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『週間ポスト』8/5日号
平成23年7月25日(月)発売
小学館 通知
小沢一郎よ、この瀕死の日本を見捨てるのか
「300万人失業」「5万人自殺」の経済大崩壊が迫っている
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日本が世界有数の豊かな国であったのは、良くも悪くもr経済一流、政治は三流」といわれてきた特殊な事情による。政治も行政も、産業界の栄華を第一に、その知恵を吸い上げて国を運営してきたのだ。しかし今、「三流以下」になった政治が日本経済を滅ぼそうとしている。その危機を目の前にして、立ち上がる政治家はいない。その能力も疑わしい。
では、あの男≠ヘどうか。
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一流企業が続々と日本脱出
この国の経済と国民生活を立て直すためには一刻も早く、管直人・首相を退場させるしかない。
方法はいくらでもある。閣僚が一斉に辞表を出してもいいし、民主党が両院議員総会で代表罷免を決議し、代表選を実施すればいい。
野党だって、もう1度、内閣不信任案を提出すれば今度こそ可決できるはずだ。
いずれも制度的に可能であり、現実は彼らがそれをやらないだけなのだ。「菅の居座り」は「菅のせい」ではないとさえいえる。
内閣も与野党も、今は「冷温停止」状態にある。この政治の停滞が引き起こしている経済と国民生活の窮状は、すべての政治家にその責任がある。
この現実を見よ。
菅政権は原発事故以来、「国民や企業も協力を」と節電を求め、ネオン自粛や電車の間引き運転、輪番停電まで実施して経済活動を落ち込ませた。それは欲しがりません、勝つまでは≠ニいう戦時体制と同じやり方だった。現在も産業界に15%の電力制限を強いているが、国民の節電努力によって東京電力の電力需要は供給力を大きく下回り、十分な余剰電力がある。しかし政治家と官僚は、今そこにある危機を見ずに「脱原発」だの「自然エネルギー」だのと遠い未来の話にかまけている。
電力不安は製造業にとって致命的リスクだ。これでは耐え難きを耐えてきた企業が「日本脱出」を始めたのも当然である。
三井金属鉱業はこの6月、主力製品であるスマートフォン用材料の製造ラインをマレーシア工場に新設することを決めた。同社は計画停電で上尾事業所(埼玉)の生産が1か月間停止し、業界に大きな打撃を与えてしまった。同社広報室は、「当社の電解銅箔はスマートフォン向けの90%以上のシェアを持っています。24時間操業なので2時間の輪番停電でも重大な影響がある。社会的責任を重く受け止め、海外でも生産できる体制を取ることにした」と説明する。
レンズメーカー大手のHOYAは、中国・山東省に工業用ガラス工場を新設し、12月から稼働させる。ガラス原料を溶かす過程で安定した電力供給が欠かせないからだ。「震災による電力不安が決断の背を押した」(広報室)という。
安定した電力が不可欠な半導体産業では、日本最大のルネサスエレクトロニクスが台湾、シンガポール企業に委託生産する方針を打ち出し、中堅自動車部品メーカーのユーシンは中国に拠点を移し、「日本での部品生産はゼロになる」(田辺耕二・社長)としている。
菅政権は東電管内に続き、関西電力管内の企業にも10%節電を要請した。精密モーターなど電子・工学部品の世界的企業・日本電産(本社・京都)は、「電気が止まれば信頼性試験ができない。実験設備などを海外に移転する」(永守重信・社長)と危機感を強める。
コストの問題も大きい。
日本の電気料金はもともと高いうえ、この5か月間、連続で値上げされた。三菱化学は売上高(約1兆円)に占める電力コストが3〜4%だったが、今期は5%を見込む。ざっと年間100億円以上のコスト増であり、営業利益(11年3月期で287億円)の3分の1が吹き飛ぶ計算だ。
電力料金はこの先、さらに急騰する。日本エネルギ1経済研究所の分析によると、現在点検休止中の原発を火力発電で補う場合、「産業用電気料金は前年比36%上昇」する。さらに菅首相が「退陣3条件」にあげている自然エネルギー買い取り法案が成立すれば、風力や太陽光発電などのコストが電気料金に転嫁されることから、経済界は原発停止と合わせて「電気料金は70%上昇」(日本鉄鋼連盟)と予測している。
国内では滅びる業界も出る。電力が製造コストの4割を占める日本ソーダ工業会(25社30工場。生産額3600億円)は、「電気代が1円上がると38億円の負担増になる。このままでは国内工場は1つも残らない」(総務部)と、今や絶滅危惧産業≠ナある。
(写真)自殺の急増は、政治犯罪、に他ならない(自殺防止センターの相談員)
「自殺率世界一」の悪夢再び
円高を放置する政治無策が産業空洞化を加速させる。
日本自動車工業会は7月13日に、「為替水準は対ドル・対ユーロともに4か月ぶりの円高となり、もはやコスト削減などの努力で克服できる限界を超えている」
という異例の会長コメントを発表した。
主要メーカーの今期の想定為替レートは、トヨタの1j=82円(1n=115円)、ホンダの80円(同110円)をはじめ、キヤノン85円(同120円)、コマツ82円(116円)など。lj=70円台、1n=l10円割れという現在の水準では、海外移転は避けられない情勢だ。
国際経済論が専門の松本和幸・立教大学大学院教授が語る。
「為替水準は購買力平価でいえば110〜120円が適正水準とされるが、リーマンショック前の1j=110円から80円まで3年間で急激に上がった。政府が市場に任せて好きなだけ円高にさせたからです。国内に踏みとどまっていた企業も、本社(経営者と幹部)だけを国内に残し、すべての工場・事業所を海外に移転するしかなくなる。そうすれば企業は利益が出ますが、その半面、日本人従業員はゼロ、国内雇用はゼロ。広告も減少、国内消費も減少。もちろん、国内総生産は大きく減る」
さる6月28日、韓国で行なわれた東レの炭素繊維第一工場の起工式は象徴的だった。東レは研究・開発部門を含めた中国、欧州、北米向けの炭素繊維の一大供給拠点を韓国に建設する。
日覚昭広・東レ本社社長は起工式後の会見で、「日本の電気代が高いから韓国か」という日本人記者の質問にこう答えた。
「東レは日本企業だ。当然日本も投資候補地だったが、各種費用を考えると、品質と価格面で最も競争力がある製品を作れるのは、米国やEUともFTA(自由貿易協定)を結んでいる韓国になった」韓国が国内の反対論を乗り越えて、いち早くFTAを締結してきたなかで、日本では自民党政権も民主党政権も米国が望むままに円高を放置し、あるいは米国にいわれるままにTPP(環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定)参加を掲げるだけで、国内産業の育成・発展など全く考えてこなかった。
日本経団連は昨年10月、このまま国内の生産活動が停滞し、海外生産比率が上昇した場合、「今後5年間で60兆円の国内需要(売上)と300万人規模の雇用機会を喪失し、失業率は5%程度悪化する」と警鐘を鳴らして対応を求めたが、その結果がこれである。
もはや5年などと悠長なことがいえる段階ではない。
日本総合研究所の高橋進・理事長が指摘する。
「生産能力の減少を試算すると、7〜9月の3か月間、東電と関電の管内で電力が15%制限されればGDPがl・6%下がり、26万人の雇用が減少。電力が30%制限されたケースならGDPはマイナス3・2%、雇用は52万人減少します」
「節電が進むのはいいこと」では済まないのだ。
企業が逃げ出し、失業者が増えれば、当然、税収は大きく落ち込む。健康保険や年金制度も支えられない。
すでに国民年金は、納付率がわずか3分の1で制度そのものが崩壊している。この国には大失業時代に備えるセーフティネットさえない。ギリシャやアイルランドと同じ道を歩むのは時間の問題である。 本誌は前々号(7月15日号)で、震災後、自殺者数が前年より2割以上増えており、それは、「震災のせい」ではなく政治無策が原因だと指摘した。自殺防止に取り組むNPO団体代表も、「自殺対策とは、苦しんでいる人に生きる手段を提示することに尽きる」と訴えた。しかし、この国の政治家は、被災地だけでなく国民すべての希望を奪っている。与党も野党も口を開けば増税の話ばかりだ。
自殺率は国家体制や経済の危機に上昇することが知られている。日本は終戦後の混乱期、自殺率が世界一だったが、高度経済成長期に急激に下がり、バブル崩壊後、再びバネ上がった。
ハンガリーは共産党独裁下で自殺率世界一となり、民主化とともに低下、かわって世界一になったのは旧ソ連崩壊で大不況に陥ったロシアだった。今の日本で300万人が新たに失業すれば、年間自殺者は3万人から5万人に増えて、再び自殺率世界一になるとも危惧されている。
(写真)電力行政の迷走に製造業は、堪忍袋の緒が切れている
「票読み」している場合か
そんななかで、国民の間には刑事被告人である小沢一郎・民主党元代表の「待望論」が高まるという奇妙な現象が起きている。
小沢氏といえば、昨年の民主党代表選で菅首相に放れた後、政治資金問題で強制起訴され、民主党から党員資格停止処分を受けた。この秋に公判が始まる。
ところが、「YAHOO!みんなの政治」の調査では「次の首相にふさわしいと思う政治家」の1位(27%)で、2位の石破茂氏(19%)、3位の前原誠司氏(8%)を引き離し、ウェブサイト「BLOGOS」調査では、1人で59%もの支持を集めた。ネット調査では、もともと小沢氏の支持は高いことが知られているが、「小沢嫌い」で世論調査を操作する大メディアでさえ、NHK(3位)、読売(4位)、産経(3位)と軒並み上位に顔を出す。
一体、国民は被告人・小沢に何を求めているのか。
政治評論家の有馬晴海氏は、こう分析する。
「株の世界では国策に売りなし≠ニいわれる。国の政策に沿った銘柄は上がるという意味だ。だが、この数年の総理は、選挙のために『公共事業はやらない』という人がいれば、逆に『公共事業をやる』という人もいて政策が定まらない。菅首相に至っては、政策が1日ごとに猫の目のように変わる。それが国民や経済界を最も不安にしている。
その点、小沢氏は18年間、自民党を壊すと言い続けて政権交代を実現させた実績がある。マニフェストや震災復興、経済政策でも、小沢氏ならやるといったことはやるだろう≠ニいう期待につながっているのではないか」
小沢氏は経済活動を非常に重視する。大きな政治行動を起こす時は、必ずスタッフに株価や経済指標を子細に調査させるという。「危機の時だから、それにふさわしい人を選び、ふさわしい政権をつくるのだ」と語って菅降ろしに動いた6月の不信任案採決の前日も、株式市場では政局不安にもかかわらず株価が上がっていた。その夜の小沢支持派の会合では、「小沢さんは株価の動きに安心していた」(側近)という。
ところが、今の小沢氏には、その「経済重視」の姿勢が見えない。支持派議員との会合を重ねるばかりで菅降ろしの先頭には立たないし、経済政策も提言しない。これでは国民経済、国民生活を見捨てて政争にうつつを抜かす他の政治家と何も変わらない。
小沢支持派の有力議員は、「親分の戦略」をこう代弁する。
「ここで再び小沢さんが菅降ろしの号令を掛ければ、再び反小沢勢力を結束させてしまう。小沢さんは確実に政権を取り戻すために、支持派の若手議員たちに1人ずつ電話をかけて意見を聞き、グループの地固めをしているところだ。本人は出馬資格がないから意中の代表候補に出馬を打診し、代表選の準備も始めているが、まだ調整に時間がかかっている。
しかし、菅首相が粘るほどこちらにも時間ができるし、かつての菅支持派の亀裂も大きくなるから情勢は有利だ」
永田町の理屈からいえばそうなのlだろう。しかし、前章までに見たように、この国はもうそんな悠長な票読みをしていられる状態ではないのだ。今こそ小沢氏が掲げた「国民の生活が第一。」の政治が求められる。
「オレは党員資格停止中だから」という逃げを打つなら、壊し屋、突破力が魅力である小沢氏の「老い」さえ感じさせる。
政治評論家の野上忠興氏がいう。
「菅首相が舵取りに失敗した以上、次の総理には代表選で互角の議員票を取った小沢氏が立つべき。執行部は代表選に立候補させないために党員資格停止処分にしたわけだが、早く首相を代えろというのは国民の意思なのだから、小沢氏はもう一度、退陣要求の先頭に立ち、処分解除を要求して自ら代表選に出るのが与党政治家の筋ではないか」
「政治とは責任を取ること」とは小沢氏自身の言葉だ。放射能を子孫に残さないことと同じく、子孫に国富と安心できる生活を残すことは政治の責務である。
誰もそれができないなら、小沢氏は「最後の御奉公」に踏み出す時ではないか。
※注)語句強調 投稿者
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