http://www.asyura2.com/11/senkyo117/msg/756.html
Tweet |
社説 民主代表選へ―公約超えた知恵を競え 朝日新聞
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1
2011年8月11日(木)付 朝日新聞
菅直人首相が、ようやく退陣する。
東日本大震災への対応に「一定のめど」がついたら引き継ぐと言って2カ月余り。赤字国債の発行を認める特例公債法の成立など、「退陣3条件」にめどがつき、首相はきのう条件が整えば辞めると明言した。これで政治が次の段階に進む。
ここでまた混迷を繰り返すわけにはいかない。単に首相を代えるのではなく、政治の出直しの機会としなければならない。
そのために大切なのが、民主党代表選のあり方だ。
これまで、党内の対立軸といえば「小沢か、脱小沢か」だった。小沢一郎元代表に近い勢力はマニフェスト(政権公約)の固守や消費増税反対を唱え、脱小沢勢力は公約の見直しや増税路線に傾く――。政策論争の衣をかぶった権力争いがずっと続いてきた。
こんどの代表選は、もっと次元の高い戦いにしなければならない。なにしろ次の党代表、すなわち首相は、震災後の日本の再出発を担わなければならないからだ。
震災後の日本は、少子高齢化やグローバル化といった課題に加え、被災地の復興や放射能との闘い、原発稼働の制約に伴う電力不足問題まで抱えた。
それらを乗り切る知恵は、政権交代前にまとめた公約には記されていない。とすれば、問題は公約を守るか否かではなく、公約を超えた知恵のはずだ。
負担増は避けたいという感情論を排し、復興に向けた方策とその財源の確保に心血を注がなければならない。未曽有の原発事故を教訓に、新たなエネルギー政策を築いていかなければならない。
論ずべき課題は山ほどある。代表選に出る候補は、これまでよりも若返るだろう。どんな知恵を持っているか楽しみだ。
けれども、古い発想の旧リーダーが裏で糸を引き、代理戦争を演じたのでは、世代交代の意味がない。これまで党を引っ張ってきた菅、小沢両氏に鳩山由紀夫前首相の「トロイカ」は今回、行動を慎むべきだ。
候補側も彼らのグループに頼って戦うべきではない。各候補がビジョンを示す。議員はそれを見極め、自らの判断で投票する。党の政策を定め直す代表選にしなければならない。
そんな論戦には時間が要る。一方で、政治空白は避けねばならず、9月は外交日程も立て込んでいる。菅首相は特例公債法などの成立を待たず、党代表を辞し、早く代表選をスタートさせるべきだ。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK117掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。