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菅首相は辞めるか あと1カ月内の政治攻防専門筋が推測
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2011/8/2 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
退陣時期をいまだ表明しない菅は「新左翼的破壊」を狙っているようだ
--彼が辞める場合は何を道連れにするか、辞めない場合はこの国の混乱はどうなるか
世紀のしがみつき男、菅首相の一挙手一投足に振り回される永田町がまた大騒ぎだ。
「公債特例法が成立しなければ、9月になっても投げ出さない」 先月31日、“お友達”の江田法相らと懇談した際、こんなセリフを吐いたそうで、「10月以降もやる気か」と疑心暗鬼を招いている。
まったく、アホみたいな話ではないか。菅の退陣3条件なんて、マトモに信じる方がどうかしている。辞めないための「方便3条件」なのである。
それが分かっていない国会議員は心底、オメデタイが、ここにきて、新たに分かってきた菅の本性もある。
もともと市民運動家出身の菅は左翼だ。学生運動の活動家を経て、「あきらめないで参加民主主義をめざす市民の会」を結成。市川房枝参院議員(当時)の選挙事務所代表を務めた後、「参加民主主義をめざす市民の会」の支援を得て、衆院選に出た。3度落選し、最終的に社民連から当選したが、市川房枝からは「私が主張し、実践してきた理想選挙とだいぶ異なっていた」と言われてしまう。もともと、いい加減な男なのだが、その菅が最近は再び、「左翼」をむき出しにしているのだ。
唐突に脱原発や再生可能エネルギーへのこだわりを言い出しただけでない。「私の顔を見たくなかったら通せ」のドーカツ発言なんか、どうだろう。70年代の新左翼の学生運動家みたいだ。菅は野党時代、「大臣」という著書で「民主主義というのは政権交代が可能な独裁だと考えている」と書いている。
首相になってからも考え方は同じで、国会で似たような発言をしたこともある。
こうしたことから、永田町でも菅の「左翼的独裁」が真顔で懸念されているのである。
◆社会的混乱をいとわないエセ左翼の怖さ
「自民党の中堅代議士は『菅首相は絶対に辞めない』と言っていて、その根拠として、極左の本性をあらわにしてきたことを挙げています。長期的なエネルギー戦略もないまま、浜岡原発の停止だ、原発ストレステストだ、と言い出せば、経済活動は混乱する。向こう見ずな思いつき発言に非難が集中しているが、新左翼の活動家は革命のためには社会的混乱は当たり前と思っている。暴力革命であれば、分かりやすいが、政権与党を隠れみのにした革命だから恐ろしいというわけです。ここまで菅首相が覚悟を決めているのだとすれば、絶対に辞めない。それでも強引に辞めさせようとすれば、解散する。その場合、左翼新党で反原発を掲げる。そこまで考えているんじゃないか。そんな見方をする議員もいます」(政治ジャーナリスト・野上忠興氏)
菅の場合、市川房枝の怒りが雄弁に物語っているように、左翼は左翼でもエセ左翼だ。再生可能エネルギー法案がいい例で、あれだけ踏み込んでいるくせに、自然エネルギーの上限価格を定め、それを1キロワット/時あたり0・5円以内に抑えようとしていて、「これじゃあ、自然エネルギーは普及しない」(ジャーナリスト・横田一氏)と脱原発派からも反発を受けている。それでも鉄面皮の厚顔で、左翼新党解散を画策する。それを脅しにしがみつく。それが菅直人なのである。
◆代表の座を引きずり降ろされても首相は辞めない
こうなると、気になるのは今後1カ月の政局だ。
菅は果たして辞めるのか、辞めないのか。カギを握っているのは膠着状態の特例公債法だが、それを人質に「9月になっても辞めない」などと言い出している狂気の首相に野党は当然、猛反発である。こうなりゃ野党も意地で、徹底抗戦に出るだろう。「被災地にとっては不幸な話だが、特例公債法案は通らない可能性の方が高いと思う」(九大名誉教授・斎藤文男氏=政治・憲法)
菅にとっては「してやったり」で、大手を振って延命できる。国民にはたまらない展開になるわけだ。
菅が辞めないとどうなるのか。民主党内で両院議員総会が開かれ、代表を辞めさせる算段、新ルールが話し合われることになる。政治評論家の浅川博忠氏が言う。
「両院議員総会でそうした議決ができなければ、菅首相の逃げ切りです。9月以降は訪米、国連総会など外交日程が目白押しだから、それを理由に延命する。相手国の首脳に気に入られようと“ピエロ外交”に走るでしょうから、国益にとっては大きなマイナスになります。リコールのルールが決まり、代表の座から引きずり降ろされても、『総代分離論』を持ち出し、総理のイスには居座り続ける可能性はあります。菅首相にはかつての自民党の派閥の領袖のような力はない。辞めたら最後、ただの人以下なので、何があっても、しがみつくと思います」
◆脱原発新党でイチかバチか解散へ
民主党が菅を代表の座から引きずり降ろし、代表選を強行し、新代表を選んでも菅は首相を辞めないというのだ。そんな展開になったら、永田町は前代未聞の大混乱になる。その場合、岡田ら執行部がブチ切れ、問責決議案や内閣不信任案に同調する可能性がある。菅は当然、伝家の宝刀を抜いて解散だ。
「もはや政治権力もなく、誰もついてこない菅首相にとって、たったひとつ残された道は、解散権の行使です。『脱原発』を争点にしてイチかバチかの解散に打って出るしかない。脱原発で新党ということもあり得るから、民主党は分裂必至です」(永田町関係者)
もちろん、自民党が途中で折れて……というより、菅での解散、分裂を避けたい民主党執行部がマニフェストを全部放り投げて、特例公債法が通る可能性もある。
しかし、そうしたら菅はますます辞めない。どっちにしたって、永田町はシッチャカメッチャカになるわけだ。
◆日本でなければ逮捕されるデタラメ首相の責任
こうなると、あの政権交代は何だったのか、ということになる。震災以降の4カ月間はただの時間の浪費だったことになる。政治が何も決められず、ようやく、首相が代わると思ったら、未曽有の大混乱ではたまらない。被災者は見殺し同然だ。
「国民があれだけ政権交代に期待したのに、その最後はあまりにむなしい結末です。民主党執行部はもっと荒っぽいことでもなんでもやって、狂気の首相を辞めさせるべきなのです。それをやらないから、自民党が勢いづく。それじゃあ、菅首相に解散させようという戦略に転じ、退陣3法案の条件を吊り上げる。それをいいことに菅首相がしがみつく。ここまでくると、辞めさせるのは容易ではない。菅首相が解散し、民主党が割れるような事態になれば、本当に何のための政権交代だったのか。国民はやってられません」(政治評論家・山口朝雄氏)
政権交代後、たった2年で民主党が分裂し、それが狂人首相の最後っ屁では泣きたくなるというものだ。日本の政治は最悪の時期に最悪の展開をたどることになるのである。
「菅首相がここまでしがみつく背景には、今後、原発の初期対応が検証され、政治的責任だけでなく、もっと深刻な責任を問われることを危惧している可能性もあります。汚染牛がなぜ、ここまで広がったのか。行政は放射能汚染の深刻さを知っていたのではないか。首相が代われば、すべてが明らかになりますからね」(官邸事情通)
それでなくても、ここまで政治的混乱を引き起こした責任は断罪されなければおかしい。日本でなければ、逮捕もあるのではないか。それくらいのデタラメを菅直人はやっていて、国民を連日、苦しめている。国会議員はいつまで、こんな“犯罪者”を野放しにするつもりなのか。大マジメに問いたくなるのである。
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