http://www.asyura2.com/11/senkyo117/msg/189.html
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狂牛病のときもそうだが、日本人は、日常の確実に改善できるリスクは放置しているのに
どうでもいい些細なリスクに右往左往してQOLを低下させていることが多いのは間違いない
ただ、それを政治無策の言い訳に使うのも困ったものだ
http://diamond.jp/articles/-/13302/votes
田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」
【第23回】 2011年7月26日 田村耕太郎 [前参議院議員]
日本は「ダメだ」「危ない」と思い込み過ぎ 逆プラシーボ効果に苦しむ日本人?
悪い情報は身体に悪い
久しぶりに日本に一時帰国した。そこで感じたのは、日本全体が「ノシーボ効果」(逆プラシーボ効果)にかかっているのではないかということだ。毒 薬でない錠剤を「それは毒薬だ」と偽って投与すると人間はその“思い込み”で死ぬことがある。今春、ハンブルク大学メディカルセンター神経学のウルリケ・ ビンゲル博士等の研究でこの“逆プラシーボ効果”が明らかになった。
今まで「風邪薬でない錠剤」を「風邪薬だよ」と偽って飲ませると、風邪の症状が改善するという「プラシーボ効果」はよく知られていた。その逆の効 果もあったのだ。今回の実験でビンゲル博士は痛み止めを使ってノシーボ効果を発見した。さすがに実験で死者を出すことはできないので、実験は「痛み止め」 で行われた。被験者に痛み止めを投与して痛みの緩和を認識させる。実際の効き目の持続よりはるかに早い時間に「効き目が切れた」と告げたら多くの被験者は 再び痛みを感じたという。悪い情報を信じ込ませれば身体はネガティブに反応するのだ。
久しぶりの日本は最高であった。アメリカをベースに新興国を中心に世界中を行き来しているので、“外国人”視点でわくわくしながら東京へ向かっ た。日系のエアラインは機材もサービスもいい。積極的にサービスを提供しようとしていたように映った。とにかく「自分の仕事をつくらないように客をコント ロールしようとする」他国の乗務員とは違った。
水道水で歯が磨ける!
成田は確かに遠い。しかし、公共交通未整備による渋滞も勘案すれば、時間距離は他国の空港に比して極端に遠くはない。東京のホテルは外国人客を呼 び戻すためか各種キャンペーンをやっており、とてもリーズナブルであった。どのホテルにも清潔な歯ブラシが置いてあり、水道の水で直接歯磨きができる。 ペットボトルの水や水道水にイソジンを混ぜて使わなくてもいいのだ。水道水が直接飲める水準の都市は世界で11カ国しかなく、アジアではシンガポールと日 本だけだ。
次のページ>>日本の鉄道システムはまだまだ圧倒的に優位
街中どこでも地下鉄の駅があり、各種言語での掲示板もわかりやすく、運行管理も非常に効果的。車内で天気予報や株価まで見られる。日本にいたら当 り前だろうが、世界中で最も安価で清潔で安全で快適で運行管理が優れていると再認識した。ボストンの地下鉄なんて、ダイヤもないし、気まぐれのように来る だけだ。不具合で途中停車して、詫びもなく、目的地前で降ろされることもある。中国の高速鉄道事故でも再認識されたように蓄積された運行管理ノウハウも含 めれば、日本の鉄道システムはまだまだ圧倒的優位性がある。
今回も大阪と東京を新幹線で移動したが、その正確性と快適性は世界の鉄道を経験すれば心から評価できる。
世界一美味しくて安い日本の食事
レストランは何を食べても、美味しく、世界基準であんなにいいサービスを受けながらチップが要らない。チップがないだけで2割引きだ。あの清潔感 と親切さで、各所でチップが要らないから、日本は円高でも割安だ。アメリカであまりにサービスがひどいのでチップを払わないでレストランを出ていくとウエ イトレスが追いかけてきて請求されたこともある。
定食屋というシステムもいい。ワンプレートがあれだけバランスよい食材でできていて、たくさんセレクションあり、あんな早く出てくる食堂は他国に あまり見ない。勘定もすばやくてミスがない。大都市でコヒーまでついて10ドルくらいであの水準の食事ができるのは東京くらいではなかろうか。また、高級 グルメレストランでも、先進国から新興国まで含めて東京が「世界1割安」だと思う。
次のページ>>世界は無計画停電だらけ
話題の電力供給でも東京は素晴らしい。世界最高峰の高級住宅地、ビバリーヒルズでは今でも突然停電がある。私も1週間の短期滞在でその洗礼を受け た。停電があったのは就寝直前だったので、あきらめて眠った。幸いかと思いきや、突然電気が戻ってくるので深夜に起こされた。超高圧で突然戻ってきたの で、電気製品もやられてしまった。住民に聞くと「たまにあるよ。予告なんかない。大事な電気製品はコンセントから抜いておかなきゃ!」としかられた。富裕 層による要塞都市、ビバリーヒルズでもそうなのだから、他の街ではけっこう“無計画停電”がある。これが欧州や新興国に行こうものなら、半端ない停電の洗 礼を受ける。
「東京の夜は暗い」とよく言われるが、世界の都市の夜はもっと暗いので暗いとは全く感じなかった。アメリカの高速道路の夜の暗さは恐ろしい。何度も道を間違えたくらいだ。
日本の雑誌や新聞の、分析記事の中身は別として、情報の一覧性のレベルは高い。新聞も雑誌もパッと見ておけば世界中の情報が一覧できる。一時情報 に関しては世界の情報でも、日本は国民レベルで最も共有されている部類に入るのではなかろうか。メディアによる情報の整理整頓がうまい。この整理整頓に日 本のメディアの恣意性が入り込む余地があるが・・・。外国では自分で探して整理するしかない。1億人以上の人口を持ち、地方都市まで含めてほぼ大多数の国 民が重要情報を瞬時に共有できている国は日本くらいだろう。
次のページ>>逆プラシーボから脱せよ!
外向き学生が多い!
物流も素晴らしい。短期滞在中でもオンラインで書籍を買えば、無料で翌日どこにでも配送される。日時指定どおりに正確に届く。アメリカの本家で買い物をしたら、いつ届くのかわからない。ずっと届かない場合もあった。
今回の短期間滞在中は、2回講演したが、ブログやツイッターやフェイスブックを通じて多くの方々が聞きに来てくれた。その多くは大学生や若手社会 人。講演前から質問を受け付けていたが、ほとんどが世界情勢や留学事情に関してのものだった。講演も対話形式にさせてもらったが、多くの質問は海外につい てのもので、日本の若者が全然“内向き”ではないと感じた。経済や財政についてもよく勉強している質問が多かった気がする。若い世代は全然捨てたものでは ない。
日本の課題の深刻化度合いを探るのが今回の一時帰国の目的の一つであったが、期せずして日本の強みを再認識させられた。日本の未来は確かに深刻な 課題も少なくないが、世界のどの国と比しても、相対的に優位な強さもたくさん持っている。日本人は自国に関する一部のネガティブな情報を深刻に思い込み、 その思い込みで身体も心も過剰に痛めているのではなかろうか?
逆プラシーボから脱せよ!
リーマンショックの時も、世界の金融市場で最もデリバティブ商品の取り扱いが少ない東京市場が最も早く最も大きく下落した。当時与党で金融政策に 関わっていて、本当に驚いた。「世界が終わる」「もう市場は崩壊する」との悪い思い込みを、リーマンショックの当事者たちがたくさんいる欧米の市場より強 く持ち過ぎたのだと思う。市場や経済は人々の期待や不安が最も表れる場である。
日本人は「逆プラシーボ効果」にかかりやすいのではなかろうか?日本滞在時「日本は危ない」「日本はダメだ」という議論を耳にタコができるほど聞 かされた。もっとダメでもっと危ないところがたくさんある世界中を見ている私にすれば、違和感を覚えざるを得ない。しかし、本気で多くの日本人が「ダメ だ。ダメだ」「危ない。危ない」と思っていたら、日本全体が「逆プラシーボ効果」で本当にダメにしなってしまう。
安易に楽観論ばかり叫ぶのも日本のためにはならないが、何事も相対的・現実的に課題に接するべきだ。日本の相対的な強みもしっかり認識して日本建 て直し論のバランスを取るのがベターだ。そのためには外の世界をできるだけ多くの日本人が経験して相対的・客観的に物事を見られるようになることがベスト だと思う。これからもこの連載で、相対的な視座から日本の課題や魅力を述べていきたい。
質問1 多くの日本人は逆プラシーボ効果にかかっていると思う?
描画中...
71.8%
思う
16.9%
思わない
11.3%
分からない
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