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「ポスト菅」に絶望する国民 誰がなってもこの国は暗澹
(日刊ゲンダイ2011/8/13)
こんな顔ぶれでは震災復興、原発収束、円高対策もどれひとつ期待できず日本沈没のみの悪夢到来
多くの国民はスッカラ菅首相が辞任表明したことで胸をなでおろしているが、「ちょっと待ってよ」と言いたくなるのがポスト菅の面々だ。
ようやく、政治がマトモになり、震災復興、原発収束、さらに円高阻止に向けて動き出すのかと思ったら、絶望的になってくる名前ばかりなのである。
目下のところ、本命は野田佳彦財務相(54)で、馬淵澄夫前首相補佐官(50)も出馬を明言。小沢鋭仁元環境相(57)も意欲的に動き回っているし、鹿野道彦農相(69)や海江田万里経産相(62)の出馬も取りざたされている。
なるほど、菅がポスト菅の人材払底を理由に政権にしがみついただけあって、どいつもこいつも力不足だ。これじゃあ、暗(あん)澹(たん)たる気持ちになってくるのである。
◆有権者の心に全く響かなかった野田論文
まず、野田だが、脱税で逮捕されたIT企業前社長や品川美容外科から献金を受けていたという怪しい人脈や脇の甘さ以前に、ガックリするのが月刊文芸春秋に寄稿した「わが政権構想」の中身の薄さだ。この論文で野田は「私は財務大臣として、産業・雇用の空洞化の回避、そして、経済の再生に重点を置いて、必要な政策を懸命に進めてまいりました」と自画自賛するのである。〈民主党の「新成長戦略」には今後10年間で実行すべき具体策と工程表が明記されている。実行こそ最大の戦略です〉と書く野田は、この経済状況下で新たなアイデアを持ち合わせていないことを自ら白状したようなものだ。役人の上に乗っかっているからである。野田は原発も「再稼働に向けて努力することが最善の策」と書く。「最大の危機は財政」と断じ、あからさまに増税路線をにじませ、「マニフェストは聖域なく見直すべき」と論じていた。
心底、ガッカリする男ではないか。菅政権の路線を引き継ぎ、菅を支えてきた面々や霞が関とうまくやりながら、波風立てない禅譲を狙う。そんなよこしまな魂胆が完全に透けて見えるのだ。
実際、岡田幹事長や安住国対委員長、仙谷官房副長官らが野田を担ごうと動いている。「菅の次は野田」と、腐敗堕落した自民党政権末期のような政権タライ回しで、自分たちだけは権力の甘い汁を吸い続けようという魂胆だ。そんなのに担がれている候補者に何ができるのか。目の前が真っ暗になるというものだ。
「野田首相が誕生した場合、増税だけでなく、自公との連立まで視野に入れていると思います。マニフェストを見直し、増税した上、大連立では、民主党政権に期待し、票を投じた有権者を三重の意味で裏切ることになる。さらに野田政権になれば、民主党は次のトロイカ体制に移行することになる。鳩山、菅、小沢から野田、前原、岡田への若返りです。野田シフトの裏には、巧妙な小沢はずしが仕組まれているのです」(政治評論家・浅川博忠氏)
ますます、こんな首相を誕生させるわけにはいかない。
◆大臣経験が4カ月しかない馬淵に首相はできない
耐震偽装問題の追及で名を馳(は)せた馬淵はどうか。菅政権とは一線を画し、増税路線にも明確に反対してる点は評価できるが、いかんせん3回生で、若すぎる。今すぐに首相になるのは到底、無理だ。
「閣僚経験が国交相兼沖縄北方担当大臣しかなく、それもたった4カ月では短すぎます。海上保安庁職員によるビデオ流出事件による問責決議案が可決したためで、トバッチリと言えなくもないが、これじゃあ、いきなり総理にはなれません。本人もそれは自覚しているでしょう。箔付けと次狙いとみられている。ボディービルが好きで筋肉ムキムキですが、体ほど神経が太くないという評判もあります」(政治解説者・篠原文也氏)
鳩山グループの小沢鋭仁も似たような評価だ。「今回は顔見せ、次狙い」とみられているし、唐突な出馬準備にマユをひそめている議員は数多い。つまり、人望がないのである。
「鳩山さんが小沢さんと行動を共にすることが分かっているのに、勝手に出馬準備を進めているうえに、先日は“小沢さんを紹介してくれ”と鳩山さんに頼んできた。それに応じちゃう鳩山さんも人が良すぎるが、結局、小沢さんは面会を断っています。選挙区を譲ってもらった輿石参院議員会長も怒っていて、『代表選出馬なんて百年早い』と言っている。ところが、本人はそうした機微が分からない。今になって、20人の推薦人が集まらない可能性が出てきて焦りまくっています」(鳩山氏の側近)
これじゃあ、首相以前の話だ。
◆遅すぎた候補者 、鹿野に用はない
その点、鹿野農相はキャリアはある。当選11回、初入閣は1989年の農相。総務庁長官を経て、新党みらいを旗揚げ、代表になり、新進党に合流した。こうしてみると、経験は豊富で、きのう(12日)、有志議員が出馬要請をすることを決めた。「党を一本にまとめるのにベテランの鹿野氏が一番ふさわしい」という理由は分かるが、派閥の長ならいざ知らず、首相となると話は別だ。
「自民党時代は三塚派のホープと言われ、次世代リーダー候補と言われたものです。しかし、慎重な言動で、立派な神輿をつくらないと乗ってこない。かつては首相候補でも、さすがに旬は過ぎた。遅すぎた候補者です」(篠原文也氏=前出)
鹿野と小沢一郎は同い年だ。前出の浅川博忠氏は「世代交代をさせないために小沢氏が担ぐ可能性は高い」とみる。今度の代表は菅の残り任期を務めた後、来年9月に任期切れになる。そのころは小沢の裁判の決着がついている。いよいよ小沢自身が出てくる。そのとき、鹿野代表=首相であれば、引き継ぎやすい。そんな思惑だ。「それもあり」なんだろうが、「つなぎ」じゃあ、大きな変革は期待できない。やっぱり、心もとないのである。
◆国会号泣で海江田は資質を問われている
ちょっと前までは、間違いなく鳩山グループの代表候補だった海江田もダメだ。原発対応では完全に経産省に取り込まれているし、例の国会号泣事件では多くの国民がア然とした。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「被災地の被災者だって、泣きたいのにこらえている。それなのに、政治家が首相との板挟みで泣いていてどうするんですか。トップリーダーには沈着冷静さが求められるのに、感情をコントロールできないことも露呈した。しかも、グズグズしていて、辞任の時期を逸した。菅首相が退陣を明確にした今、海江田さんが先行して辞任するシナリオはあり得ないし、意味がない。結局、辞めるに辞められなくなっているのです。この決断力のなさも失望を買った。いまや、鳩山グループ内でも厳しい評価で、鳩山さんも突き放したような発言をしている。首相候補としての資質に疑問符が突きつけられたのです」
こうして見ていくと、本当にロクな候補者がいないことが分かるのだ。
「今度の代表選は言ってみれば、脇役の代表選だと思う。小沢氏は裁判で出られないし、前原氏も外国人献金問題のほとぼりが冷めるのを待っている。で、本命不在の脇役が出てきた。来年9月の代表選は衆院選挙を控えているし、ひょっとしたら、参院とのダブル選挙になる可能性もある。このときこそ、民主党の顔を選ぶ必要がある。そのために今回は様子を見ている候補者が
多いのです」(篠原文也氏=前出)
だから、ドッチラケの代表選になっているわけで、みんなの党の渡辺代表は「落第級のD級コンテスト」と笑っていた。候補者もそれは分かっていて、野田なんか“谷間の選挙”の今回しかチャンスがないと思って、シャカリキになっている。こんな調子で、被災地復興ができるのか。今が日本にとって、一番大切な時なのに、ますます絶望的になってくる。
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-3602.html
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