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「ポスト菅にヤル気まんまん」 前原氏“とらぬ狸”の前のめり
http://bunshun.jp/shukanbunshun/thisweek_pol/110728.html
週刊文春 2011年7月28日号「THIS WEEK 政治」
前原誠司前外相が「ポスト菅にヤル気まんまんだ」と永田町で評判だ。外国人からの政治献金問題で外相を退いたのが大震災の五日前。菅直人内閣の「共同責任」から逃れられるため、前原氏は前のめりになっているようだ。
「私も、そろりと動いている」
十四日、前原氏は自らが主宰する議員グループ「凌雲会」の会合で宣言した。仙谷由人官房副長官も出席した会合での発言であり、出席者たちは「代表選への立候補宣言」と受け止めた。
一週間前の同じ会合でも前原氏は、「政治空白は痛いほど認識している。代表経験者で集まって話をしたらどうか」と語っていた。小沢一郎元代表、鳩山由紀夫前首相を含む代表経験者がそろって首相官邸へ押しかけ、菅首相に辞任を迫る作戦だ。
「鳩山氏が『菅さんへの鈴は主流派の人たちでつけてください』と断ったことで水泡に帰しましたが、それでも前原氏は山岡賢次副代表にも接近して小沢氏への橋渡しまで頼んだ。小沢グループも『一体、何を考えているのか』といぶかるほどの熱意でした」(政治部デスク)
民主党幹部はこう分析する。
「消去法で自分以外に後継候補はいない、と踏んでいるのだろう」
各種世論調査で「ポスト菅」を聞けば、必ず上位。一時は有力候補とされた野田佳彦財務相の評判は芳しくなく、失速気味だ。仙谷氏や枝野幸男官房長官、岡田克也幹事長らは内閣不信任案を巡る騒動での不手際に責任がある。必然的に、前原氏以外になり手はいないとの読みだ。
党外への根回しも怠りない。
前原氏は五月、ワシントンを訪問して上院議員やホワイトハウス関係者らと懇談している。七月初めには「新世紀の安全保障体制を確立する議員の会」役員として、自民党の中谷元・元防衛庁長官らと沖縄に出向き、「どの政党が与党になろうと、国益の観点からやっていく」「菅首相は八月で辞めると思う」など、刺激的な発言を連発した。
もともと前原氏は安倍晋三元首相ら、自民党の安保族と交流が深い。自民党関係者は「前原氏は自分が首相になれば、自民党と組んでねじれ国会も乗り切れると思っているのでしょう。そう簡単にいくかどうか……」と冷ややかだ。
不祥事でわずか四カ月前に閣僚を辞任した議員が有力後継候補ということ自体、民主党政権の絶望的な状況を象徴している。
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