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(酒井充の政界××話) 秋以降も「菅外交」が続くという悪夢
2011.7.24 18:00
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110724/plc11072418010007-n1.htm
菅直人首相が10月の中国訪問を検討している−。最初にその情報に接したとき、冗談かと思った。6月に退陣の意向を表明した首相が4カ月も先の外交日程を組むのは、常識に照らしてあり得ないからだ。だが、どうも本気らしい。「常識とはなんぞや」と考えてしまうが、なんだかんだと言い訳を積み重ねて2カ月近く延命している菅首相のことだ。この際、常識を無視して外交と予算をキーワードに「菅政権の今後」を夢想してみた。
まず9月前半。5月の主要国(G8)首脳会議(仏ドービル・サミット)の際に行われた日米首脳会談で、オバマ大統領から直接招請された米ワシントンへの公式訪問が控える。
菅首相の「8月末退陣」は岡田克也幹事長はじめ民主党執行部の統一見解となりつつあるが、肝心の菅首相は明言していない。ズルズルと9月に突入し、「日本の首相」である菅氏が訪米する可能性は高い。米側が政権末期の首相訪問に応じるかどうかは現段階で不透明だが、自ら招請した手前、「行きたい」という菅首相の願いをむげに断ることもできそうにない。
次の外交日程は9月21日から米ニューヨークで始まる国連総会一般討論演説だ。菅首相が出席すれば昨年に続き2年連続となる。これは野党時代に国会で数々の論戦を展開してきた好敵手、小泉純一郎元首相(平成16、17年)以来となる。
菅首相は小泉氏をことさらライバル視しており、5年半以上の長期政権を築いた点に関しては尊敬すらしている。演説で5月のサミットに続き、根回しなしで「太陽光パネル1千万戸設置」構想のような「サプライズ」を狙っているかもしれない。
9月の2つの訪米の間に首相を代えるのは、なかなか容易ではない。民主党代表選を行うには少なくとも1週間はかかる。さらに国会を開いて新首相の指名や組閣を行わなければならない。9月前半の訪米が「花道」ならば別だが、菅首相はすでに外務省側に国連演説の草稿準備を指示しているというから、辞める気はさらさらないようだ。
その次が10月10日前後の訪中計画だ。これも側近に対し、検討を指示したことが明らかになっている。なぜか産経新聞以外は目立って報じないが、意欲を示していることは間違いない。
この話を聞いたときには本当に驚いた。菅首相は6月2日の民主党代議士会で「東日本大震災の取り組みに一定のめどがついた段階で若い世代の皆さんに責任を引き継いでほしい」と語った。野党が前日の1日に内閣不信任案を突き付け、与党からも賛同者が出て可決される可能性は極めて高かった。この状況を考慮すると、菅首相の真意は「退陣を表明するから不信任案可決だけは勘弁してくれ」と言っていたと解釈するのが常識だ。
だが、ここで菅首相のしぶとさを見誤った。その後、菅首相は国会答弁で「辞めるとは言っていない」と強調した。確かに「辞める」とは言っていない。不明を恥じるばかりだ。
では、いつまで続けるのか。菅首相は国会や記者会見で聞かれても時期は絶対言わない。それもそうだ。10月に訪中したいのだが、それを言ったらさすがに猛反発を受けるからだ。
辛亥革命勃発から100年にあたる今年の10月10日は、菅首相の65歳の誕生日でもある。それもあってか菅首相は辛亥革命への思い入れが強いようで、1月の施政方針演説でも取り上げた。昨年9月の沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で演じた失態を、自らの訪中による戦略的互恵関係の推進で補いたいようだ。
中国は辛亥革命100年を盛り上げようと躍起だ。記念行事を予定しているが、そのムードに日本の首相も乗るのか。東シナ海のガス田共同開発に関する条約締結交渉は昨年9月の中国の一方的な延期通告から途絶えている。訪中で再開にめどでも付けられれば面目躍如か。
この後はしばらく目立った外交日程はない。ところが、今度は国内の問題が大きな局面を迎える。平成24年度予算案に対する各省庁からの概算要求の期限を迎えるのだ。
概算要求の期限は通常8月末だが、東日本大震災復興のための22年度第3次補正予算を編成する関係から、通常よりも1カ月程度すれ込む可能性があり、10月は予算編成の真っ最中となる。その途中に首相が交代すれば編成作業が仕切り直しになるかもしれず、ちょっと考えにくい。
そうこうするうちに11月を迎えると、今度は2〜3日に仏カンヌで主要20カ国・地域(G20)首脳会議がある。12、13両日は米ハワイ・ホノルルでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が、17〜19日ごろにはインドネシア・バリ島で東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議が待っている。いずれも首相の出席が欠かせない重要な外交日程だ。合間を縫って首相を代えるのも難しい。
すると12月の音が聞こえてくる。24年度予算案が決定する時期だ。来年1月の通常国会、予算案審議を前に首相が交代すれば、「予算案を編成した首相が審議に出ないのか」との矛盾を抱える。
例年通り3月中に予算が成立すると仮定する。すると菅首相は「予算を成立させた首相が執行すべきだ」と言い出すかもしれない。そのうちに9月に菅首相の民主党代表の2期目の任期が来る。民主党は現在、代表選の連続立候補を禁止していない。「衆院議員の任期の間は首相は交代すべきではない」が持論の菅首相のことだ。25年8月の衆院議員任期満了まで首相を務めることが筋だと有言実行を目指すなら、3選に挑戦するかもしれない…。
以上、ほとんど妄想に近いが、今の菅首相の執念をみると、幻想とも言い切れないような気がする。
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