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熱血!与良政談:「私の考え」はいけないか=与良正男
http://mainichi.jp/select/opinion/yora/
毎日新聞 2011年7月20日 東京夕刊
こういう話だけは予想通りの展開になってしまうのが悲しい。菅直人首相が「脱原発」の考えを表明した途端に足元の閣僚らからも異論が相次ぎ、政権はまたまた混乱している。
もちろん「脱原発」に対しては、さまざまな意見があるだろう。だが、私が「相変わらずだなあ」と落胆するのは、政界や多くのメディアの批判が「首相の個人的な見解はけしからん」といった次元にとどまっていることだ。自民党からは「首相の言葉に私見はあり得ない」という批判も出た。
そうだろうか。
例えば小泉純一郎元首相の金看板だった郵政民営化は、小泉内閣が発足した当初は「小泉氏の個人的考え」以外の何ものでもなかった。郵政民営化がどれほどの改革だったか、衆院解散に打って出るほどのテーマだったのか、今も論議はある。だが、小泉氏がその実現のために体を張ったのは事実だろう。それが首相のリーダーシップだと絶賛した自民党議員も多かったはずだ。
そもそも首相は13日の記者会見の段階で「私自身の考えを明確にしたい」と前置きして語っている。一体、原発を将来、どうするつもりなのかと質問されて、首相が「みなさんの意見を聞いて取りまとめたい」と答えたら、今度は「首相は何も考えていない」と批判されていただろう。
「私の考え」を表明するのがいけないのではない。「私的見解の言いっぱなし」に終わってしまいそうなことが問題なのだ。首相もどこまで腰が据わっているか不明だし、与野党ともに脱原発の是非をきちんと議論しようとしない。むしろ、「また思いつきの居座りパフォーマンス」批判を強めることで、「単なる首相の私的見解」に矮小化(わいしょうか)させようとしているようにさえ思える。
私は「新規に原発を造るのは極めて難しい状況だ。原発依存度を下げるのは政策論ではなく現実論だ」と語る細野豪志原発事故担当相の意見に近い。一方で「原発ゼロにするなら核燃料サイクルも含めた大きな議論が必要。短兵急に結論を出すものではない」という玄葉光一郎国家戦略担当相の意見ももっともだと思う。いずれにしても菅首相がいつ退陣しようが、「大きな議論」を今すぐ始めるべきだと思う。
自民党も「政権の体をなしていない」と批判するだけでなく、これまでの原発政策をどう総括し、今後、どうしていくのか、早く考えをまとめてもらいたいものだ。(論説副委員長)
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