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「原発利権共同体」の抵抗、菅総理は歴史に残るサイテー総理の汚名を返上する千載一隅のチャンスを失った。 (岡留安則の「東京ー沖縄ーアジア」幻視行日記)
2011.08.13
■8月某日 お盆の迎え火を待たずして、菅総理が退陣を明確にした。「二つの法案が成立した時にはきちんと実行したい」「新しい民主党代表が選ばれた時には首相という職務を辞する」と衆議院財務金融委員会で明言したからだ。6月2日の民主党代議士会で退陣を表明したものの、あれから二か月以上粘り続けてきた。詐欺師、ペテン師と罵倒されても、驚異の粘り腰を見せてきた。仮免許から本免許になったものの、最後は免許停止を覚悟した開き直りの暴走を見せてくれた。開き直ったことで、薬害エイズを追及した連立政権の大臣時代の勢いを思い出したのかもしれない。
これまでの菅総理は消費税増税にしても、TPPにしても官僚と米国に配慮した腑抜けの政策しか打ち出せなかった。大地震、原発事故の対策でも後手後手に回る対応で失政を重ねてきた。閣僚人事も政治センスのなさを自ら暴露した。
民主党が政権交代に成功した最大の理由であるマニフェストも断固として守るという気概もなく、「黒幕」仙谷由人の反小沢路線に寄り添い、ほとんどの選挙で敗北を続けてきた。選挙敗北のケジメもいっさいつけずに、である。さすがの黒幕・仙谷も、菅では次の衆議院選挙では勝てないと決断し、野田財務大臣を総理の後継に指名した。その露骨な菅おろしのやり方に総理自身もブチ切れて、開き直ったのだ。
浜岡原発の停止に続き、再生エネルギー買い取り法案の成立に活路を見つけ、財界の異端児であるソフトバンクの孫正義社長と組んで太陽エネルギーの開発に意欲を見せた。広島、長崎の原爆投下の犠牲者を慰霊する記念日に、核の平和利用とされてきた原発からの大胆な政策転換を打ち出し、9月には反原発で解散総選挙を打つのではないか、と疑心暗鬼を与野党に与えた。しかし、高らかにブチ上げた脱原発も、党内論議がない独断専行だとクレームをつけられ、「あれは個人的見解」と弁明し、民主党としては脱原発ではなく「減原発」へと大きくトーンダウン。
菅総理は「原発依存の中には使用済み燃料の再処理やもんじゅの廃炉も含まれる」との根本的な認識も示していたが、赤字公債を発行するための公債発行特例法案も通過し、再生エネルギー法案の可決も自民・公明との談合により成立のメドがついたことから、これ以上の延命は無理と判断したのだろう。
むろん、米国債の格下げにより、米国株が大暴落し、その余波が日本から欧州まで波及した影響もあっただろう。大震災からの復旧・復興に加えて、原発事故の処理も急務な中で、株安・円高に見舞われたことは致命的だった。
菅総理の開き直りももはやここまでだった。脱原発に反発する霞ヶ関や永田町の「原発利権共同体」の抵抗はやはり凄まじいものがあっただろうことは推察できるが、菅総理にはそれを突破するだけのパワーはなく、ヘタレだったという事だろう。これで、菅総理は歴史に残るサイテー総理の汚名を返上する千載一隅のチャンスを失った。
後は民主党代表選だが、総理になるだけの器量のある人材は民主党にはいない。政権交代を実現した民主党トロイカ体制の最後のエース・小沢一郎しかいないはずだが、検察審査会の起訴で刑事被告人とされ、菅―仙谷からは党員資格停止の縛りをかけられており、当面は身動きが取れない。
だとすれば、「黒幕」仙谷由人が推す野田か前原、自薦の小沢鋭仁、樽床伸二、馬淵澄夫、かつがれて鹿野道彦の戦いになるのか。一説によると、仙谷は野田を下して前原を説得中との情報もある。最終的に小沢が誰を担ぐかも焦点だろう。一時は海江田経済産業大臣説もあったが、国会において野党の詰問に涙を流して哀願するような政治家に明日はないはずだ。
今のところ、まったく期待が持てない顔ぶれだが、せめて代表選の争点は、脱原発、消費税、民主党公約の是非、震災と原発対策の4点だけは徹底的に国民に向けてわかりやすいバトルを展開して欲しいものだ。
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