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「脱」から「減」で原発存続 菅首相、事実上の方針転換
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2011年07月31日 日々坦々
この方針転換でリベラルな方々や一部「脱原発」だけで菅総理を支持していた人たちも「やっぱり」ということになるだろう。
そこで俄然注目されているのが「みんなの党」だ。
公務員制度改革などで延長線上である、一連の古賀茂明氏の退職勧奨問題においても、ダントツの信頼を得つつある。
さすがに「これではダメだ」ということで菅総理にようやく三下り半を下した人たちが、元々社民・共産以外の「脱原発」支持者は、こぞって「みんなの党」になだれ込むかもしれない。
民主党も自民党も電力会社に利権があり、基本的な党の方針として原発存続を上げている。
そうした場を見据えた「みんなの党」の狡猾な戦略も垣間見える。
東京新聞「こちら特報部」7月30日付を転載させていただく。
「脱」から「減」で原発存続
菅首相の方針 事実上転換
福島第一原発事故を受け、菅直人首相が宣言した「脱原発依存」は腰砕けから、事実上転換に!? 二十九日、政府の「エネルギー・環境会議」は「減原発」の方向を打ちだしたが、中身は「原発維持」の姿勢が濃厚だ。最大野党の自民党の中にも「維持」に足並みをそろえる動きがある。国民の選択肢が早くも狭まるなかで最近、脱原発政策にシフトしているみんなの党の真意とは−。 (篠ケ瀬祐司、小国智宏)
推進派の巻き返し激しく
エネルギー・環境会議の座長を務める玄葉光一郎国家戦略相は二十九日の記者会見で「中長期の問題も広範に整理されている」と、「中間整理」の出来栄えに胸を張った。
中間整理は「原発への依存度を低減していく」と、「減原発」を打ちだした。問題は「減原発」が原発から脱するのではなく、原発存続につながる可能性だ。
依存度低下のシナリオとして、今後三年間を短期、二〇二〇年までを中期、三〇年または五〇年を長期と定義。「長期」の戦略は「新たなベストミックスとエネルギーシステムの成果を実現する」としており、最長五〇年まで原発が存続することを前提にしているようにも読める。
この点をただすと玄葉氏は「ひと言でいうと、活用しながら減らす。本当にゼロにできるか。ゼロにする結論を出したときに、いつ(ゼロに)できるかを検討しないといけない」と、長期間の原発が存続する可能性を認めた。
こうした「減原発」について、自然エネルギー推進のNPO法人「太陽光発電所ネットワーク」の都筑(つづく)建事務局長は「(今月十三日の)菅首相の『脱原発』宣言から後退している」と憤る。
「海外で一般的に廃炉まで十数年だから、五〇年までとの時間軸は許容範囲を超えている。長期間原発が存続するなら、(福島第一原発の事故は)市民にとって“やられ損”だ」
首相の「脱原発」宣言以来、推進派は激しく巻き返している。
民主党の成長戦略・経済対策プロジェクトチーム(座長・直嶋正行元経済産業相)が今月下旬にまとめたエネルギー政策に関する提言素案には「中長期の政策展開」として「原発の依存度を現行計画よりも低減させる」とある。
「現行計画」とは昨年六月に閣議決定したエネルギー基本計画で、三〇年までに総発電力に占める原発の比率50%以上を目指し、原発を十四基以上新増設するとした。
自民も維持の流れづくり
この計画を基準にするなら、これまで通り電力の約30%を原発で賄い、数基の原発を新増設しても「低減」になる。
原発を推進した自民党内でも、推進派の動きが急だ。
同党の今後のエネルギー政策は、「特命委員会」(山本一太委員長)が決めることになっている。ところが議論の最中に、同党国家戦略本部(本部長・谷垣禎一総裁)は「再生可能エネルギーで原子力発電量分をカバーすることは、極めて難しい」として既存原発の稼働維持を宣言。「原発維持」の流れをつくろうとしている。
一方、「脱原発」を明確にうたうのが社民党だ。二〇年までに原発ゼロを目指す。共産党は「原発からすみやかに撤退」で、原発ゼロは五〜十年以内を目標に掲げている。
みんなの党は「20年までに」
今、注目を集めるのがみんなの党だ。渡辺喜美代表を直撃すると「徹底した電力の自由化を進めれば、その先に脱原発がある。二〇年までに可能だ」と切りだした。
渡辺氏は「官僚統制や中央集権の下、地域独占と、発電と送電が一体型の高コスト体質で電力供給が行われてきた」と指摘し、まず総括原価方式を問題視する。
同方式では人件費や燃料費、発電施設の修繕費などのコストに、利潤を上乗せして電力料金が決められている。「電力会社は総括原価方式の上にあぐらをかいてきた。利益を大きくしようとしたら、コストを大きくすればよいという、民間経済から見たらとんでもない倒錯したことが行われてきた。こうした仕組みの頂点に原発があった」
電力自由化でゼロへ
電力自由化は一部で進んでいるが、新規参入した特定規模電気事業者(PPS)のシェアはわずかでしかない。PPSの電気料金は安いのに、シェアが広がらないのは、電力会社の送電網を借りる際などに数多くの規制があるためとされる。
「直ちにやるべきことは、総括原価方式の禁止とPPSの規制の緩和だ。(通信機能を備え賢い節電ができる)次世代電力計(スマートメーター)を全戸に配布すれば市場メカニズムが消費者サイドから浸透していくことが可能になる」
電力小売りの自由化、発送電分離、発電入札制度の整備を実現すれば、「料金の値下げ合戦が起きてくる」と言う。
脱原発に向けたシナリオは三段階を想定。第一ステージでは、今年中に原発の緊急点検を実施する。党は「原発緊急評価法案」を国会に提出している。法案では、新たな安全評価指針を策定し、安全性が十分確保されていないと判断した場合は、担当大臣が運転停止を命令できるとした。国会への報告も義務付けている。遅くとも一四年までに結論を出す。
原発は高コスト
原発の再稼働については、情報開示の上、国民投票で決める。「安全性について民主的なチェックが働いていない。実質的に国会の判断でストップできるようにする。国民投票の結果は、法的拘束力がなくても政治的な拘束力は持たせることができる。国民投票制度を創設して、草の根の議論をした上で決めたい」
原発の新規増設は停止し、耐用年数四十年以上は廃炉にする。核燃料サイクルや高速増殖炉もんじゅも凍結という。
第二ステージは一二〜一四年で、原発事故の調査、検証をする。当面の電力需要の対応としては埋蔵電力を積極的活用していく。液化天然ガス火力発電なども進める。
第三ステージは一五〜二〇年で、「脱原発」を完成させる。「電力需要に応じて石油、石炭火力発電も止めることができる。発電会社間の価格競争が激烈になり、高コストの原発は市場淘汰(とうた)されていく」
地産地消型の発電を
エネルギー・環境会議の「減原発」は五〇年までの長期間も見据えるが「従来の統制型システムの惰性で考えるから膨大な時間がかかる。消費者目線、市場メカニズムを前面に出すことによって、淘汰されるという発想がない」と批判する。
渡辺氏は最後に、小規模の地域分散型エネルギーシステムへの転換を主張。「原発や火力の巨大設備で遠い所から送電線で運ぶより、近場で分散した地産地消型の発電所を造った方が効率的だ」とこう締めくくった。
「電力自由化を徹底して進め、さまざまな規制を取っ払えば、『欲しがりません。勝つまでは』みたいな節電をしなくても済む『脱原発社会』が実現できるはずだ」
<デスクメモ> 中間整理に玄葉国家戦略相が語ってきた減原発の文言はない。だが真意は読み取れる。原発ゼロに向かうどころか、原発を造り続けるとも解釈できる。福島第一の炉や再稼働困難の炉、老朽原発の炉で先々十余基は減りかねない。現在建設中は完成させても、数は減る。菅首相、ゼロへ巻き返せますか。 (呂)
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