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今、書店で売れているのは石川知裕著「悪党」(朝日出版社)と、その少し前に発売された古賀茂明著「日本中枢の崩壊」(講談社)だそうだ。石川知裕氏はご存知の通り陸山会事件裁判の被告で、衆院議員・小沢一郎氏の元秘書。古賀茂明氏は経産相官房付で、退職を勧奨されている人物である。だが、その退職勧奨に逆らい、海江田経産相と直接会い仕事をさせろと要請した。いわゆる改革派官僚として知られている。
この二つの書がなぜベストセラーなのか。それは、霞ヶ関官僚に支配された日本の官僚政治を変える。そういう思いが伝わる書だからだと思うし、そう云う思いを持つ人が、この二つの書を購読するのだと思う。そして、この二人の著者に共通しているのは、霞ヶ関の官僚と手を結んだ政治家によって、貶められていることである。
古賀氏は、08年渡辺喜美行革相(現みんなの党)の下で、国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、公務員制度改革に取り組んだ。09年の政権交代後も、民主党が選挙公約で掲げた国家公務員の人件費2割削減を実行するには、欠かせることのできない人材だと思われていた。だが、09年12月突然その任を解かれ経産省に戻され、大臣官房付という閑職に長期間とどめ置かれている。
脱官僚政治を掲げ政権交代を果たした民主党は行政刷新会議を設け、その下に国家公務員制度改革推進本部を置いた。民主党の初代行政刷新会議担当大臣は仙谷由人氏。仙谷大臣は、09年11月に「事業仕分け」を行い、霞ヶ関改革に期待を持たせた。だが、09年12月に古賀氏を切った時点で、仙谷氏は霞ヶ関の官僚と手を結んだのだろう。そして翌10年10月の参院予算委員会で、古賀氏を恫喝したのである。
古賀氏は、みんなの党の小野次郎議員から参院予算委員会に出席を求められ、「天下り根絶が骨抜きなっている」ことについて、氏の考えを述べるように要請された。この時、かっての上役、仙谷官房長官(当時)が、「古賀さんをこういう所(=国会)に、現時点で彼の職務、彼の行なっている行政と関係ない場に呼び出すのは、彼の将来を傷つける」と述べた。多くの人はこれを古賀氏に対する恫喝だと言っている。
仕事も与えないで「将来を傷つける」はないだろう。また、その将来が「退職勧奨」なのもおかしな話だ。当然それには理由がある。国家公務員の削減と天下りの禁止を打ち出したのは、霞ヶ関の官僚たちには許しがたいことであった。そしてある経済誌に、「国民の期待を裏切る天下り規制の骨抜き」と題した論文を寄稿した。さらに、「日本中枢の崩壊」を著わし、霞ヶ関官僚の腐敗・堕落・越権ぶりを明らかにした。
この著の中にも触れているが、古賀氏の言動で波紋を呼んだのが、福島原発事故に関する問題処理私案や、テレビに出演し「(原発)被害者の救済の前に東電と銀行の救済があるとするのが、現政権の姿だ」と指摘したことだろう。そして最近は、面と向かっての退職勧奨だけではなく、古賀氏に対する嫌がらせか、氏の周辺で奇怪な出来事が続いているそうだ。古賀氏も電車に乗る時など、周囲に気をつけていると聞く。(多くの人を陥穽に落とした官憲とマスコミである。何があっても不思議ではない)
古賀氏を高く評価する「みんなの党」の渡辺代表は、「(古賀氏は)仕事も与えられずに。もったいないですよね、筋金入りの『日の丸官僚』*が居るのに、民主党政権は使わないわけだから。ここに民主党政権の本質があるんですよ。改革なんてやる気はねぇんですよ。そして人気とりだけのために脱原発だとか減原発だとか言って、言葉だけは言うんだけど」と話している。(*注:国益第一の官僚のこと)
菅首相は原発問題で経産省官僚を敵視しているそうだ。その経産省守旧派官僚が敵視する古賀氏。菅には、「敵の敵は味方」として遇する知恵も度量もない。また、海江田経産相も近く辞職するようだが、それなら自らの立つ位置が守旧派か、改革派かを明らかにすべきだろう。理由はいずれ機会があったら述べるが、海江田氏が切るべきは、古賀氏に退職勧奨をした松永事務次官だと、筆者は思うのだが・・。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?n=111758
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