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◎鳩山は“マニフェスト教祖”をやっている場合か
http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2011-07-26
2011-07-26 07:28 永田町幹竹割り
「ペテン師だ」と首相・菅直人を決めつけたまではいいが、その「ペテン師降ろし」をことごとく批判・否定して、政界の足かせとなっているのが前首相・鳩山由紀夫だ。批判は勝手にすればよいが、不信任決議をめぐり自分が菅にだまされたことによって、全ての問題を引き起こしたことはとんと忘れている。この人物は自らの発言の忘却を糧にして生きているとしか思えない。若夫婦にとって邪魔な姑(しゅうと)を「姑の場塞がり」とはよく言ったものだが、マニフェストも実現不可能になった。公約通り“政治家としての責任”を取って引退し、いい加減に「場塞がり」をやめてはどうか。
鳩山の言動について自民党政調会長・石破茂が「トラスト・ミーと言いながら米国大統領を欺き、総理を辞めるだけではなく議員も辞める、と大嘘をついて平然としている鳩山氏だけには言われたくないと思う」とブログに書いているが、その通りだ。最近の鳩山はとにかく何でも反対だ。前外相・前原誠司が民主党の前元代表で菅に退陣を迫ろうと呼びかけても応じず、若手議員らの早期退陣要求署名にも乗らない。そうかと思うと幹事長・岡田克也が野党にマニフェストの不履行を謝罪すれば、「マニフェストは政権の骨格で否定するのはとんでもない」「魂を売り飛ばしてはならない」と最大限の表現を使って批判。さすがにこれには政権内部からも批判が出た。経済財政相・与謝野馨が「鳩山さんはある種の宗教を語っているようだが、実際の政策はそんなものじゃない。マニフェストは正しかった、今も信じなきゃいけないと言うが、だれが見ても不十分なのは明らかだ」とこき下ろした。
たしかにここまで来ると鳩山は“マニフェスト教”の教祖のようなものだ。そもそも鳩山は首相就任早々の本会議答弁で「マニフェストは国民との契約だ。必ず実現する。もし4年たって政策が達成されていないと思われたら当然、政治家として責任は取る」と言明している。しかし埋蔵金の発掘と無駄使いの排除で出てくるはずの16兆8000億円は空想性虚言の類いとなり、破綻は現実のものとなっている。野党はそこを突いて、赤字国債発行法案の成立を拒絶し続けているのだ。冒頭述べたように、全ての発端は鳩山が菅にだまされて、不信任案否決に力を貸したことにあるのだ。執行部は菅が出した条件を満たすにはマニフェストの破綻を認めるしか方策は無い。苦肉の策が「マニフェスト不履行謝罪」であったのだ。
そもそも執行部の陳謝などは、鳩山が繰り返してきた虚言、妄言にくらべればかわいいものだ。いまさらながら「トラスト・ミー」に始まって、「普天間移設は最低でも県外」、「次の総選挙には出馬しない」などなど全ての重要発言が虚飾に満ちている。これでは鳩山が菅を評して言った「政治家同士だから口で約束したことは守る。当たり前の話だ。それができなければペテン師だ」は、そのまま自分自身に当てはまるのではないか。このまま4年間も虚構のマニフェストが維持されては日本が「死に体」になるのは目に見えている。4年を待たずに2年で破綻したのだから、当然鳩山は公約通り政治家としての責任を取って議員辞職すべき時だろう。少なくとも次の選挙には立候補すべきではない。「君子行いを以て言い、小人舌を以て言う」だ。民主党の2代続いた首相の“舌禍”には日本中がもう辟易(へきえき)としているのだ。「鳩」が出るとつぶれるから「菅降ろし」には参画しなくてもよい。せめて自分の進退くらいは、「行いを以て示す」べきではないか。
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