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「原発を止め、浜通りを復活させるぞ!」380人がいわき市内を大デモ
“線路を返せ! 職場を返せ! 故郷を返せ!”――。労働組合旗を林立させた戦闘的な大デモが、いわきの街を揺るがした。動労水戸が呼びかけた「すべての原発を止めよう!7・17いわき集会&デモ」が7月17日、380人の結集で打ち抜かれた。
集会開始時間の午後1時には、JRいわき駅前LATOV6階の集会場は満杯になり、会場内とほぼ同じ数の参加者がロビーにあふれかえるほどの結集となった。
主催者あいさつに立った動労水戸の石井真一委員長はまず「私も福島県矢祭町の出身。動労水戸には、ここで働いている組合員もいるし、ここから勝田車両センターなどに通勤している仲間もいる。絶対に全原発を止め、廃炉にし、すべてを除染させてこの浜通りを復活させる」と怒りを込めて宣言した。そして「いま労働組合がいかなる方針をとるのかが本当に問われている。なによりも自らの職場で反原発を闘い、労働組合のある職場では“反原発を組合方針として掲げろ”と要求して闘おう」と訴えた。
地元いわき市からは3者が発言した。いわき市で畜産を営む農民は「福島では完全無農薬・無化学肥料でやってきた農民グループもあったが、原発事故によってその努力は一瞬にして吹っ飛んでしまった。このままでは県内4千の肉牛農家もつぶされる。この無念、憤りをどこにぶつければいいのか! 一切の責任は東電と国にある!」と声を詰まらせながら怒りを爆発させた。そして「このような集会を開いてくれた動労水戸に感謝したい。動労千葉と三里塚反対同盟のように、この集会から新たな労農同盟を切りひらいていきたい」と述べた。いわき市在住の動労水戸組合員は「自分は、生まれも育ちもいわき市。東海村JCO事故の際にも中性子を浴びさせられた。今こそ原発なんかいらない!とハッキリ言うべき時だ。自分は、闘う労働組合に所属してこうして声を上げられたが、ほとんどの原発労働者は声も上げられない状況にある。なんとしても原発労働者との連帯をつくろう」と訴えた。いわき市の教育労働者は「国や県教委は『大丈夫だ』と言っているが、大丈夫なわけがない。国や東電の連中には一度、原発で働いてみろと言いたい」と発言した。
さらに、ふくしま合同労組の市川潤子委員長、国労郡山工場支部の橋下光一さん、「すべての原発をいますぐなくそう!全国会議」呼びかけ発起人の鈴木達夫弁護士、動労西日本の山田和広副委員長、三浦半島教組の闘う教育労働者、みやぎ連帯ユニオンの金子哲夫委員長、福島大生、東北大生などが次々と発言した。この間の街頭宣伝などで巡り合い、居ても立ってもいられず集会に駆けつけたという労働者もマイクをとった。
集会のまとめを提起した動労水戸の辻川慎一副委員長は「今日の現実を生みだした一切の出発点が国鉄分割・民営化にある。国鉄闘争と反原発の闘いは一体だ。一切の責任を政府、電力会社に取らせよう。絶対に逃がしてはならない。常磐線はいまだ寸断されたままだ。どんなに大変であろうとも原発を撤去させ、除染させて鉄路と職場を取り戻そう」と提起した。
集会を終えた参加者は、一団となって市内デモに出た。店舗やマンションから手を振る市民。沿道から飛び入りする若者たち。涙を流しながらデモ隊に握手を求めてきた女性もいた。駅前ロータリーの歩道橋には鈴なりになって市民がデモに注目し、まさに市民とデモ隊がひとつになった感動的なデモとなった。
解散地の駅前広場で総括を提起した福島労組交流センターの渡辺馨代表は「いわき市内には数千人ともいわれる原発労働者が生活し、ここから命がけの原発労働に向かっている。6・19怒りのフクシマ大行動に続いて、原発労働者とひとつになる闘いをやり抜いた。さらに8・6ヒロシマ―8・9ナガサキへ闘おう」と述べ、この日の闘いを締めくくった。(O)
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