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「抗議の辞任」一転「やらせ質問」受け号泣 引責危機…海江田氏いつ決断
2011.7.30 11:43 産經新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110730/stt11073011470000-n1.htm
海江田万里経済産業相が辞任のタイミングに苦慮している。菅直人首相への「抗議の辞任」で民主党代表選の有力候補になるチャンスはあるが、新たに経済産業省原子力安全・保安院が中部電力浜岡原発に関するシンポジウムで「やらせ質問」を依頼していたスキャンダルが発覚し、下手をすれば「引責辞任」と取られかねない。その差は紙一重。果たして決断できるのか。(坂井広志)
「民主党は全員野球ができていない。議員が気持ちを一つにし、国難に当たることができないことに大きな原因がある」
海江田氏は29日夜、親交の深い辻恵同党衆院議員が大阪府堺市で開いたパーティーで首相を当てこすった。同じく招かれた小沢一郎元代表も首相を念頭に「無責任な思い付きで受けだけを狙う発言をする人がいることが党の人気を悪くしている」と批判した。
海江田氏はこの日の衆院経済産業委員会で野党から早期辞任を求められると「私はいいんです。自分の価値は」と答弁した後、耐えきれず号泣。「できるものならばそれもいい」と辞任に傾く心境をのぞかせながら、辞任時期は明かさなかった。ただ、海江田氏の辞任は菅政権崩壊の引き金になるだけに、党内で早期辞任を求める声は根強い。
辞任のタイミングはいくつかあった。最も有力だったのは、首相が全国の原子力発電所のストレステスト(耐性検査)実施を唐突に表明した今月上旬だ。原発の再稼働に消極的な首相と、電力不足を回避するため前向きな海江田氏が盛んに綱引きを演じていた。
鮮度が落ちた」
「このころが最大の見せ場だった。鮮度は落ちた」
海江田氏が所属する鳩山グループ幹部はそう語る。実は小沢氏もこの時期の辞任に期待し、しきりとサインを送っていた。
これに対し海江田氏は7日の参院予算委で「時期が来たら責任を取る」と表明しながら即時辞任は避けた。首相が退陣条件に特例公債法案の成立を挙げている以上、8月に入っても居座る公算が大きかったからだ。首相は粛々と後任を決め、時間の経過とともに辞任劇は「風化」して効果は薄れるだろう−。海江田氏はそう考えた。
風向きに変化も
だが、想定外の事態が起きた。海江田氏は臨時会見で「やらせ質問」を認め、この問題を調査する第三者委員会の報告時期を「8月いっぱい」と明言。「忍」の一字で首相の不条理な方針転換に耐える海江田氏には同情も集まっていたが、風向きは変わりつつある。
一体、海江田氏はいつ辞任するつもりなのか。
周辺は「原子力損害賠償支援機構法案が成立する8月3日ごろしか残っていない」とみる。首相が退陣条件の一つに挙げる再生エネルギー特別措置法案の成立はお盆明けにずれ込む可能性があり、海江田氏もそこまで辞任を引き延ばすことは考えていないようだ。
「一片の氷心玉壺(ひょうしんぎょっこ)にあり」
海江田氏は最近、澄み切った心境を表した漢詩を周囲に紹介している。気持ちの整理はついたのか…。
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