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◎民主党政権は解散で「マニフェスト撤回」の信を問え
http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2011-07-25
2011-07-25 07:26 永田町幹竹割り
「ごめんなさいで済むなら警察はいらない」と自民党国対委員長・逢沢一郎が24日、NHKで開き直ったが、これは「国会はいらない」と言い直すべきだ。マニフェストが実現不可能になったことについて幹事長・岡田克也が謝罪したと思ったら、首相・菅直人までが「本質的な方向は間違っていないが財源問題で見通しが甘い部分があった。不十分な点は国民に申し訳ないとおわびしたい」と謝罪したのだ。4年間で達成の約束が2年で挫折・撤回したことになる。謝れば09年の総選挙で出来もしない政策と財源を並べて国民を欺いた罪が許されるのだろうか。許しを請うなら民主党政権は、例え菅が退陣した後でも国会を解散して国民の信を問い直すべきだ。誰が見てもそれが憲政の常道だ。
「よく言うよ」と思うのは朝日の社説。散々民主党政権を持ち上げてきて、首相と幹事長が謝罪した今になって「とっくの昔に、謝るべきだった。どうしてここまで時間がかかるのか」とのご主張である。どうやらさすがの朝日も民主党政権に見切りを付けたようだ。特集記事の中でも大転換した。「マニフェストを実現できないと宣言したまま任期満了まであと2年政権を担当し続けることは、正当性を欠く。菅首相の辞任後の代表選で徹底的に政策論争をしたうえで、新首相(党代表)は新たなマニフェストを練り上げ、できるだけ早く国民の信を問うのが筋だ」と宣言した。民主党政権が出来て以来初めてうなずける同社の論調に出会った。編集委員の曽我豪は朝日にしては是是非非の歯にきぬを着せぬ発言をするが、テレビで「総辞職か解散しかない」と断定している。たしかに、首相の体たらくに加えて、マニフェストの撤回は政権そのものの行き詰まりを意味する。解散すべきだ。それにつけても主筆・若宮啓文の論調はユニークさを通り越している。25日付紙面で菅に「ゲリラ議員に戻って脱原発で動き回る」ことを勧めている。「脱原発ゲリラの勧め」とは穏やかではない。恐れ入った。
こうしてマスコミの大勢は早晩早期解散・総選挙論が主流になりつつあるように見える。逢沢も「幸いこの8月から9月にかけて、被災地も一部の例外を除いて地方選挙ができる状況になってきた。これだけの状況に国政がなっている以上、秋以後、国政選挙は必ずできる。それが各政党の国民に対する、一番誠実な態度になると思う」と述べたが、あきらかに菅が狂気の“自爆解散”に飛び込むのを誘っているのだろう。問題はいかにして「菅の手解散」を実現させるかだが、自民党政調会長・石破茂が新たな奇策を提唱し始めた。本会議で先に否決した内閣不信任案を「不信任案無効決議案」を可決した上で、不信任案を再提出して成立させるというものだ。いちいち面倒な手順を踏まなくても不信任案再提出だけでことは足りると思うが、念には念を入れようというわけか。政権維持の妄念に燃える菅なら得たりやおうとばかりに総辞職でなく解散に打って出るというわけだ。菅はとっくに消えた「脱原発解散」の争点が、いまだに利くと見ているフシがあるから、やりかねない。しかし、民主党内は自爆解散で3分の2以上が議席を失いかねないとあって、懸命に止めに動くだろう。民主党政調会長代理の城島光力は、「全力を挙げて阻止する。おそらく全閣僚が解散閣議書に署名しないだろう」と述べている。実力阻止の動きになることは確かだろう。
それでは圧倒的に「菅は辞めない」という永田町の“読み”のなかで、本当に辞めないかを分析してみよう。こうなったら菅に直接会った議員の発言から感触を探るしかないが、首相補佐官退任の挨拶で菅に会った馬淵澄夫が「菅さんは強がりで発信しているが、本人の雰囲気は違うと受け止めた」と述べている。国会対策委員長・安住淳も「私の受けた感じでは一日でも長くやりたいと言う感じではない。退陣は早晩に実現する」との感触を述べている。岡田も野党に「赤字国債発行法案などが成立すれば、必ず退陣する」と明言している。これらの感触から見ると、ようやくさしもの菅も“弱り”はじめてきたかなと思える。しかしとどめを刺すには、赤字国債法案の成立は不可欠だろう。自民党が自爆解散にこだわり続けると政治空白が続き過ぎる。ここは退陣条件の3法案を成立させてみるという“賭け”も選択肢かも知れない。それでも辞めなければ、当然世論は菅に向けられる。その方が解散に追い込みやすくなるだろう。夫人・伸子の“名言”「支持率にマイナスはない」に、支持率ゼロなら反論できるかもしれない。ゼロなら限りなくマイナスを含むからだ。
◇
民主党謝罪―代表選へ論戦を始めよ 2011年7月23日(土)付 朝日新聞社説
http://www.asahi.com/paper/editorial20110723.html#Edit1
とっくの昔に、謝るべきだった。どうしてここまで時間がかかるのか。
菅直人首相や政権幹部らが、民主党のマニフェスト(政権公約)について謝罪した。
首相は「財源などの見通しがやや甘かった」と反省し、「不十分な点があったことを、国民のみなさんにおわび申し上げたい」と語った。
政権交代から、はや2年になる。2度も予算を編成すれば、無駄の根絶などで16兆8千億円をひねり出すという公約が、いかに現実離れしていたかに、気づかないはずがない。
なのに野党に尻をたたかれ、夏を迎えても赤字国債の発行を認めてもらえず、立ち往生してから謝る。いかにも遅い。
公約のすべてが間違っているわけではない。子どもを重視する方針をはじめ、大切にすべき主張はたくさんある。
問題の根っこにあるのはむしろ、公約に向き合う姿勢ではなかったか。「政権に就いたら実現させる目標」というよりも、「政権をとるための道具」のように思っているから、じっくり練り上げる作業を怠る。財源を軽んじ、あれもこれも並べる。
子ども重視を貫くには、今の子ども手当の形で良いのか、代わりに何を削るのか。公約の見直しとは、本当に大切なもの、めざすべきものを見極め、選び取る厳しい作業なのだ。
公約不履行をわびた民主党は、その見直しを急がねばならない。だが、まもなく交代する執行部にやりきれる仕事ではない。いまの公約堅持を訴える人が次の代表に選ばれたら元のもくあみになりかねない。
逆にいえば、代表選で議論を重ねて、見直しを掲げる候補が勝てば、党内合意を確立したことになる。バラバラな党内を固める好機になりうる。
それなら、菅首相が辞任の時期を明示するのを、のんびり待っているわけにはいかない。代表選に向けた議論を、すぐに始めてはどうか。
「我こそは」と思う者は名乗りを上げる。公約の見直しはもちろん、震災からの復興と日本の針路、エネルギーの将来像も含めて政策と路線をはっきり示す。政権の枠組みや、野党との連携の道筋も提示する。
そんな論戦を始めればいい。
ほかの政党も口を挟んだらどうか。だれが代表なら手を組めるのか。その条件は何か。これまでのように、菅首相が悪いから協力できないというばかりでは不毛だ。
「菅おろし」に時間と力を使うより、前向きな論議を望む。
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