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あの財務官「異例人事」の真の狙い
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/11314
2011年07月17日(日) ドクターZは知っている 週刊現代 :現代ビジネス
菅直人総理の居座りを見越してのことかどうかは知らないが、枝野幸男官房長官は今夏の中央省庁幹部人事を凍結する方針を打ち出した。だが、どんな指示にも例外はある。財務省の玉木林太郎財務官がOECD(経済協力開発機構)事務次長に転出し、その後任に中尾武彦国際局長が昇格の方向だ。OECDの本部はパリ。経済成長、貿易自由化と途上国支援を目的とする国際機関で、日米欧など先進国を中心に34ヵ国が加盟している。
さて、玉木林太郎と聞いてピンと来る人はかなりの霞が関事情通だ。'09年2月、あの故中川昭一財務相がローマG7で酩酊会見をした際に同席していたのが、当時は国際局長だった玉木氏である。玉木氏は東京出身で、中川氏と麻布高校の同期生。G7には財務大臣と財務官(当時は篠原尚之氏、現IMF〈国際通貨基金〉副専務理事)が行き、国際局長は国内で留守番というのが財務省の習わしだったが、玉木氏は大臣の同級生というよしみで、特別にローマに同行した。
ソムリエの資格を持つと噂されるほどワイン通の玉木氏は、長身で人当たりも良く、財務省詰めの女性記者にも人気がある。ローマ行きにあたっては、玉木氏から数名の女性記者が同行に指名されたと言われている。そんな"状況証拠"があるため、中川財務相の酩酊を止められなかった玉木氏の責任を問う声の一方で、逆に玉木氏が女性記者を使って大臣にワインを勧めさせ、泥酔させたのではないかという陰謀説も広まった。当時、財務省は増税による財政再建を狙っていたが、中川大臣はそれにブレーキをかけていたからである。公式には、ワインによる酩酊ではなく、往路の機内における薬の処方の誤りだったということになっているが、真相は藪の中だ。
ちなみに当時はリーマン・ショック後の苦境の最中で、中川財務相はIMFに1000億ドルの拠出を行い、ストロスカーン専務理事(当時)から「人類史上最大の貢献だ」と絶賛された。そのストロスカーン氏がつい先頃、性的暴行の罪で逮捕され、専務理事辞任に追い込まれた。こちらも謎めいた事件である。
閑話休題。財務官の天下り先としては、IMFの副専務理事が定番コースだ。だが、そのポストには前任財務官の篠原氏が座っている。そこで財務省はターゲットをOECDに定めたのだろうが、本当の狙いは別にある。
従来、OECD事務次長は外務省のポストだった。そのため、あまり経済政策に詳しくなく、それが幸いしてかOECDスタッフは日本の財務省に気兼ねせずに、どちらかと言えば財務省の意向に反するような政策を数多く提言してきた。例えば、インフレ・ターゲットを導入して経済成長を高めよという、世界標準の真っ当な政策だ。一方のIMFからは、財務省べったりの提言が多い。そのことは、このコラムでも何度か指摘してきた通りである。
財務官は事務総長と対等の立場なので、事務次長での転出は実は釣り合わない。そのため事務総長狙いだとも言われているが、財務省の真の狙いは、OECD内で日本人最高ポストを握って、日本への政策提言を財務省寄りの内容に軌道修正することだろう。
IMFとOECDから同じ方向の提言が出れば、日本のマスコミが金科玉条のように報じるのは目に見えている。その上、事務総長まで取れれば財務省は万々歳だ。日本人が国際機関のトップに就任、などと喜んではいられない。
週刊現代2011年7月16・23日号より
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