63. 2011年8月21日 19:57:44: FWuv3UINUA
今回の件、原子力を取り巻く利権構造、政治的意志力と無縁に考える事は出来ないと思います。 原子力、電力利権というのは非常に巨大で、 政界へは、自民、民主、公明等への党派を問わぬ献金、および票集めによって大きな影響力を持ち、 経産省、財務省、外務省等の各省庁の最上の天下り先として存在し、 また広告、TV、新聞などメディア業界最大のスポンサーであり、ACの理事にも上役として名を連ね、 大学、学者達を潤沢な資金と電気料金の優遇で懐柔し、 更に経団連の上部は電力、原発の建設会社が占有し、強い発言権を保持してきました。 また、銀行(大口株主でもあります)に高い利率で資金を借りる事で味方に付け、建設会社に贅沢な設備を発注する大口顧客であり、原発労働者確保の為に暴力団を雇い、更に反対派の押さえ込みの為に警官を天下りとして受け入れています。 その全てを"経費"として、僕達の電気代からとってるんです。 全く、調べれば調べる程、信じられないのがこの国の電力業界です。 他にも海外の赤い盾がウランの利権に絡んでるとか、核武装の為という人もいます。 これにはさすがに首を傾げますが、上に書いた事はほぼ間違いのない事と思います。 この電力会社が最もお金を儲ける仕組みは原発にあります。 総括原価方式によって、電力会社はかかった費用の約3%を利益として料金に反映できます。 そのため設備投資費の巨大な原発はもってこいなのです。更にCM費用も、そして使用済みの核廃棄物も資産として計上していますので、これも電気料金に乗せて僕達からとっています。 ただし、ここが最も重要な事ですが、電力会社最大の資産は原発ではありません。 送電線なのです。1kmあたり、20年前で1億円もしていました。 そして電力会社が送電線を独占している為に、消費者は発電方法も電力会社も選べません。送電線こそが、原発利権温存の要であると同時に、独占構造を維持する既得権益もかねた、真の資産なのです。 さて、ここでようやく背景の説明が終わりますが、菅総理が明確に辞任を叫ばれ始めたのはやはり彼が発送電の分離を唱えてからです。 浜岡はアメリカの手前もあり、国内の原子力利権組も強く反発できませんでした。 しかし、菅総理の発送電分離発言は電力会社にとって致命的であり、これを言えば事は東電だけで済まず、国内全ての電力会社を敵に回す事になるのです。 菅総理はまさに、国内最大級の利権構造のトラの尾を踏んでしまった訳です。 彼自身も、今回の震災を経て電力の闇に目を向けましたが、それでもこの利権構造相手には遠慮した物言いが目立ちました。 しかし、彼自身が何を考えたかは分かりませんが、5,6月以降でしたか、急に行く道を決めた表情になり、言動が変わってゆきました。 勿論、菅総理は失敗も多いし、はっきり言ってダメな所がすごく多いです。まぁ、僕なんてもっとダメですから、全然言えた義理ではないんですけど。 彼がどんな思いでこの件に手を突っ込んだにせよ、この国から原発利権を引きはがす事は、国の未来を守る為の必須事項であり、大切な事なのではないかと考えます。原子力をどうするかという選択は、現代に生きる人間が未来に生まれ来る命に対して最も重い責任を持つ事柄です。 今回、菅総理に不信任を提出した方々の名前と、超党派の組織、地下原発推進議連のメンバーが見事に一致しています。(以下敬称略) 会長 たちあがれ日本:平沼赳夫 民主党:鳩山由紀夫、羽田孜、渡部恒三、石井一 自民党:谷垣禎一、森喜朗、安倍晋三氏、古賀誠、中川秀直、山本拓 国民新党 亀井静香 そして小沢一郎は、トリウム炉の推進にかかわっています。 トリウム炉は商用化の前に充分な準備期間が必要と思います。未だ実証炉の段階で、充分な研究が必要な分野ですが、既に技術の確立した一部の再生可能エネルギーに比べ時間のかかる技術であり、まだ実際に核廃棄物の処理につながるかも分かりません。 事実上、原子力利権と最も関係の浅いのは菅直人、という事になります。 原口一博、河野太郎、福島みずほ等、脱原発、反核燃料サイクルを唱える方は他にもいますが、総理として、危ういバランスながらもここまで電力の利権構造に切り込んだ首相は歴史的に彼だけであり、長年原子力の実態に憂慮してきた身としては、もう少し彼がどこまでやれるか、見たい気持ちがあります。彼の真意が何処にあるにせよ、原子力からの脱却を進めていくならば、僕は彼を支持します。 ・・・もしかして赤い盾にもヒビが入ってたりするのかもしれませんね ? ( w ) いずれにせよ彼は今回の再生エネ法と先日の辞任条件である他2つを達成したらやめるでしょう。つまり、未来への軌道を変える為の基礎を作りたい。それが菅総理の考えている事ではないでしょうか。守りたいのは未来です。迷いながらここまで進み、原風景としてのエネルギー革命に、自分のやりたい事を見い出したのでしょう。また、彼がそこまで考えていなかったとしても、結果としてそちらの方向へ進むのならば、その決断には大きな意味があります。 出来る事なら発送電の分離と望月氏の辞職までやって欲しいですが、これ以上巨大構造に彼一人を立ち向かわせるのは無理があり、最近の言動に発送電分離が消えている事からも限界が伺えます。 総理大臣をやめた後、彼がこの利権構造から制裁を受けるのは必定で、過去の例を考えると非常に心配です。 長文、大変失礼致しました。 |