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月刊日本編集部ブログ
「月刊日本」8月号
発行所 株式会社K&K
TEL 03(5211)0096
FAX 03(5211)0097
菅直人総理に告ぐ!
このままでは野垂れ死にするだけだ
衆議院議員・国民新党代表 亀井静香
日本人の心の復興につなげる………亀井
── 東日本大震災から早くも4カ月が経過した。復旧・復興が遅々として進まない状況下にあって、首相特別補佐官に就かれ、就任早々、被災地を祝察された。
この大震災をどう受止めておられるのか。
亀井 この大震災による悲惨なまでの苦難・苦悩は、まず政治家が先頭に立って、身に引き受けなければならなかった。
だが、政治の不作為・怠慢の結果、東北の人たちが未曾有の震災による苦難・苦悩を一身に背負ってしまうことになった。
大変申し訳ないという思いで一杯だ。
ここ十数年来、我が国では、自分さえ豊かになればそれでよしとする弱肉強食の米国流新自由主義が横行して、家族や地域共同体が崩壊し、本来持っていた日本人の魂を失ってしまった。私は、魂なき日本国民は、この大日本豊秋津島に住む資格などないと言ってきたが、今回の大震災は、こうした日本人に対する天の警告と受止めるべきだと考えている。
謙虚に、そして虚心遡懐にこの警告に耳を傾けるべきだ。
それだけに政府は勿論、与野党、役人、経済界など国を挙げて被害地城の復旧・復興に取り組まねばならないし、同時に、これを日本人の心の復興につなげなければならない。
震災直後から、大勢のボランティアの方々が全国から馳せ参じて、被災したお年寄の世話や瓦礫の処理などの過酷な作業に従事するなど、涙ぐましい努力を続けていただいている。
ボランティアの方々にJ心から感謝を申し上げたい。
危機にあって、日本人が本来持っている美しい魂が発露したのだ。これこそが人間の生きる原点だと思う。
悲惨な状況にある被災者の方々を目の当たりにして、みんなが幸せに生きていくことが、自分の幸せでもあるということを、我々自身が思い知る契機になったのではないか。
被災地の時計の針は止まったままだ………亀井
亀井 今回、菅総理から就任の要請があったが、副総理はお断りした。しかし、首相特別補佐官という場を与えられた。
縦横無尽に走り回り、災害復興が日本人の心の復興につながるような、根源的な意味での復興に取り組みたい。
今回現地に行って驚いたことは、震災一カ月後の4月13日に被災地を訪ねたときと復旧状況はほぼ同様、作業は遅々として進捗していない。被災地の時計の針は止まったままだ。
全力を尽くして、迅速・適切な対策を次々に打ち出さねばならないと、痛感した。
帰京後、早速菅総理に「被災地の人たちが、今後どう生きていこうとしておられるのか、どうしたいのか。それを地元市町村と一緒に、復興対策本部がしっかりと掌握した上で復旧・復興対策を立てなければ、砂上の楼閣になる。復興構想会議が有識者の意見をいくら集めても、被災地の人の肉声を聞き、被災者のニーズを的確に把握できなければ、本当の復興にはならない」と報告しておいた。
また、復興対策本部の事務局長に対しても「復興計画を立てるに当っては、国交省OBの中から、ダム建設や道路拡張に当って、住民から希望や意見を聞くのに慣れた連中を一時的に採用して、地元自治体の長と一緒になって、まずは地元の要望をしっかり把握すること。ものごとは、そこから始まるんだ」と指示した。
大胆な復興のグランドデザインを作れ………亀井
── 亀井さんは、15年前の阪神淡路大震災のときには、村山内閣の閣僚として震災の復旧に当られた。
亀井 今回の東日本大震災と阪神淡路大震災とは状況がまったく異なる。阪神淡路の時は、家を破壊された被災者は仮設住宅に入居しても、家を建て直しすれば、元のところに戻れた。神戸で壊滅的被害を受けた長田地区以外では、会社は潰れておらず、仕事もあった。
しかし、今回の東日本大震災では巨大津波で大勢の方々が犠牲になり、家や職場も跡形もなく流されてしまった。避難所や仮設住宅に入っても、今後の生活の目途はまったく立たず、将来の生活を思い描くことすらできない。
これから、どう生きたらいいのか、途方に暮れている人たちの気持ちを十分把握した上で、大胆な復興のグランドデザインを作り上げるべきだ。
グランドデザインを措いて、その肉付けをしていくことは自治体に任せてはいけない。あくまでも国、行政府がやるべきことだ。
その中で、法律事項があれば、法案を国会に出す。予算措置が必要なものは予算案を出す。第3次だろうが、第4次だろうが、必要な補正予算案を出すなど、一日も早い復旧・復興のため次々に矢を放っていかねばならない。
とにかく、時計の止まった状況を放置しないで、菅総理は大胆なグランドデザインを描いて、肉付けをしていく仕事をすべきだ。仕事を済ませれば、後は後進に託し、どうしても行きたいのなら、四国八十八カ所のお遠路に行けばいい。
「辞めろ」「辞めろ」と叫んでも無意味だ。菅総理の後にスーパーマンが控えているわけでもないのだから。
重大な仕事ができなければ、総理は野垂れ死にだ……亀井
先日も官邸で菅総理にこう申し上げた。
「総理、あなたは国会で、特例公債法案、2次補正予算、再生可能エネルギー法案の3本の成立に目途をつけるということばかりいっている。あなたは、これらの法案が成立すれば、震災復興が前に進むと思っているのか。
特例公債法案は23年度予算の財源の裏打ちに過ぎない。2日補正は2兆円にも足らないもので、1次補正で落ちこぼれた当面の緊急のものを拾っただけだ。
被災者が将来に向けて希望を持って生きていける、被災地域が再生していく、そのために取り組むべき政策を織り込んだ法案はまだ出ていない。3本の法案を成立させるのは、立法府の仕事であって、あなたの仕事じゃない。立法府に任せておけばよいことだ。あなたは行政権の長として、被災地の方々の心を踏まえ、具体的な対策を地元自治体を使ってどんどん進めることではないか。
こうした重大な仕事をやらないでいて、3本の法案が成立したら、四国のお遍路に行きたいと言っても、このまま野垂れ死にするだけだぞ」
こう厳しいことを申し上げたが、菅総理は「その通りだ」と頷いていた。
行蔵我に存す、毀誉は他人のなすところ……亀井
── 衆議院で圧倒的多数を有する政権が、党内抗争で崩壊寸前の状態に陥っている。
亀井 最大の問題は、政権政党である民主党は、未曾有の危機にあって「自分達が政権を担当している」という一片の責任感を持っていないことだ。実に悲しいことだ。
自分たちが選んだ総理が「頑張る」と言うなら、全面的にバックアップするのが政党政治家として当然ではないのか。
ところが、幹部連中は総理の首を取ることばかり考え、倒錯したことを平然とやっている。国対の連中のやっていることなど、冗談じゃない。どこの党の国対委員長かと言いたくなる。オールマイティーの人間がいるわけはないんだから。
15年前の阪神淡路大震災の時、政権にあった村山富市総理が偉かったのは、「俺は田舎のオッさんだ。みんなが頑張ってやってくれ。責任は俺が持つ」と、見事なリーダーシップを発揮されたことだ。
私が菅総理に対して言いたいことは「もっとみんなの力を借りて、オールジャパンの力を結集する姿勢を取りなさい」ということだ。
── 自民党参議院議員の浜田和幸さんを一本釣りしたと、野党自民党だけでなく、与党からも非難の声が上がっている。
亀井 国難とも言うべき未曾有の危機に臨んで、菅総理も救国的見地から、ようやく震災復興に野党議員からも協力を得ようということになった。
浜田議員は、自民党にいても震災復興の役に立てない、なんとか自分のノウハウを生かしたいという意欲を持っていたから、それじゃあ来てくれと、復興担当相の政務官として登用したわけだ。
それを自民党は「引き抜かれた。一本釣りされた」とわいわい騒いでいる。今の自民党はおかしいんじゃないか。
マスコミもその尻馬に乗って、浜田議員を批判しているが、これもおかしいなことだ。いま政治家に求められているのは、日本国が直面する未曾有の危機をどう克服するかという、きわめて緊急かつ重大な役割なのだ。
社会の木鐸の役割を担うマスコミは、日本国の復興をどうするのかという、大局的見地から、報道・論評してほしい。
── 亀井さん自身、総理特別補佐官に就任して、マスコミから菅政権の延命に加坦したと批判されている。
亀井 国家の危機に直面しているにもかかわらず、マスコミは政局絡みの批判ばかりに終始している。私はこの未曾有の危機に救国的見地から、挙国一致して取り組むべLとの理由で、副総理は固辞したが、補佐官は引き受けた。
マスコミの批判など聴くに催しないし、気にも留めない。
明治維新政府に協力した旧幕臣の勝海舟が、「痩我慢しろ」と福沢諭吉からこつぴどく批判されたが、勝はそんな批判には耳も傾けず、「行蔵我に存す、毀誉は他人のなすところ」と悠然としていたという。今の私はそんな心境だ。
今の政治家は本当に堕落している………亀井
── 亀井さんは1カ月以上も前に、災害復興には救国的見地から、全党の知恵と経験、力を災害対策本部に結集すべしと提案し、菅総理に直談判したが、結局、菅総理は受け入れなかった経緯がある。
亀井 挙国一致態勢ができなかったので、残念ながら復興の道筋をつけをのが大幅に遅れた。民主・自民の中で大連立を志向する連中が出てきたが、そんなことできっこない。
2年後の選挙を控え、大連立となれば選挙協力もしなければならない。震災対応だけではないから、閣内不一致が起きないように、政策協定を結ばなければならない。それで復興に限定して与野党が協力する復興実施本部を作ろうといったら、自民党が蹴飛ばした。彼らには本気で復興に協力しようという気がないのではないか。
挙国一致で復興がうまくいったら、次の選挙で損をすると考えているのではないかと疑いたくなる。今の自民党は2年前まで政権を担っていたという矜持と誇りさえ失っている。
与野党を通じて、今の政治家は本当に堕落している。
── 亀井さんは総理特別補佐官として、復興の方向性をどう定めているのか。
亀井 まず被災者の人たちが、今後どう生きていくのかという気持ちをしっかりと掌握し、その上で復興のグランドデザインを作る。金に糸目はつけない。財務省の勝手な算盤勘定には決して乗らない、ということだ。
そのために、先日の視察には、現地の惨状をつぶさに見せようと、財布の紐を締めている財務省の幹部も同行させて、現状をしっかり把握させた。地元関係者には「今日は財布を持ってきたぞ」と言って、激励した。
増税せず、知恵を使えば復興財源は出てくる……亀井
── 震災危機とデフレ不況の最中、政府は6月30日に「社会保障・税一体改革案」を決定し、消費税率を「2010年代半ばまでに10%まで引き上げる」方針を明記した。
亀井 こんな国家の非常時に、社会保障と税の一体改革を打ち出すなど、政府は中長期の方針をぐちゃぐちゃにして、政治そのものがおかしくなっている。高等幾何や解析を解くような難しいものじゃない。
菅総理にも言ったのだが、井戸が壊れて水が溜まっていないのに、釣瓶を下ろして、どう水を汲み上げるのか。
大震災で大勢の被災者が岬吟してる状況下で、消費税増税を言うこと自体が間違いだ。与謝野経済相を他党から引っ張ってきて、こんな結論を出したのだが、今はそんな能天気なことを言っている時ではない。思い切った震災対策で日本経済を復興させることが、日本人の心の復興にもつながる。日本人の潜在能力に自信を持つべきだ。
生きとし生けるものが、どう生きていくのかを真摯に考え、大乗的立場にたち、金に糸目を付けなければ、いいアイディアは幾らでも出てくる。
── 復興構想会議は6月25日に、基幹税(消費・法人・所得税)増税を復興財源に当てるべLとの提言した。これでは97年の橋本政権下の増税で、GDPも税収も落ち込んだ轍を踏むことになるのではないか。
亀井 日本経済が落ち込み、GDPは世界第2位から下がったというが、まだまだ中国と並ぶ金持ち国家だ。
民間大企業には300兆円という巨額の内部留保を抱えており、特別会計には、今すぐ使う宛てのない金がたんまりある。だが、財務l省に「駄目です。それは復興に使う金ではありません」と言われると、すぐに引っ込める。しかも、米国には官民で200兆円もの金を貸している。
それにも関わらず、被災地の方々を含めて大衆課税に財源を求める考えは、根本から間違っている。
復興財源を作る方法は2つある。まずは税制を改正して、担税力のあるところから税金を取ればよい。次に、国債を発行し、日銀に引き受けさせることだ。国債の出し方を工夫すれば、長期金利が決して上がるわけではない。財務省の算盤勘定に乗っては駄目なのだ。思い切って、政府紙幣発行に踏み切ることを考えてもいい。
日本人はもっと自信を持つべきだ。日本民族は知恵と力のない民族ではない。66年前の敗戦で300万人以上の尊い命が失われ、主要都市が焼け野原となり、広島・長崎は原爆投下で廃墟になった。しかし、半世紀もせぬ間に世界第2位の経済大国になった国だ。自信を喪失する必要はないのだ。
国民の期待に応えるために政界再編を………亀井
── 復旧を急ぎ、復興のグランドデザインを描いて、国民に展望を示すには、安定した政権の存在が不可欠だ。
民主党にも自民党にも新自由主義路線を信奉する議員がいる。思い切った政界再編をするべき時なのではないか。
亀井 今、衆参はネジレ問題があり、復興への道筋が見えてこない。このネジレは早急に解消する必要があるが、その目途があるわけではない。
本質的な問題は、民主・自民の二大政党が今は「まぜご飯」状態で、思想信条を同じくする同志的存在ではなくなっていることだ。政権政党たる民主党が、理念も何もない内ゲバ状態に陥っている。こんな政党はもはや政党とは言えない。
いずれ思想信条を同じくする政治家が、新たな政党に収斂してゆくことになると思う。言うは易く、行うは難しだが、政治家は国民の期待に応える政策を実現させるためにも、政界再編を目指すべきだ。
── 最後に、郵政民営化見直し法案について。
亀井 この郵政民営化の実態は言うまでもなく、小泉政権が米国の強い要請を受けて成立させたが、日本の文化・伝統をぶち壊すものであり、350兆円に上る日本の国富を米国に売り渡すという実に不届きな売国的な政策だ。
私たち国民新党は、郵政民営化に徹底的に反対し、民営化の弊害を是正するため、民主党との問で、郵政民営化見直し法案の成立を期すことを約束する文書を取り交わした。
しかし、民主党は一向に審議入りに踏み切ろうとしない。
このまま審議が進まないなら、我々は与党であり続けるはずはない。次の選挙では全国郵便局長会が「ペテン師だ」と、民主党候補者の地元を駆けずり回り、私はその先頭に立つことになるだろう。
(聞き手・構成 高橋清隆)
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