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2011年8月 8日 (月)
原子力安全庁は経産・財務両省から切り離すべし
朝日新聞報道によると、8月7日、原子力規制機関を統合して新設する原子力安全庁(仮称)について細野豪志原発担当相はテレビ番組で、「内閣府に置いても経済産業省から人を持ってくる。経産省に遠隔操作されるくらいなら、環境省の組織としてグリップ(統制)を利かせた方がいい面もある」と述べて、環境省の外局とするのが望ましいとの見方を示した。
新設する原子力安全庁については、環境省の外局とする案と内閣府の外局にする案との両論が試案に併記された。
環境省の外局になると、経済産業省の影響力が遮断されることから、原発を推進したい経済産業省などが、内閣府の外局とする案をぎりぎりの段階で、無理やり押し込んだのだ。
細野氏は両論併記の試案について、「結論は出していない。(内閣府は)寄り合い所帯で出身省庁の顔色を見ながらやっていることが多い。大臣が複数の任務を担当するので、大臣のグリップは利かない」などと述べて、原子力安全庁を内閣府の外局にすることの問題点を指摘した。
他方、環境省案については「(同省には)自然エネルギーを推進し、原発に否定的な考えの人が多い。安全サイドに立った様々な判断をするというのも一つのアイデアだ」と述べ、環境省の外局にする案の方が優れているとの見解を示した。
内閣府には各省庁がスタッフを送り込んでいるが、圧倒的な支配権を保持しているのは財務省である。
内閣府には内閣官房副長官補と呼ばれる職位が3席設けられており、財務省、外務省、警察庁又は防衛省の指定席とされつつある。
この3名および事務の官房副長官が内閣府を実質的に仕切っており、したがって、これらの4名の出身省庁が強い影響力を有している。
また、内閣総理大臣秘書官は政務担当1名、事務担当4名の合計5名で構成されており、事務担当秘書官には、財務省、外務省、警察庁、経済産業省から1名ずつが出向して就任する。通常は、このなかの財務省出身秘書官が筆頭秘書官に就任する。
かつて、経済情勢の分析、経済政策の立案は経済企画庁が担当したが、この経済企画庁は内閣府に吸収された。内閣府は実質的に財務省が権限を握っており、財務省は内閣府を隠れ蓑にして、勢力拡大を画策し続けてきた。
内閣府は細野豪志氏が指摘するように、各省庁の寄り合い所帯であり、各省庁から派遣されてきた官僚は、出身省庁の利益を優先して行動する。「各省庁あって内閣府はなし」が実情である。
この内閣府において、経済産業省は内閣総理大臣補佐官1名のポジションを死守しており、経産省はこのポストを通じて官邸情報を入手し、内閣府の行動に一定の影響力を発揮している。
これまで経済産業省の支配下に置かれていた原子力政策の規制機関は本来の役割を果たしてこなかった。経済産業省・資源エネルギー庁は電力会社および原子力関連産業と癒着し、原子力ビジネスを推進してきた母体である。その経済産業省の支配下に規制機関を設置しても、規制機関としての役割を果たすわけがない。
違法な貸金業務を行うサラ金を規制する機関をサラ金自身が設置するようなもので、実効性が上がらないことは明白である。
東電福島第一原発における放射能放出事故を引き起こした一因として、日本における原子力規制機関が本来の役割を発揮してこなかったという事実を指摘することができる。このことに対する反省、教訓を踏まえて新しい制度が構築されなければならないが、原子力利権に群がる利権関係者の抵抗はすさまじい。原子力ビジネスにブレーキがかからぬよう、規制および監視強化の方向に対して、激しい抵抗を示している。
そのひとつの表れが、規制機関を環境省の管轄に置かず、内閣府の管轄下に置くという主張である。
内閣府のなかで圧倒的な力を有しているのは財務省である。そして、財務省は裏で米国・CIAとつながっている。この財務省と経産省が連携して、内閣府の外局として規制機関を設置することを画策しているのだ。
福島原発の重大事故を経験したにもかかわらず、欲得原理でしか動かない利権複合体は、原発ビジネスを今後もなお推進することしか考えていない。完全な思考停止状態に陥っている。こうした現況を踏まえても、新たな規制機関は原発ビジネスを推進する経産省および財務省と距離のある独立性のある官庁の傘下に置く必要があるのだ。
とはいえ、これまで環境省は財務省の植民地とされてきた省庁である。環境省が財務省からの独立性をも確立し、独立の機関として機能を発揮できるようにならなければ、環境省外局の原子力安全庁も期待される機能を果たすことができないだろう。
政権内部でこれからバトルが繰り広げられる。これは、「脱原発」と「原発推進」の闘いであると言っても差し支えない。本来の意味の規制機関を設立する意思が確かならば、答えはひとつしかない。環境省の外局として設置することである。
本来はより独立性の高い、強い権限を持つ委員会を設置することが求められるが、それが実現しないのであれば、環境省外局として設置することしか道は残されていない。この方向で着地するか、しっかり監視が必要である。
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