです。その路線を継承している野田財務相や前原前外相がポスト菅として注目され、自民党と大連立を組もうとしているのは決して偶然ではありません」(本澤二郎氏=前出)
もともと、ウルトラ保守の松下政経塾出身者はリベラルな民主党議員とは相いれない。だから、小沢・鳩山グループを敵視し、国民本位のマニフェストを捨て、あろうことか自民党と組もうとするのだ。こんなことを許していたら、行き着く先は新保守合同だ。ウルトラ保守の大政翼賛会で、それこそ、戦前の悪夢がよぎってくる。
◆頭でっかちの政治オンチばかり
しかも、こいつらは、そろいもそろって頭でっかちの政治オンチばかりだから話にならない。5日の朝日新聞で、荒井広幸参院議員がこう論評していた。
「政経塾出身者は日本新党など『新党ブーム』に乗って出てきた人が多い。うまくベルトコンベヤーに乗って政治家になっている。その分、泥臭い選挙という洗礼を十分に受けていない。だから国会に来ても、人情に薄く、根回しができない。人と人との関係をつくるのが苦手なんじゃないかな。人間関係を磨く手腕というのは、修羅場を体験しないと身につきません」
「政策的な知識は豊富でも、『立派な靴をつくったから、足のほうを靴に合わせなさい』という感じがある。我々は反対に、足に合わせて靴をつくろうとする。そういう柔軟さが政治の技術なんですが、政経塾出身の人たちにはその技術がない」
政治を動かすノウハウも知らない松下政経塾出身者の増長が、今の民主党の迷走を招いたのは間違いないのだ。
◆政経塾出身者はすぐ分かる
経済ジャーナリストの有森隆氏もこう言う。
「松下幸之助の理念を継ぐとうたっていますが、松下電器という企業名はすでに消え、幸之助が築き上げた組織形態も、もはや見る影がない。松下イズムは、今の時代にそぐわないのかもしれません。松下政経塾は、国家のリーダーを育てるというよりも、学歴エリートを集めて松下イズムを叩き込む機関。だから、彼らは弁は立つが、“大所高所”という重要な視点が欠けている。ハッキリ言って『口舌の徒』です。中身は薄っぺらなのに、もっともらしい屁理屈をこねたがる。テレビの評論家なら務まるでしょうが、一国のリーダーにはなり得ません」
永田町関係者の間では、「見た目や着ている物は全然違うのに、話してみると、政経塾出身者はすぐ分かる」と言われている。いわく、政策論争が好きだが机上の空論ばかり。優柔不断で日和見主義。権力好きの目立ちたがり。こうした共通項があるのだ。
考えてみると、世界中の政治家にそういう傾向があるかもしれない。頭でっかちの“えせエリート”が幅を利かせているようじゃ、日本も世界もオシマイだ。
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