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◆民主党代表選をめぐり、野田佳彦財務相、馬渕澄夫前国土交通相が、立候補に名乗りを上げたり、鹿野道彦農水相を担ぎ上げる動きが顕著になるなど、だんだんと本格化してきている。
だが、立候補予定者の言動を分析してみると、いずれも、政治の大本と要領について、何も説かず、ひたすら総理大臣という最高ポスト、すなわち、「玉」を奪い合うことに狂奔している姿ばかりが、目立っている。実に、憂うべき政治の有様である。
そうしたなかで、経済産業省の古賀茂明大臣官房付が、朝日新聞の8月13日付け朝刊「3面」の「夏、言いたい」欄にトップバッターで登場して、「責任ある政治家なら、既得権と戦え」と名言を披瀝している。民主党代表選に出馬する候補者を品定めするのに、極めて役に立つ判断基準となると思うので、以下、肝心な感動的部分を引用しておこう。
聞き手の今村尚徳記者が、「『大増税すれば日本経済は奈落の底へ落ちていく』とも警告しています」と質問したのに対する答えである。
「日本の財政破綻が近いと言われているが、役人からは消費税増税という答えしか出てこない。だけど44兆円もの歳入不足を埋めるには消費税を25%にまで上げることが必要。どう考えても消費増税で財政再建なんてあり得ない。必要なのは将来、若者が稼いで税金を払える経済の仕組みにする成長戦略だ。民主党も自民党も成長分野として農業、医療、再生可能エネルギーを挙げているが、農業にも病院経営にも株式会社は自由に参入できない。電力会社も地域独占だ。優秀な企業が活躍できる仕組みをつくるには、農協や農水省、医師会や厚労省など非常に強力な組織と戦わなければいけない。消費増税をするのに戦う相手は一番弱い庶民だ。本当に戦うべき相手は既得権にしがみつき成長を阻害している人たち。そこと戦える政治家こそ責任ある政治家、責任政党だ」
古賀茂明大臣官房付は、福田康夫政権下で国家公務員制度改革推進本部事務局で、内閣官房に人事局を設け省庁の幹部人事を一元化する改革に携わっていた。ところが、民主党政権になり、当時の仙谷由人官房長官によって、排除されて、経済産業省大臣官房付という「待機ポスト」に帰されて以来、冷遇され続けてきた。仙谷由人代表代行こそ、改革派にとっての最大の抵抗勢力であることが判明している。
◆ところで、南洲翁遺訓は、政治の本領について説いている。「三 政の大体は、文を興し、武を振い、農を励ますの三つに在り。其の他百般の事務は、皆此の三つの物を助るの具也。此の三つの物の中に於て、時に従い勢いに因り、施行先後の順序は有れど、此の三つの物を後にして他を先にする更に無し」
(現代語訳:まつりごと、すなわち、政治の要領は、文化技芸、産業を育成振興し盛んにし、国防を整え、農業を奮い立たせて五穀豊穣をもたらすという三つの政策を基幹として進めることにある。その他あらゆる政策や行政事務は、この三つの政策をバックアップするための手段道具である。この三つの政策なかで、どれを優先にさせ、力を入れて施行するかは、時代の趨勢や要請に応じて、順序を入れ替えることは当然あるけども、この三つの政策を後回しにして、そのほかの政策を優先させることがあってはならない)
西郷隆盛翁は、日本文化、国防、農業という三つを基幹政策に据えて最優先して政治を行うことを力説している。これは、日本民族のアイデンティティ(存在意義)と生存にとって不可欠のものであると考えているからである。
征韓論に敗れて、薩摩に帰った西郷隆盛翁が、欧米列強(背後にフリーメーソンの世界戦略)の侵略意図を喝破し、それに備えて、私学校をつくり、弟子たちを教導するとともに農業に従事させたことが想起される。まさに政治の大本を示す実践的な言葉である。
ところが、現代日本の政治家は、往々にしてこの基幹政策を軽視し勝ちである。日本文化技芸、産業の振興を怠ると日本民族のエネルギーは衰えて、経済活動は停滞してしまう。このため、常に経済成長政策の策按に努めなくてはならない。国防を怠れば、他国に侮られ、主権を侵害され、最悪の場合、領土、領空、領海を失ってしまう。農業を疎かにしていると「食糧安全保障」を損なうことになる。いま日本は、TPPへの参加という大問題に直面している。
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