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実権狙う小沢氏「見るに忍びない」 代表選迫っても休眠状態
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110818/plc11081800090000-n1.htm
2011.8.18 00:04 産経新聞
菅直人首相が近く退陣する意向を表明し、新首相選出が喫緊の課題となったにもかかわらず、民主党の動きはなお鈍い。17日も党役員会を開いたが「8月中に党代表選を実施する」と決めただけ。28日の代表選日程さえ正式決定できなかった。党内には、増税やマニフェスト見直しなど党分裂を招きかねない政策論争を避けたいとの思いが広がっており、低調なムードは吹き飛ばせそうにない。
「次の首相には自己犠牲の精神を持つ人が必要だ。経験豊富で命がけでやれる人でなければならない!」
17日昼、小沢一郎元代表は都内のホテルで自らの政治資金パーティーを開き、こう力説した。党の現状を「見るに忍びない。自分が期待に応えられないのが残念だ」と嘆き「2年前に国民から受けた負託は大事だ。民主党は原点に返らなければならない」とも語った。100人以上の議員を束ねる小沢氏が誰を支持するかで代表選の流れは大きく変わる。キングメーカーとして活路を見いだすべく「品定め」にかかったことは間違いない。
鳩山由紀夫前首相もエンジンがかかった。17日夜、都内のイタリア料理店に自らのグループ幹部15人を招集し「増税には当然反対で臨むべきだ。大連立に関しても基本的にはノーだ」と語り、最有力候補である野田佳彦財務相との敵対を宣言した。帰り際、記者団には「沈黙は金だ」とにんまり。軽々に支持候補は明かさず影響力を見せつける戦術のようだ。
とはいえ気勢を上げたのは2人だけ。「お盆休み」で地元選挙区に帰った民主党議員は多くはなお東京に戻らず、議員会館は17日も閑古鳥が鳴いた。
これほど動きが鈍いのは代表選出馬に必要な20人の推薦人を集め、正式に出馬表明した候補者がなお現れないことが大きい。
野田氏と鹿野道彦農水相は現職閣僚であることを理由に出馬表明しておらず支援部隊は表立って動けない。出馬に意欲満々の馬淵澄夫前首相補佐官、小沢鋭仁元環境相はテレビ出演などに奔走するが、多くの議員は「対立構図がはっきりしないのに動くのは損だ」と模様眺めを決め込む。
そんな中、前原誠司前外相は17日、福井県の関西電力美浜原発を視察。「代表選は全くの白紙です。仲間と話し合って対応を検討する。今回の視察は代表選とは全く関係ありません」と記者団をけむに巻いた。出馬すれば野田氏の強力な対抗馬となるし、出馬しなくても出方次第で来秋の代表選への布石は打てる。それが分かっているだけにじっくりと流れを見極める腹づもりらしい。
動きが低調なのはもう一つ理由がある。もし各候補が政策論争をすれば増税や大連立、マニフェスト見直しなどの議論は避けられない。いずれも党分裂を招きかねない事案だけに正面から論争したくないのだ。
退陣の決意を固め、すっかり達観したのか。首相は17日、官邸を訪ねた旧知の作家、石川好氏にこんな冗談を飛ばした。
「候補者が乱立してるんだからあなたも出なよ。チャンスあるかもよ…」
(山本雄史)
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