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菅直人の「シャブ中やめます」宣言(「麻薬やめます」に非ず)に思う
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20110714
2011-07-14 09:02 kojitakenの日記
昨日日中の段階で、菅直人首相の記者会見は「脱原発」ではなく、「脱原発依存」になると知って苦笑した。それじゃ「シャブやめます」じゃなくて「シャブ中やめます」だよな、と思ったのだ。しかし、吉良州司、長島昭久ら民主党の「シャブ中患者」が大反発したというニュースを聞いて、そりゃ何も言わないより言った方がマシだよなあと認識を改めた。ここ数か月の菅政権の迷走は、原発推進勢力を焙り出した点では意味があったといえるだろう。たとえば、かなり強硬な原発推進論者であることが明らかになった岡田克也は、もう総理大臣になる目は完全に消えたと言って良いのではないか。
各紙社説の反応は、朝日は歓迎。毎日と中日(東京)は方向性は支持するものの具体性がないとして、かなり批判的。特に中日は菅首相は早く辞めろと言っている。読売と日経は批判。産経は無視して、菅首相の献金問題を取り上げている。
まああとからではなんとでも言えるのだが、私が指摘したいのは、3月11日の東電原発事故直後から現在に至るまで、誰がどんなことを言っていたかを検証するのが良いということだ。
たとえば、3月17日付の朝日新聞夕刊には、ISEPの飯田哲也が2050年に原発ゼロにもっていくというグラフを示した記事が出ている。その後ISEPは4月4日付で原発ゼロの目標を前倒ししたが、私が言いたいのは、何も某小沢信者*1のような、「飯田哲也は『真の脱原発』ではない」などという妄言ではない。その頃、その某小沢信者が信奉する武田邦彦は、「私は『安全な原発』推進論者だ。私の立場はおかしいのだろうか」などと言っていたのだ。東電原発事故の直後から東電を非難する記事を書き続けて大ブーイングを受けていた私も、4月4日にISEPが原発ゼロの目標を前倒しにした時、飯田さん煽られ過ぎじゃないかなあ、そんなに早く原発ゼロにできるんだろうか、と思ったものだ。だが、その私も現在では「2020年に原発ゼロ」へと意見を変えている。
東電原発事故の前には、共産党も原発をゼロにする目標年を提示したことは一度もなかった。東電原発事故後最初の『朝まで生テレビ』で、田原総一朗は「原発推進の継続は当然の前提」だと断って司会を進め、電波芸者の親玉・田原に煽られたやはり電波芸者の勝間和代が過激な原発擁護論を展開したものだ。3月の朝生には飯田哲也にはお呼びがかからなかった。
マスコミでは、毎日新聞が東電原発事故直後の3月13日付紙面の一面で、激しい東電批判の記事を載せていたのを皮切りに、昨日菅直人が口にしたようなことはすべて3月の同紙の紙面に出ていたことばかりだが、その毎日も社論として「脱原発」に転換したのは、ようやく4月15日になってからで、それ以前には同紙主筆の岸井成格は、テレビで原発への未練を口にして私を激怒させていた。その証拠は、当ブログの過去の記事に残っている。
言いたいのは、何を言うかも大事だけれど、いつ言うかが本当に大事だということであって、菅直人が言うのは遅かったと思うけれども、たとえば東電原発事故の直後にやっていたら潰されていたであろうことは、先月の内閣不信任案の経緯などからも明らかだ。今日審議入りする再生エネ固定価格買い取り法案にしても、環境省だったらもっと踏み込んだ法案を出せたかもしれないけれども経産省に潰されていただろうと飯田哲也は指摘する。現在の「政官業労報学」の「原発利権ヘキサゴン」(ああ、俺も植草一秀みたいになってきたかな)を考慮すると、まあこのくらいが限度かなとも思える。それより菅直人の後継を選ぶ代表選で、「脱原発」を訴える候補者が出てきて当選するというシナリオが考えられるかどうかの方が問題だ。そんな名前は誰一人思い浮かばない。小沢信者は原口一博あたりを推すのだろうか。私は原口など論外だと思っているけれども。
もう一つ言いたいのは、政権の主流から外れて、比較的自由にものが言える立場にいながら、「脱原発」を明言しなかった誰かさん、そう、あの「剛腕オヤジ」の責任だ。配下の川内博史(本来は鳩山派だが)らを動かして、「小沢一郎(おっと名前を出してしまった)は『脱原発』」だという虚像を作り上げる工作をする一方、原発推進勢力の親玉連中である自民党長老連と組んで内閣不信任案を出すていたらく。結局この不信任案否決のあと、誰も小沢一郎を「『脱原発』の希望の星」などと仰ぎ見る人間はいなくなった。いや、厳密にはブログや掲示板やTwitterに若干残っているが、世論に影響を及ぼす力は全く持っていない。
「○○さんならなんとかしてくれそう」と安易に考える人々が多いうちは、そうやすやすと「脱原発」を現実のものにすることはできないと思う。
*1:小沢信者というのは面白い人たちで、たとえば「きまぐれな日々」へのコメントで、「ブログ主はどのくらいのスパンで原発停止を考えているのか。仮に10年スパンでの原発停止を考えているなら、だからと言って、20年スパンで停止を言っている人たち(今朝の朝日社説特集などはその例)を排除するな」と書いてきた小沢信者がいた。それに対して、「私は10年スパンでの停止を考えているが、20年スパンでの停止を主張する人たちを排除するつもりはない」と返答したところ、他に「即時停止を求める」とコメントした人(非小沢信者)に対して、その小沢信者は「10年スパンで停止しろと言っているブログ主や社民・共産両党、それに飯田哲也氏らを批判しろ」と煽っていた。最初のコメントとでの自らの主張に反することを、平然と自分でやらかしたのだ。要するに、菅直人や社民・共産らを批判して、「左側」の支持を小沢一郎「だけ」に集めることだけが彼ら「小沢信者」(「小沢左派」)の目的であって、そこに至る理屈はすべてがあとづけなのだ。だから、左記のような自己矛盾を平然と犯す。そもそも小沢一郎は何年スパンで原発を減らすかどころか、「脱原発」そのものさえ明言していない。
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