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【高橋昌之のとっておき】小沢一郎が菅降ろしでハラをくくった
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110814/stt11081419000004-n1.htm
2011.8.14 19:00 産経新聞
菅直人首相は10日の衆院財務金融委員会で、自らの進退条件に挙げている特例公債法案と再生エネルギー特別措置法案が成立すれば、「速やかに民主党代表選の準備に入る。新しい代表が選ばれたときには首相の職を辞する」と述べ、退陣を明言しました。
普通なら今国会中の8月末までに退陣することを正式表明したととれる発言ですが、6月2日にあれだけのペテンをやった人です。私はまだ全面的に信用することはできません。のらりくらりとかわされているうちに、今国会が閉会してしまったら、次の国会まで菅首相を強制的に辞めさせることはできなくなります。
そこで、私は与野党の国会議員には、菅首相が本当に辞めるまで油断をしてはならないと忠告しておきたいと思います。
仮に菅首相が発言と違って今国会中に辞めようとしない場合、やはり内閣不信任案を再提出、可決して、総辞職か衆院解散・総選挙に追い込む必要があります。そこで重要になるのが、産経新聞が3日付朝刊1面トップで報じた民主党の小沢一郎元代表が、今国会中に菅首相が退陣せず、野党も内閣不信任案を再提出しない場合は、新党・新会派を結成して内閣不信任案を提出する意向を固めたことです。
なぜ重要かというと、小沢氏が決断したことで、いずれにしても今国会中に菅内閣不信任案が再提出され、可決することが確実になったからです。このことは、小沢氏の知恵袋である平野貞夫元参院議員が8日の講演で明らかにしましたが、なぜか他紙はこの部分を一切記事にしませんでした。
よほど産経新聞の後追いをしたくないのでしょうか。理由はどうあれ、これほど重要な内容を記事にしないのは読者に対して、極めて不親切で、マスコミのあり方としていかがなものかと思うのですが…。
話を小沢氏の決断に戻します。私が小沢氏を長年取材してきて、小沢氏の政治手法としていえることは、重要な政局にあたっては「最善の策、次善の策、三善の策…と、すべてのシナリオを想定して、最悪の場合のハラを固めてから、事を成し遂げる」ということです。
これを今国会中の菅首相の退陣という目標の達成にあてはめれば、最善の策は「菅首相が自ら辞めること」、次善の策は「民主党内で菅首相を退陣に追い込むこと」、三善の策は「野党が内閣不信任案を再提出して可決させ、菅首相を総辞職か衆院解散・総選挙に追い込むこと」です。
ただ、内閣不信任案の再提出については、自民党内に慎重論があり、同党が出し切れない可能性は十分あります。「小沢氏も自民党を信用していない」(周辺)そうです。
もし、菅首相が辞任せず、野党が内閣不信任案を再提出できずに国会が閉会してしまえば、法的拘束力をもって菅首相を退陣させることはできなくなります。自民党内には「秋の臨時国会で内閣不信任案を出せばいいではないか」との意見があるようですが、もし菅首相が秋に臨時国会を開かなければ内閣不信任案は提出できません。
「さすがにそんなことはできないだろう」と、ある自民党議員はいいますが、菅首相が国家、国民なんてどうでもよく、自分が延命したいだけだと考えているとすれば(多分そうですが)、十分ありうることです。したがって、菅政権による政治空白を一日も早く解消するには、今国会中に何が何でも決着つけなければいけないのです。
そこで、ハラをくくったのが小沢氏です。そのハラとはつまり、野党が内閣不信任案を再提出しない場合はまず、民主党が内閣不信任案または否決を前提に内閣信任決議案を提出するよう党執行部に求める。しかし、党執行部がそれを了承しなければ民主党にいては提出できないため、その場合は小沢氏が新党または新会派を結成して、50人以上を集めて内閣不信任案を提出するーというシナリオです。
仮に小沢氏がそうした形で内閣不信任案を提出したとすれば、野党は反対するわけにいかないでしょうから賛成し、民主党の他の議員の多くも今回は同調して、間違いなく可決されるでしょう。つまり、小沢氏がハラを固めたことで、今国会中に菅内閣不信任案は再提出され、菅首相は総辞職か衆院解散・総選挙を迫られることが確実になったということです。
小沢氏にとっては政治生命をかけた重大な決断ですが、私はこれは案外、良いシナリオなのではないかと思っています。平成21年8月の総選挙で民主党政権が誕生して以来、民主党には期待を裏切られ続けてきました。党内は理念も政策もバラバラ、親小沢VS反小沢という属人的対立、「政治主導」とは名ばかりの政治空白…。民主党はこの際、理念と政策をともにできるグループに分かれて、新たな政界再編にスタートを切ってはどうでしょうか。
私の取材では、そうしたハラをくくっているのは小沢氏だけではありません。「もはや民主党という枠組みでは自分が求める理念、政策は実現できない」と、民主党を離党して新党を結成する意思を固めている議員は少なからずいます。
私はもはや「民主党」という枠組みの政党には期待していません。仮に菅首相が退陣して新代表を選出しても、政権をきちんと運営できる能力はないのではないかと思っています。したがって、この際、首相・代表という看板だけを変えるより、民主党議員はそれぞれの理念と政策によって分裂して新党を結成し、政界再編に踏み出したらどうかと思います。
一方、野党第1党の自民党はどうでしょうか。菅内閣不信任案の再提出でも党内にはまだ慎重論が根強くあります。その理由は「一事不再議は守るべきではないか」とか、「自分たちが与党になったときに不信任案を連発されたらどうするんだ」とか、「評判の悪い菅政権を続けてもらって自分たちは野党でいた方がいい」などという国家、国民無視の党利党略です。
これで、自民党が菅内閣不信任案提出に踏み切れず、小沢氏らに内閣不信任案を提出されたら、完全に自民党の出番はなく、メンツは丸つぶれです。もし、菅首相が解散・総選挙に踏み切ったら、現状では「政党支持率で自民党が民主党を大きく上回っているため、自民党が大勝する」とみられていますが、民主党が分裂していくつかの新党が立ち上がり、それらがリードする形で総選挙が行われたら、国民の期待はそちらに移り、自民党は勝てないのではないかと私は思います。
それでなくとも、国民の多くは「民主党はダメだが、自民党もまだまだダメだ」と思っています。自民党の谷垣禎一総裁も存在感はほとんどなく、これといった新たなリーダーもいません。自民党が先頭を切って今国会で菅政権の政治空白、問題点を徹底追及し、退陣に追い込めなければ、民主党だけでなく、自民党もまた国民の期待を裏切ることになるでしょう。
自民党には一応、民主党とちがって綱領があり、基本理念は打ち出されていますが、私はその理念、政策でひとつにまとまっているとは到底、思えません。はっきりいって保守からリベラルまでバラバラです。民主党より「ちょっと大人で小ずるい」という程度でしょうか。
したがって、私は自民党も将来的には理念と政策を同じくするグループにわかれ、民主党内の共鳴できるグループと結集し、政界を相対的に「保守的な政党」と「リベラルな政党」の二大政党に再編すべきだと考えています。
日本は東日本大震災も含めて、国難ともいうべき重大な岐路に直面しています。菅首相が今国会中に本当に退陣するかどうかで、政界の行方は大きく変わりますが、いずれにしても党利党略や自己保身の政治はもうやめてもらいたいと思います。自らを捨てて国家、国民をどう導いていくのか、その一点で与野党の国会議員は行動すべきです。
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