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菅流事典:/4 敵作り【てき・づく・り】
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2011/08/09/20110809ddm005010002000c.html
毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊
◇「小沢」の次は「原発」
◇170億を向こうに握らせてはいけない
内閣不信任決議案の可決を免れた6月2日の衆院本会議を終え、菅直人首相は親しい議員に語った。
「170億を向こうに握らせてはならない」
「170億」は、民主党が1年間に受け取る政党交付金の額だ。「向こう」とは、不信任案に賛成する構えを見せ、首相を退陣表明に追い込んだ民主党の小沢一郎元代表とそのグループを指す。
不透明な選挙費用の配分などを通じて党内影響力を強めた小沢元代表の政治手法を、首相は「党のカネで派閥を作るのは許せない」と批判。昨年6月の首相就任後、政府・党の中枢から小沢グループを排除した。
小沢元代表との一騎打ちとなった昨年9月の党代表選も「クリーンでオープンな民主党」を訴えた。国会議員票で苦戦とみると、一時は「(党所属議員全員が参加する)412人内閣を作り上げたい」と融和姿勢を見せたが、再選後はうやむやにした。
「脱小沢」路線を掲げてきた1年。政治資金規正法違反で強制起訴された小沢元代表に党員資格停止処分も科し、首相は小沢グループからの批判の矢面に立ちながら処分を進めた岡田克也幹事長を高く評価していた。
「ここまで1ミリずつジリジリと追い込んだのはおれと岡田だ」
ところが、「二人三脚」の脱小沢路線は6月21日、岡田氏らが自民、公明両党とまとめた通常国会50日延長などの3党合意を首相がけったことで終わる。
岡田氏には混乱なく退陣の道筋をつけ、脱小沢勢力が主導して「ポスト菅」を選ぶ布石にしたい考えもあった。しかし、それを拒否した首相はその後の閣僚人事で、小沢元代表に近い山岡賢次副代表に入閣を打診する。この人事は実現しなかったものの、執行部と距離ができた首相が脱小沢よりも自身の「延命」を優先させたと受け止められた。
小沢元代表を「敵」にすることが奏功して一時は6割を超えた内閣支持率が、今では1割台に低迷。脱小沢戦略の「賞味期限切れ」を感じ取ったのか、不信任案否決直後に示した執念は消え、それまで一貫していた姿勢も揺らいでしまうことになる。
その後の首相は、首相退陣へ向けた3党協議を続ける執行部をよそに、産官学に政治も一体となって原発を推進してきた「原子力村」を次の敵に定めたようだ。政府・与党内の議論なしに「脱原発」方針を打ち上げ、海江田万里経済産業相との関係もこじれさせている。
「小泉流なんてまねても仕方ない。おれは菅流でやるしかない」
首相は今年の正月、周辺にこう漏らした。郵政民営化などを巡って「抵抗勢力と戦う改革派」を掲げ、5年半にわたって政権を維持した小泉純一郎元首相への強い対抗意識の表れだった。
常に敵を作って攻撃し、それを推進力にしようとする手法は似ている。しかし、局面の変化に合わせて敵をすり替える姿勢が融通無碍(ゆうずうむげ)な延命戦略に映り、国民と与野党の「菅離れ」を加速させている点は異なっている。=つづく
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