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日刊ゲンダイ
平成23年8月10日 9日発行
忘れるな!「五輪より戦争」と言った石原妄言
東京都の石原慎太郎知事は先週5日の記者会見で、核保有に向けた模擬実験を行うべきだと主張した。オバマ大統領がノーベル平和賞の受賞後に核弾頭のシミュレーションを実施したことに触れ、「日本もやったらいい。3カ月でできる。プルトニウムは山ほどある。日本は強力な軍事国家にならなかったら絶対に存在感を失う。北朝鮮、中国、ロシアが領土をかすめ取ったり、かすめ取ろうとしている」うんぬん。
石原氏の与太にいちいち腹を立てていたら身が持たない。なにしろ大震災と大津故に見舞われた東北を横目に「天罰だ」と言い放ち、わざわざ福島に赴いては「私は原発推進論者です」と捨てゼリフを吐かずにはいられなかった人なのだ。
ただ、東京都は2020年夏季五輪招致に立候補を決めている。時期が来れば前回同様、平和主義者を気取りだすのがミエミエだから許せぬ。諭より証拠、2016年夏季五輪招致で放れた前後の妄言を示しておこう。
「(近頃の若者がダメな理由は、という問いに)60年間戦争がなかったから。『勝つ高揚感』を一番感じるのは、スポーツなどではなく戦争だ」
これは五輪招致を初めて口にした半年前、05年1月の『週刊ポスト』での発言。ところが09年2月、IOC(国際オリンピック委員会)のロゲ会長に宛てた手紙には、
「私の祖国日本は、(中略)戦争放棄をうたった憲法を採択し、世界の中で唯一、今日までいかなる大きな惨禍にまきこまれることなく過ごしてきました。その日本でこそ、(中略)民放の融和、国家の協調を担う大きなよすがとなるオリンピックを行うことは、世界の平和に大きな責献ができるものと信じます」(!)
大嘘もいいところだった。
他人に戦争させて楽しみたい、儲けたいという病的な支配欲は、死ぬまで直るまい。
被災地での暴言がたたって辞任に追い込まれた松本龍・前復興担当相が気の毒になる。あちらは躁うつ病らしいのに袋叩きで、こちらは広島や長崎の原爆忌を前に被爆者を嘲笑しても、最低限の批判にもさらされない。財界や米国に都合のよい存在ならミソもクソも一緒の国の不幸を、石原氏は全身で体現しているということなのか。
首都の長の立場で戦争賛美と都財政の私物化を繰り返すばかりのコソ泥の話など話題にしたくもない。だが誰も批判しなければ、彼の言動は正しいということになってしまう。だから書き残しておくしかないのだ。自分自身を腐らせながらでも。
(隔週火曜掲載)
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