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齋藤勁国会対策委員長「菅総理は目処がついたら辞めるつもり。でも、特例公債法が不成立なら次の臨時国会まで辞められません」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/14412?page=5
2011年08月04日(木) [永田町ディープスロート] :現代ビジネス
「首相の側近中の側近」に聞く
菅直人首相はまことに友人が少ない。盟友だった仙谷由人官房副長官とは完全に修復不可能状態となっている。そんな中でも菅総理が話し相手となる国会議員は江田五月は別格として寺田学、加藤公一、阿久津幸彦の若手と斉藤勁国会対策委員長代理だ。
斉藤国対委員長代理は菅首相とは十数年来の友人であり、ことあるごとに官邸や公邸を訪れている。休日に公邸へ呼ばれ話し合うこともしばしばだ。
首相の側近中の側近である斉藤国対委員長代理に、菅総理の本音を聞いた。 聞き手:辻野匠師(ジャーナリスト)
■鳩山「ペテン師」発言から民主党はおかしくなった
齋藤: 民主党は6月2日の菅内閣不信任案提出から大分おかしくなってきた。それまで小さな事はあったが、そんなに大きな流れではなかったのです。
普通なら圧倒的数を持つ与党が堂々と内閣不信任案を否決すればいい。だが、前日から鳩山派、小沢派を中心に野党の不信任案に同調しようとする不審な動きが出てきました。小沢派は80人を集めたというし鳩山派は30人近くを集めた。非常に緊張した夜を迎えまた、午前中にも官邸で鳩山、菅総理の会談が行われました。
菅総理の同伴者は北沢俊美防衛大臣と岡田克也幹事長。鳩山由起夫前総理の同伴者は平野博文前官房長官です。菅総理・鳩山前総理の間に覚え書きが交わされた。ここでの覚え書きの件はほとんど聞いていません。
その日のお昼に始まった民主党代議士会で冒頭、菅総理が「一定のメドが付けば若い人にその責任を譲りたい」といった。その直後、鳩山さんは「菅総理は復興基本法と第二次補正予算案が成立すれば辞任する」と内容をばらしてしまう。個人的にいえばあそこまで言わなければいけないのかなと思いました。
これによって菅内閣不信任案は否決された。
しかし、この後がいけない。菅総理は
「復興、原発事故に一定のめどがついたら若手に責任を譲るといっただけで、辞任すると言ってない」と宣言。
岡田克也幹事長も「菅総理は辞任するとはいってない」と喋ったことで、鳩山さんが激怒。
「菅さんは詐欺師だ。ペテン師だ。人間のくずだ」と大声を張り上げて菅総理を批判してしまう。
後で鳩山さんは「言葉として言い過ぎた」と謝りましたが、民主党を作った人の発言としては党内に動揺を起こしました。これ以後、党内がギクシャクしていく原因の一つになりました。
ちょうど1年前の6月2日、鳩山さん自身が「政治と金、普天間基地移転問題」を抱え小沢一郎幹事長を道ずれに総理を辞任した。「自分は潔く辞任したのに、菅さんは何だ」ということが頭に浮かんだということなんでしょう。
鳩山さんも小沢さんも政権交代の牽引車です。もう少し結束の仕方があったのではないか、昨年9月の代表選挙でも話し合いで一本化すべきではなかったかと思います。菅さんの代表戦当選を受け、「小沢つぶし」というか「小沢外し」という形になっていった。小沢さんはやはり政権交代の大功労者ですよ。
民主党は何ら結束しないまま、東日本大震災が起こり福島第一原発水素爆発事故が起こった。
官邸は大震災処理問題に忙殺され対応も後手後手に回ってしまう。国民から「復旧・復興が遅すぎる」との批判は甘んじて受けなければなりません。小沢さんは岩手出身で超ベテラン政治家。こんな時こそ小沢さんを大切にし、党の結束を図るべきでしょう。
民主党は若手も多く党の気風から「オープン」なんです。一方、小沢さんは「親分型」と気風がまた違う。特に民主党は09年の総選挙で1年生が多い。こうした相反する議員達の寄せ集めのような状況では徹底した「議論」するしかない。
自民党は長期政権の中でいろいろな議論を戦わせながら最終的に「総務会」で結論を出していった。ガス抜きといわれようが何と言われようが「総務会の決定」という文化を創ってきました。
それを習って民主党も「社会保障と税の一体改革」や「復興財源」の問題で議論を重ねています。 小沢さんと仙谷さんとかの問題でなく党の執行部が「小沢さんにも会議に来てもらい、意見を言ってもらう」とか小沢さんが会議に来られない場合でも執行部が「会議ではこういう風になりました」と説明しに行けばいい。党の執行部は小沢さんらを巻き込んでいくことを怠ってきた事で党内もギクシャクして来たことは間違いありません。
衆参ねじれた国会運営は前からも後ろからも弾が飛んできて大変ですよ。
■岡田幹事長も輿石参議院会長も蚊帳の外だった
齋藤:浜田和幸氏の一本釣りには参議院の石井一副代表や北沢俊美防衛大臣、亀井静香国民新党代表が絡んでいたようです。「参議院の自民党を与党に引っ張り込めば参議院の国会対策は楽になり、法案成立もやりやすい」という事なんでしょう。それで自民党議員何人かに声をかけたが、鳥取県選出の浜田さん一人だった。輿石東参議院会長に聞くと「あまり聞いてない」というし、岡田幹事長もこの動きをあまり知らないようでした。
菅総理は亀井さんと連絡を取りながら「自民党議員一本釣り」を話し合っていたようです。これまでいろんな局面で「一本釣り」というのは行われてきましたが、党と党という大きな問題なんです。にもかかわらず輿石参議院会長や岡田幹事長は蚊帳の外というなら大問題ですよ。
逆転参議院を多数派にするぐらい連れてくるのならいいが、たった一人連れてくるだけなら国会が混乱するだけ。岡田幹事長と菅総理。岡田幹事長と輿石参議院会長の関係も問題になってくる。
最終的には民主党の代表である菅総理の責任と言うことになるのですけれども、国民新党所属か会派所属議員という事で良かったのではないか。現在、浜田さんは無所属の総務政務官。鳥取県知事だった片山善博総務大臣もいい顔をしてませんね。
浜田さんは参議院当選の1年生。当選してからわずか1年で政務官というのはチョット早すぎる。これらを考えるとやっぱりまずかったのではないかといいたい。
■「マニフェストをおろす」岡田発言には異議がある
齋藤: 菅総理は退陣の条件として1,第二次補正予算案の成立。2,再生可能エネルギー法案の成立。3,公債特例法案の成立を言いました。菅総理は総理の退陣の条件を出さなければ法案が通らないという。これにはねじれ国会とはいえ菅総理自身悔しい思いをしているのです。総理の思いを政府与党幹部は共有すべきです。
法案は努力に努力を重ね野党との修正点が妥当であれば修正して行かなければならない。菅さんが退陣したら次の第三次補正予算案を作成しなければならなりません。そのことを思うと1日も早く法案を通そうと言うことです。
第二次補正予算案は7月25日に成立しましたから後2つ。
「再生可能エネルギー法案」は直ぐに上がるという見込みはまだありません。修正協議をやっても与野党でまとまるかどうか。この法案は経産委員会で審議しています。経産委員会は水曜日と金曜日しか開かれない。衆議院で上がっても参議院へ送付した場合、14日からの週はお盆の時期になるので自然休会ともなりかねず、参議院の審議は8月21日の週にずれ込む。一週間で法案を上げられればいいが、8月31日には会期末を迎えます。一方で公債特例法案を衆議院で可決し参議院に送った場合、参議院がいやだといえばますます審議が遅れる。これは綱渡りという状況ですね。
「公債特例法案」については「子ども手当」を巡って野党側と協議をしています。民主党は「860万円の所得制限まで妥協しました。これ以上はダメとなると自民党とはうまくいかない。公明党とは「私達は菅さんだろうと誰だろうと特例公債法についてこうすれば採決に応じますよ」といってくれていますしそう遠くない時期です。
自民党はその他の4k。高校授業料無償化、高速道路無料化、農家の戸別所得補償廃止をいい、自分らに納得が出来なければ特例公債法に賛成しませんと言ってます。
ですが、特例公債法案の審議にどう対応するのかは未知数なのです。ということで成立はまだまだ不透明と言わざるを得ません。
岡田幹事長は「公債特例法案」を通すためとはいえ09年マニフェストを降ろすと発言しました。これは厳しい選択ですね。09年マニフェストは民主党の1丁目1番地。野党がいう4kは可能な限り廃止すべきではないと思います。これを降ろしたら何のための政権交代かということになります。
岡田幹事長は党内にマニフェスト検証をいう会を作りました。それはいいとしても政権交代してまだ2年。09年マニフェストのこの政策は実現率70%とか60%ですと具体的に発表すればいい。
09年マニフェストは野党がいう4kばかりではありません。岡田幹事長はもっと多くの政策があるのですから、国民へ積極的に訴えればいい。岡田幹事長は象徴的な子ども手当の他、後の3kの旗まで降ろして妥協するとは思わないが、野党に譲歩せずある時期が来れば粛々と衆議院で採決し、参議院に送ればいい。参議院でどうなるか分かりませんがそこで野党の対応について国民の皆さんに評価してもらえばいい。もうギリギリの段階ですよ。
■特例公債法が成立しなければ、菅さんは総理をやめられない
参議院の自民党は審議拒否というようなことを言っています。こうなった場合、安住国対院長とも話しましたが、安住さんは、「齋藤さん。公債特例法が上がらなかったら菅さんは総理辞任せず、次の臨時国会で再提出して成立を図るつもりだ」といっています。
特例公債法案が成立しなかった場合、菅さんは「総理を辞められない」ということになるのでしょう。
小沢さんは「菅さんの性格からして総理を辞めないだろう」と言っているようですが、それはないと思います。時々、官邸に行き菅さんに国対状況などを報告に行来ます。その時の様子で菅さんの決意が分かりますよ。
菅さん本人がこれだけは通したいということが一定のメドということなら、その言葉を素直に受け取って総理を辞めると思いますよ。3つのメドが付いたら次はまた何かを打ち出すなどと言うことはありません。
福島第一原発事故に関してもマスコミは経産大臣と総理大臣の仲が悪いということを書いています。こんな事をかかれるようじゃ国対としても困るんですよ。野党は足元を見るように「委員会を開くには何とか大臣を呼べ、かんとか大臣を呼べ」と要求してくる。
菅さんは法案が上がらなければ「総理の席に居座る理由になる。うまくやっているのではないか」 という人もいます。
菅さんとしょっちゅう会っている私からいえば菅さんが居座ると言うことはない。むしろ法案が上がれば次の人にバトンタッチすると言っているのだから、早くそういう状況を作ってあげればいい。
小沢さんも鳩山さんも菅さんもみんなしぶといですよ。
まあ、菅さんは3つの一定のメドが付かない場合、「辞めるに辞められない」という事でしょう。
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