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いやはや多勢に無勢の悲哀を痛感… [田中康夫 にっぽん改国]
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2011/7/27 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
関西電力労働組合出身で民主党所属の藤原正司参議院議員の発言が20日付「毎日新聞」夕刊に掲載されています。
「災害の原因は空前絶後の地震津波や。東電に責任を押し付けるのはおかしい。莫大な損害賠償を一民間企業が負担できる筈もない」。「半年も経てば、世論も変わるわ。日本は農林水産業だけでは食べていけない。震災後、原発を減らせという評論家が増えたが、産業・経済はどうなる。お父ちゃんの仕事がなくなってもええんだったら検討しましょうよ」と“傲(ごう)岸(がん)不(ふ)遜(そん)”に語ります。
電力総連=全国電力関連産業労働組合総連合で副会長を務めた彼は、上部組織の連合=日本労働組合総連合会が既に5月26日の中央執行委員会で、「当面の間」とは言え、原発の新増設を進める政策を凍結した事にも馬耳東風なのでしょう。
翻って「莫大な不労所得を一民間企業が享受」し続けてきた摩訶不思議な日本の電力料金制度=「総括原価方式」を撤廃せずして、国民にも企業にも希望の明日は訪れません。電力会社の「地域独占打破」「発送電分離」と並んで急務です。
「コスト」を抑制して「利潤」を増大させる。それはビジネスの大原則。が、驚く勿(なか)れ、日本の電気料金は、「適正な原価」にプラスして「適正な事業報酬」としての3%を自動的に掛け合わせた金額で認可される仕組み。
高額な人件費も膨大な広告費も巨額の交際費も、全て「適正な原価」に組み込まれています。不要無用な「経費」も掛かれば掛かる程、3%分の利潤も増大する“濡れ手に粟”な殿様商売。
「エコ発電」だと美しき誤解を受ける夜間の揚水発電も、需要に応じて出力調整可能な火力発電所と異なり昼夜を問わず一定出力の原子力発電所で生じる余剰電力を消費する為の本末転倒な事業。これとて「適正な原価」として電力料金の高止まりに「貢献」。斯(か)くて日本の電気料金は米国の2倍。モノ作り産業の空洞化を齎(もたら)す元凶が“護送船団”電力事業です。
にも拘(かかわ)らず、役員・社員・株主・債権者・社債権者の順に「責任」を負う自由主義経済の大原則は無視され、総括原価方式の是非すら議論されぬ儘(まま)、国民「負担」で電力会社を存続させる原子力損害賠償支援機構法は、明日にも衆議院本会議で可決の予定。いやはや、多勢に無勢の悲哀を痛感します。
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