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新聞一面の研究。:「ダイバージョン」(誤導)なのか「行政指導」なのか。(ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 )
http://www.asyura2.com/11/senkyo117/msg/557.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2011 年 8 月 05 日 11:03:13: twUjz/PjYItws
 

http://amesei.exblog.jp/14272167/

2011年 08月 04日
新聞一面の研究。:「ダイバージョン」(誤導)なのか「行政指導」なのか。


アルルの男・ヒロシです。

 日経新聞の一面を見て驚いた。「日立と三菱重工が統合へ」とデカデカと書かれている。
記事は、「きょうにも合併会見」と書いてある。

 この記事を読む前に、私はネットで「社長島耕作」シリーズの初芝電気が原発部門を震災後売却した(もちろん漫画の中で)ということについて詳しい経緯を調べていたから、この記事は何もなければ「確かにそういう時代が来たかもな」と思っただろう。

 ところが、朝日新聞も我が家では購読しているので、これを見てみると、こちらは海江田経産大臣が、原発関連の官僚(松永和夫・経産次官、寺坂信昭・保安院長、細野哲弘・エネ庁長官)が更迭されるという記事と子ども手当の今年度限りでの廃止(児童手当の復活)が一面に出ている。

 あれ?と思った。これは日経のスクープなのだろうか。
 記事を読んでみると、日経のおかしな点も多い。(記事は最後に資料として貼り付けておく)

 そもそも日本の原子力産業は外資系の属国体制にある。

 アメリカ系のGEと、欧州系のウェスティングハウスとアレヴァの三社の系列に日本の原子炉メーカーが組み込まれている。WHはアメリカ系だが、もともと「炉」の技術はアレヴァの前身であるフランスのフラマトムのものである。

 原子力産業はアメリカのロックフェラー石油産業と大きく対立する、欧州ロスチャイルド系の事業である。欧州系がアフリカのコンゴなどの植民地開発で19世紀荒らしまわって資源企業の母体を育成したことも関係するのだろう。

 だから、日本の東芝にしろ、日立にしろ、三菱重工にしろ、それぞれ現在はWH、GE、アレヴァの「子会社」(属国会社)のような存在である。このことはプラントメーカーの人なら誰も否定しないだろう。

 要するに本社である欧米本社が原子力のリスクを属国である日本に負担させているわけだ。(アレヴァは違う。三菱重工よりもアレヴァの方がリスクをフランス国営会社なので負担している)

 だから、日立と三菱重工が合併なり統合する場合、親会社であるGEとアレヴァの意向が重要になってくるのだが、日経の記事はその重要な点を一切書いていない。

 日経にはこの記事を出す何らかの意図がある。幾つかの可能性を指摘する。

1)日経は取材した内容を早合点して、フライングで固まっていない交渉を記事にしてしまった。
2)日経は情報源から騙されてガセネタをさも信ぴょう性があるように信じこまされた
3)日経は誤報を知りながら何らかの合理性を感じ、飛ばし記事を一面に載せた

 このうちのどれが真実かはわからない。ただ、日立の中西社長は日経の記事について即座には否定はしなかった。今のとところは(1)がどうやら正しいようだ。協議は進んでいるが合意には至っていない、ということか。

 ただ、他紙の一面を見ると、朝日も産経もこの記事を扱っていない。朝日は原発の監督官庁の経産省の幹部3人を更迭する民主党政権の”政治主導”の成果についての記事を一面にしている。

 情報操作を嫌がって複数の新聞を読まず、反権力的な東京新聞だけを購読すればいいという意見もあるが、これは違うと思う。新聞は読むなら数紙、でなければゼロ紙であるべきだ。情報はネットで拾うというだけのも、リテラシーを身につける訓練をしたいのであれば、やめたほうがいい。

 日経と朝日の一面を比較すると、財界・官僚寄りの日経と、民主党の政権を擁護する側に近い朝日では違いが出ている。

 菅政権や海江田大臣は官僚を更迭することで国民の支持離れを回復するという政治的意図があるのは言うまでもない。だから次官更迭が一過性のものであるならばあまり評価できない。ところが、官僚にとっての問題はこの更迭人事で官僚側がこれでダメージを受け、原子力産業に対する国民の理解がますますなくなっていくことだ。

 次官更迭をかき消すほどの大きなネタを載せれば、次官更迭のインパクトは薄まる。今の日本の支配層が読む新聞は朝日でも読売でもなく日経である。(追記:河野太郎はツイッターで「経産省から朝日新聞にリークがあったんだけど、朝日新聞が間違って総理を主語にした」と書いている。経産省のリーク)

 だから、経産官僚は、日立と重工の合併の記事を日経の経産省担当記者に吹き込んだ。この日経の記事の出所は経産省に決まっている。出所は日立や重工ではないと思う。

 巨大合併の記事を出すことでエリート層の関心を経産省から財界にそらすわけだ。
 これはダイバージョンといって世論操作の基本である。スピンとも言われる。

 この世論操作はその効果が薄れてきている。一面を使って世論をそらすというのは古い時代のやり方だが、それだけに経産省も必死なのだろう。(追記:朝日には次官更迭のニュースをリークし、日経には巨大合併のニュースをリーク。2派閥に経産省が分かれているのか、それぞれが同じ官僚によっての情報リークか。)

 ただ、経産省の本当の意図はなんとなくわかってくる。

 そして、この日経の統合を報じる記事を再度よく読むと、これが原発メーカー再編の経産省の意図なのかと思えてくる。ははあ、なるほど。

 経済産業省の前身の通産省はこうやって「産業政策」と称して、メーカー再編をやってきた。今回もそれだろう。

 WHの子会社の東芝は沸騰水型と加圧水型の原子炉を持っている。一方でGEの子会社の日立は沸騰水型である。三菱重工はWHの加圧水型をやっていて、今はアレヴァの子会社だから、これも加圧水型。日立と組ませることでPとBが両方揃うので国際輸出に役に立つという風に経産省官僚は考えたのだろう。

 想像になるが、仙谷由人の側近の内閣府参与の前田匡史あたりの意見もあったのかもしれない。海江田が経産次官更迭をすることと、原子炉メーカーが統合への協議を開始することは大いに関連している。

 そう言っているときに日経が別の記事を載せた。

トルコ原発、加圧水型炉の検討要請 トルコのエネ相が日本に http://s.nikkei.com/o9es9E

 この記事は、「日本勢は東芝の沸騰水型軽水炉(BWR)を提案していたがBWRである福島第1原発の事故を受けて世界的にBWRの安全性のイメージが悪化。トルコ側が安全面を懸念した可能性もある」(日経)と報じている。

 ああ、なるほど。トルコ商戦などで日本の原発メーカーが「GE・日立・三菱連合」と、「WH・東芝連合」でやらせたいのだな。それが「親会社(アメリカ)の意向」なのであるな。これを経済産業官僚は下請けとして指令を受け取って、日経に書かせる形で、次官更迭の記事をかき消すと共に、業界に「日経紙面による行政指導(ギョーゼーシドー)」を行ったのだな。

 そこまでして、海外に原発を売りたいのかね。バカだね。

 日本が輸出するべきのは高速鉄道、在来線鉄道、ガスタービンなど。これはGEがどれも手がけているので競合する。属国・日本としてはアメリカの親会社が力を入れない事業で稼げと指令を受けているのだろう。GEがやりたがらない原発を日本がやれと言われている。

 指令を受けているのはJR東海の葛西敬之会長とか、前田匡史とか、仙谷の親友の日立の川村隆会長か。

 どこまで奴隷根性なんだ。日本の財界は。更に言えば、『経産省と日本の悲劇』だ。アメリカの顔色を伺って、イランの油田開発から撤退したりと今の経産省はろくでもない。

 中国とべったりの丹羽宇一郎・伊藤忠元会長(現中国大使)の方がまだマシで未来志向だ。

 ただ、この合併を日本が脱原発への踏み出す一歩にすることも可能だ。今後、主流となりうるガス発電、スマートグリッド、太陽光・風力などの「非放射性エネルギー」をナショナル・チャンピオンとして育成するための新戦略を政治が打ち出し、それに官僚と産業界を載せることが重要である。そういうものであれば政府や経産省は支援したらいい。

 日立も三菱もアレヴァのような「国策会社」ではなく、民間の「コングロマリット」である。資本主義の論理では儲からない、コストの高いものは投げ捨てる。

 原発の最終処分や事故までを考慮に入れた潜在的コストは311以後、一気に増えた。原発は減らすべき産業であって増やすべき産業ではない。アメリカは原発を現に投げ捨てている。だから日本に肩代わりさせているのではないか。

 原発は他の会社に売ってしまえばいい。外資で原発部門を欲しがっている企業は新興国にたくさんいるはずだ。それで新エネ開発に資金を投入せよ。廃炉や維持管理部門を国の支援を得て残すこと、原発部門は火力発電所建設で雇用代替すればいい。

 島耕作のエピソードではないが、日本の原発メーカーはもっと未来の空気を読め。
 つまり、世界の原発をすぐになくすことはできないが、市場原理で淘汰することはできるということだ。あの原発村の御用漫画家である弘兼憲史も空気くらいは読むことができる。

===

<参考記事>

日立・三菱重工 統合へ 13年に新会社、世界受注狙う
2011/8/4 3:00
日本経済新聞 電子版

日立製作所の中西社長は4日朝、三菱重工業との経営統合に向けた協議を始めることを認めた(テレビ東京)

 日立製作所と三菱重工業は経営統合へ向け協議を始めることで基本合意した。2013年春に新会社を設立、両社の主力である社会インフラ事業などを統合する。原子力などの発電プラントから鉄道システム、産業機械、IT(情報技術)までを網羅する世界最大規模の総合インフラ企業が誕生する。両社の売上高は単純合計で12兆円を上回る。両社の経営資源を結集し、新興国を中心に社会基盤事業の受注拡大を狙う。基幹産業である電機と機械それぞれの最大手である両社が統合しグローバル展開に挑むことで、日本の製造業が競争力を取り戻す転換点となりそうだ。

 3日までに両社首脳が会談し、基本合意した。4日午後に発表する。

 統合対象は原子力や火力などの電力プラント、水処理や再生可能エネルギー分野、鉄道車両など社会インフラと、情報制御などITを中心に幅広く協議する。いずれも両社の主力事業で、公正取引委員会の認可が得られれば、13年4月をメドに統合新会社を設立する方針だ。

 統合形態や三菱重工の防衛部門の扱いなどについては、今後の協議で詳細を詰める。経営統合が実現すると、国内の製造業では売上高でトヨタ自動車に次ぐ規模になる。

 日立は電力など社会インフラ事業とITシステムをともに手掛ける世界唯一の総合電機メーカー。各国で計画が相次ぐスマートグリッド(次世代送電網)などを構築するには、発電プラントや送配電機器などのハードに加えてITが欠かせず、米ゼネラル・エレクトリック(GE)など世界の有力な電機メーカーにない強みがある。

 三菱重工は原子力や火力など発電関連機器を幅広くそろえるなど、重電事業で圧倒的な競争力を持つ。世界各国で建設計画が相次ぐ風力発電や地熱発電、太陽光発電など再生可能エネルギーの大手でもある。

 東日本大震災による福島第1原子力発電所の事故により、成長分野と位置付けていた原発プラント事業の将来性が不透明になった。急速な円高で競争環境が激変したことも両社の統合を促した。

 新興国を中心に社会インフラ整備が今後加速するのは確実。米モルガン・スタンレーによると、世界のインフラ投資額は30年までに累計41兆ドル(3150兆円)に上る。統合新会社はこうした巨大市場に攻勢をかける。

 両社は主要な製品やシステムでも補完し合える。原子力発電プラントでは、三菱重工が世界で主流となりつつある加圧水型軽水炉(PWR)を、日立が沸騰水型軽水炉(BWR)の炉型をそれぞれ手掛けており、各国のニーズに柔軟に対応できるようになる。火力発電でも三菱重工は環境への負荷が小さいガスタービンを得意としているのに対し、日立は新興国の需要拡大が期待できる石炭火力向けの蒸気タービンに強い。

 日立と三菱重工は00年に製鉄機械部門の統合で合意。昨年には水力発電機器事業を統合することで合意したほか、鉄道システムの開発・製造などで提携している。

====

日立、三菱重工 経営統合報道を全面否定
掲載日 2011年08月04日 11時49分


 日立製作所と三菱重工業は4日朝、経営統合に合意したとする一部報道を全面的に否定した。両社の会見も開く予定はないとしている。三菱重工業は「合意する予定もない」と、今後の見通しについても公式に否定した。同日夕刻に三菱重工の4―6月期決算の予定があり、ここで両社と三菱電機を含む3社の水力発電事業統合の具体策が発表される見込みであることが一部報道の原因との見方もある。  

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コメント
 
01. 2011年8月06日 03:28:09: EaD7UyQFcE

 この記事こそが真のメディア行動である。
 

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