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【高橋昌之のとっておき】
暴走菅政権を止めるには不信任案再提出しかない
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110717/plc11071718010010-n1.htm
2011.7.17 18:00 産経新聞
菅直人首相は13日の記者会見で、「将来的には原子力発電所をなくす」と明言しました。これは原子力を推進してきた日本の国策を大転換させるものですが、党内でも閣内でも検討しないままの独断の発表でした。
くしくも同日の朝日新聞朝刊1面には「提言 原発ゼロ社会 いまこそ政策の大転換を」という社説が載っていました。菅首相がこれをみてまたまた思いつきで表明したのか、朝日新聞とのコラボレーションなのかは分かりません。いずれにしても、いつまでに、どのように実現するのか語っていませんから、国民をペテンにかける話ですが…。
それにしても、菅政権の暴走は勢いを増すばかりです。佐賀県の玄海原発の再稼働でも、海江田万里経済産業相に地元同意を得させておきながら、その直後にストレステスト(耐性検査)の導入を突然表明しました。これをやりだしたら、仮に国が安全を宣言しても、玄海原発のこともあって、全国の原発の再稼働に地元の同意はなかなか得られないでしょう。このままだと来年春には、日本全国の54基の原発はすべて停止することになります。すると日本の電力は深刻な事態に陥ります。
このまま菅政権の暴走が続いたら、この国はどうなってしまうのでしょうか。私は強い危惧(きぐ)を抱いています。しかし、われわれにはこの暴走を止める術はありません。できるのは与野党の国会議員でしかありません。
私は前回のコラムで、菅直人首相は「絶対に自らは辞めない」との見方から、野党に対して「菅内閣不信任決議案を今国会に再提出する」ことを提案しました。そうしたところ、自民党内からその動きが出てきました。
同党の石破茂政調会長が6日の衆院予算委員会で、内閣不信任案の再提出の可能性に言及したのです。石破氏はまず、菅首相に進退の意向を問いただしましたが、菅首相は「私は『辞める』という言葉を使ったことはない」と明言しました。6月2日に「退陣を表明した」と報道され、第2次補正予算案、特例公債法案、再生エネルギー特別措置法案の3案が成立すれば「退陣する」といわれているわけですが、やはり自ら辞める気はないということがはっきりしたわけです。
その発言を引き出したうえで、石破氏は、一度不成立になった議案は同じ国会で基本的には再提出できないとされる「一事不再議」の慣例について、「一事不再議は成文化されていない。それはまったく違う事態が生じたら、もう一度(賛否を)問わなければならないという例外を想定しているからです」と、内閣不信任案を再提出することもありうるとの考えを示しました。
理工系で法律学は苦手とされる菅首相は、よく分からない様子でしたが、石破氏の言う通り、「一事不再議」はあくまで慣例であって、法律で定められたものではありませんから、内閣不信任案にしたって「内閣とそれを取り巻く状況が変われば再提出できる」のです。さらにいえば、再提出の理由さえ整えば慣例にも反しません。
このコラムで何度も書いてきたように、日本の政治においては首相が自ら辞めない限り、強制的に辞めさせる手段は内閣不信任案を可決するしかありません。菅首相が自ら辞める気がない以上、菅政権という「政治空白」を解消して、東日本大震災という国難を克服するには、内閣不信任案を可決するしかないのです。
内閣不信任案が再提出された場合は、衆院議院運営委員会で本会議にかけるかどうかの判断が行われることになります。この点については、西岡武夫参院議長が7日の記者会見で「衆院議院運営委員会が玄関払いすることや、衆院議長が議題にしないということは、法的に不可能だ」と明確な見解を示した。
私もその通りだと思います。もし、野党が菅内閣不信任案を再提出して、与党・民主党が数でこれを本会議にかけさせないとしたら、法的にもそうかもしれませんが、世論も許さないでしょう。報道機関の各種世論調査でも、菅首相は「今すぐ」または「8月中に」辞めるべきだとの意見は、7割に達しています。
その中で、提出された内閣不信任案を本会議にかけないでつるしたままにしたら、それは国民から「卑怯(ひきょう)」「国民無視」と厳しい批判を受けることになると思います。したがって、野党が内閣不信任案を再提出すれば、間違いなく本会議で採決されるでしょう。
問題は2つあります。第1は、野党第1党である自民党が本当に内閣不信任案の再提出に踏み切れるかどうかです。石破氏が質問した後、さっそく自民党内とくにベテラン議員からは、「慣例を破るのはいかがなもののか。自民党が政権与党になったときに同じことをやられたらどうするんだ」などといった消極論が出ました。
私からすると、「何をバカなことをいっているんだ。そんなことは政権をとってから考えろ」ということです。自民党は政権をとっても不信任案の再提出を恐れるほど、安定した政権運営をする自信がないのでしょうか。だとしたら、「政権奪回」を掲げる資格はありません。
また、自民党内には「菅首相が居座るのは国のためにならないが、その方が攻めやすい」という理由から、内閣不信任案再提出に慎重な意見もあります。自民党は野党に転落して、そこまで腐った政党になってしまったのでしょうか。それこそ、国家、国民より党利党略を優先する話です。民主党がダメなことはこの2年間でよく分かりましたが、そんな姑息(こそく)な自民党にも政権を任せる気にはなれません。
もし、内閣不信任案が可決されて、菅首相が総辞職ではなく、衆院解散・総選挙に踏み切ったとしてら、それは自民党の望むところでしょう。これまで「一日も早く解散・総選挙をせよ」と迫ってきたのですから。内閣不信任案提出に慎重になる理由はどこにあるんでしょうか。
自民党に対しては「戦後長年政権を担ってきた自負を取り戻して、国家、国民のための政治をしてもらいたい。そうでなければ政権はとれない、あるいは政権をとったとしてもこの2年間の民主党政権のようにダメ政権にしかなりませんよ」といいたいと思います。
問題の第2は、菅内閣不信任案が提出された場合に、民主党内から可決に必要な同調者が出るかどうかです。この点については私は今度はさすがに大丈夫だと思っています。6月2日の菅首相によるペテンにはもう懲りているはずですから。
私はもはや民主党に自分たちだけで菅首相を降ろすだけの自浄能力はないと、見切りをつけています。したがって、内閣不信任案に多くの民主党議員が同調を表明して可決確実な状態に追い込み、菅首相に退陣を迫るしかないと思っています。
それでも、「引きずり降ろされる辞め方だけは絶対にしたくない」と考えている菅首相は、総辞職ではなく、解散・総選挙に踏み切るのではないかと見ています。民主党議員のほとんどは「菅首相のもとでは総選挙は戦えない」と考えていますから、もし菅首相が解散に踏み切ったら、その直後に菅首相を除名して代表選を行い、新代表のもとで総選挙を戦えばいいと思います。あるいは、それぞれが民主党を離党して、理念、政策で一致できる人たちで新党を結成して戦えばいいと思います。
民主党議員が解散・総選挙を恐れて、「菅首相では今の国難は乗り切れない」と思っているのに、菅首相を降ろせなかったら、後世から批判されるのは間違いありません。国会議員が「政治生命をかける」といったって、それは単に国会議員でいられるかどうかの肩書の問題でしかありません。本当の命をかけるわけでありません。
しかし、今週、このコラムを書きながらも、毎日のように仮設住宅や避難所で死者が出たというニュースが入ってきます。震災と津波の中で救われた貴重な命が、政治空白のために失われ続けているのです。政治家はこの現実から目をそむけてはなりません。
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