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K 様
メール有難うございました。問題の所在は、脱原発と原発維持の中間にある、
灰色の対応をどう見るかです。浜岡の停止も、評価は二分しました。停止しても、核燃料は、使用済みを含め原発内に存在し、不安を弱めるだけです。
福島4号機は、休止中でも、事故が起きました。これは、即時脱原発でも、廃炉までは同じです。評価の基準は、菅首相の浜岡停止や「脱原発」表明が、
日本のエネルギー政策の転換に役立つかどうかです。ドイツ・スイス・イタリーと、日本の違いは明白です。
漸く、福島は、脱原発に舵を切りました。だが、滋賀など一部を除き、大方は国の動向待ちです。お上主導、「原子力ムラ」の集権社会を変えるには、54基の原発を抱える地域住民が、この歴史の転機に目覚め、思考停止状態から、抜け出さねばなりません。
住民主導の地域主権社会構築が、そのキーワードです。私は、菅さんタイプの西欧型市民運動よりも、与野党を超え「日本型の国のかたち」を追求する、
「穏健な保守」の芽生えに注目しています。
お元気で。
桐野 昭二 拝
K さんは書きました:
> > 桐野様
> > たんぽぽ舎に対するメルマガ読者、長尾高弘氏の投書です。私は長尾氏と同意見です。
> > 2011年7月16日
> > K
>> >> ★2.菅首相記者会見(脱原発)を評価したい
>> >> メールマガジン読者 長尾高弘
>> >> たんぽぽ舎様
>> >> いつもメールマガジンをありがとうございます。このペースでこれだけ 内容の充実したメールマガジンを作るのは大変なことと思います。本当 に感謝しています。
>> >> 今日は2つ届きました。ただ、強いて言うと、昨日の首相記者会見につい
>> >> ての評価が載っていないのは残念に思いました。
>> >> 確かに記者会見の前半にはおやと思うところがあります。しかし、エネルギー政策についての考え方を言い出したあたりからは、無視できない内容を持っていたと思います。
首相は、3月11日以前は「安全性を確認しながら活用していく」という立場だったところ、実際の被害、事故収束の難しさを感じて、「原子力事故のリスクの大きさということを考えたときに、これまで考えていた安全確保という考え方だけではもはや律することができない。 そうした技術であるということを痛感をいたしました」というのです。
これは、原子力という技術は根本的 にダメだという判断に至ったと読むことができると思います。その上で、「これからの日本の原子力政策として、原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至りました。
つまり計画的、段階的 に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく」と言っています。これは、「脱原発依存」と報道されていますが、「脱原発」だと思います。
>> >> さらに、電力の安定供給は政府の責務だが、「この夏においてもピーク時の節電、あるいは自家発電の活用などによって十分対応できると考えております」と言っています。少なくとも、マスコミが言うほど電力不足だとは思っていないわけです。
確かに、質疑応答では、4人(菅、枝野、海江田、細野)で合意すれば稼働もあり得ると言っていますが海江田や枝野の言動とは異なり、まず稼働ありきではないという姿勢を私は感じます。 確かに言葉だけかもしれません。その言葉にも不十分なところがあります。
しかし、最後に浜岡を止め、玄海を止めたのは、「唐突な」と表現されている菅首相の介入があったからです(もちろん、そこに至る運動の力がなければ何も始まりませんでしたが)。
>> >> ネットでは、実際に2つの原発を止めてきたという菅首相の行動と、今回記者会見の言葉から、菅首相を高く評価する声が多数あります。首相のまわりには、原発を動かしたくてうずうずしている人間しかいません。
細野氏については私はまだよくわかりませんが、枝野、海江田はまちがいなくそうです。民主党にも、昨日、首相に退陣を求めた長島昭久ら11名の議員のような推進派が多数います。
>> >> そして、菅首相の表明(確かに突っ込みどころは多 数ありますが)を予定調和的に批判しつくすマスコミ。自公、経産省は言うまでもありません。彼らは、浜岡、玄海と原発を止めてきた菅首相を憎んでいますから、個人攻撃によって彼を引きずり下ろすことだけを考えているように見えます。
>> >> 市民運動が首相を支持するなんて、2、30年前にはとても考えられないことでした。しかし、今は脱原発を本当に実現するめったにないチャンスであり、しかも推進派が総攻撃に出てきているので脱原発が潰される危険も十分にあるという 微妙なタイミングだと思います。
とにかく、今は菅首相を守って、また「唐 突に」原発を止めさせるべきときだと思います。たんぽぽ舎メールマガジンでそういう記事を見たい、と言ったら図々しいでしょう か。
>> >> もちろん、菅首相をそう簡単に信用することはできません。昨日も記者からの質問で話題になりましたが、大飯、泊が次の焦点になるかと思います。この夏の 電力供給が十分対応でき、原発が安全確保という考えでは律することのできないものであれば、新たに原発を動かす必要はないはずですから、ストレステスト以前に稼働に入れる必要はないはずです。
また、ストレステストについても、3.11を踏まえての話ですから、事故前のフクイチを不合格にできるものでなければ、テストとして無意味だということになるはずです。
たとえば、設計条件が4気圧の格納容器は、8気圧になることが現にあるわけですから、テストをする前に書類選考でアウトです。こういったことを強く押し出して歯止めをかけながら、菅首相の基本方針を支持するというのが正しい方向かと思います。
>> >> まじめに脱原発を考えている人でも、菅首相の会見での発言を支持しない人ももちろん多数いますし、それぞれの理由にはもっともなところもあります。しかし、今の力関係を考えるなら、こちらに歩み寄りたがっている菅首相を討ち死にさせるのはもったいないと思います。
古くから運動を支えてきたたんぽぽ舎の皆様のような方々に、首相が記者会見で言ったことには見所があると言っていただければ、改めて考える人も出てくると思います。
>> >> もちろん、たんぽぽ舎の皆様は、私のようには考えないかもしれません。その 場合でも、この国の首相が初めて脱原発を口にしたのですから、何らかの評価をしていただければと思います。長々と失礼いたしました。よろしくお願いいたします。
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