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小沢裁判で打つ手なき指定弁護士
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10953176081.html
2011年07月14日(木) 永田町異聞
さぞかし小沢一郎氏を検審起訴した指定弁護士は公判前整理手続きで苦労をしているのではないだろうか。
すでに、石川衆院議員ら元秘書三人の公判で、先ごろ、東京地裁は彼らの供述調書の半数以上について任意性を否定し、証拠採用しないことを決めている。
東京地検特捜部がとった秘書たちの供述調書だけが、検察官役を請け負った指定弁護士にすれば、小沢氏を政治資金収支報告書の記載方法をめぐって罪に問う唯一の手掛かりだったはずだ。
その調書が、検察官の威圧と脅しと誘導によって作成されたもの、すなわちはっきり言えば、被告の意思に反してねつ造された紙切れであると地裁に判断されたのだから、指定弁護士にとっては法廷で闘う武器を奪われたようなものである。
むろん、小沢氏と、秘書三人は異なる法廷であり、別の裁判官が担当するのであろう。それでも、同じ供述調書について証拠価値の判断が異なるということでは、裁判所の信用性が問題になる。
公判前整理手続きは、争点の絞り込み、証拠整理,公判スケジュールの策定が目的だ。地裁会議室に裁判官、検察官役指定弁護士、小沢側弁護士が集まり非公開で行われている。
3月以降、10回の会合を重ね、9月にかけてあと5回ほど開いて、10月に初公判という段取りらしい。
どんなやり取りがなされているのか非公開なので分からないが、新聞によると、指定弁護士は、村木冤罪事件のFDねつ造で逮捕された大阪地検特捜部の前田恒彦元検事が陸山会事件の応援にはせ参じて作成した調書を証拠請求したという。
元秘書3人の公判で、検察側が証拠能力なしと認めている前田作成調書を、である。
小沢弁護団がそれに不同意を突きつけると、指定弁護士は前田元検事を証人申請する意向を示した。
その理由について「取り調べ内容が信用できることを立証するため」と指定弁護士が言っているというのだが、だとしたら、打つ手がなくて、もう破れかぶれといった風情である。
いずれにせよ、よほど立証材料がなくて困っているということだろう。
そもそも東京地検特捜部は小沢氏を不起訴としたが、石川氏らの供述調書に任意性があるという前提で、検察審査会が小沢氏の共謀を疑って起訴議決をしたわけであり、その任意性が裁判所によって否定された以上、小沢裁判そのものの根拠がほとんど消滅しているといっていい。
東京地裁が供述調書の任意性を否定した決め手は、小沢氏に対し検察審査会が第一回目の「起訴相当」議決をしたあと、東京地検特捜部の田代政弘検事が石川氏を再聴取したさい、石川氏が隠し録音していたICレコーダーの記録だ。
ことし2月7日に開廷した石川氏ら三人の初公判で、弁護側がこの録音を書き起こした「反訳書」を提出し、読み上げた。拙メルマガ7月7日号から、その内容について書いた部分を転載する
◇◇◇
「あのー基本的にはどうなのかな、検審のね、うちが(小沢を)起訴するかしないかっていうのも、これからの判断だから、仮に起訴せずとなって済んでも検審でまた起訴相当が出ると困るわけで…多分、石川さんは小沢先生からねじまかれて今までの供述を全面的に否定するだろうと…それをやっちゃうとさ、
いわゆる強硬な、ね、考え方の人たちの思うツボっていうか」
石川氏が逮捕拘留中の供述を全面否定するのを予測し、そんなことをしたら検察の強硬派から反発を食らって、かえって損をするぞと、やんわり脅している。
「うちの幹部にしても検審にしても、なぜそういう(全面否定の)供述になったのかを色々想像するよね。…ほらやっぱり絶対権力者じゃんと、あの先入観がある限り、結構きついよね、その部分がね」
絶対権力者である小沢氏の命を受けて全面否定したと受け取られ、心証が悪くなると匂わせることで、追いうちをかけている。
「だからここんところでさ、検審、ま、うちの方針もそうだけど、多分、石川さんが、今までの話を維持してきちっとね、話をしている限り、起訴ということにはならないんだろうと思うんだよ」
こうして、相手に脅しをかけたうえで、解決策を提示し、調書の供述を維持するよう巧みに誘導する。
同時並行で、別の脅しを組み込んでいるのも巧妙だ。
石川氏を取り調べたもう一人、吉田正喜検事が、石川氏が受け取った政治献金についていかにもワイロであるかのごとく圧迫していた件を持ち出し、供述維持へ導くための小道具として使っていることだ。つぎのくだりがそれにあたる。
「吉田正喜のあれ隠し玉なんじゃないの。…もうそんなの出したら大騒ぎだよね。…検察が石川議員再逮捕に本気になったとき、まったくできない話かっていうとそうでもない」
要するに、こちらの言うとおりにしなければ、あんたの政治献金問題を事件にするぞと脅迫しているのである。
とにもかくにも、田代検事は調書の供述を維持させたい一心であることが伝わってくる。
その目的を達するために、「僕は小沢を裁判にかけたいと思っていない」「我々の作戦は功を奏している」とまで言って、味方と錯覚させるような手管を用いているのだ。
さらには、奇妙なことに、小沢からの借入金4億円を隠すために3か月後に登記をずらしたという検察ストーリーについて、田代検事自ら論理の飛躍を認めていると受け取れる会話が記録に残されている。
石川「今日変えるとしたら、4億円を隠すために時期をずらしたということではない、それくらいですよね」
田代検事「そこを否定するとなかなか難しいんじゃないの。あのー、12月だろうが3月だろうが変わんねーからさ、また変わると、なんでじゃあ変わったのってなっちゃうからさー。めんどくせーからさ」
さらには、石川氏が水谷建設から5000万円の裏金を受け取っていないと主張していることについて、検察側も実のところはそれを認めているのではないかと思わせる部分が、以下の会話だ。
石川「威勢のいいことって言ったって、水谷建設からもらってないもん、当り前じゃないですか」
田代検事「そりゃいいんだけどさ、それは誰も気にしてないのよ」「水谷のところにすごく興味が奪われてているんだけれど、そんなところは別に4億の不記載に関係ないんだよね」「汚い金だっていうのは、検事が勝手に言ってるだけでね。そんなのは水掛け論になるから相手にしなくていいのよ。証拠ないんだから別に」
もともと、この水谷建設の裏金疑惑をつくりあげマスコミにリークして煽り立てていたはずだったが、本題である虚偽記載事件の供述維持にはやるあまり、裏金については「検事が勝手に言ってるだけ」と本音を思わず吐露したということか。
つまるところ、水谷建設の件は小沢側のイメージを悪くする手段として使われてきたにすぎないのだろう。
◇◇◇
この国の政治状況をゆがめた東京地検特捜部による小沢弾圧の実態が、裁判を通じて白日のもとにさらされつつある。特捜部の片棒を担いで小沢バッシングを続けてきたマスメディア各社は、「小沢無罪」を想定し、少しずつ軌道修正をはかり始めた気配がある。
たとえば、7月4日の日経新聞一面コラム「春秋」は、「小沢一郎氏の元秘書らを調べた検事たちは入門からやり直すしかあるまい。…裁判所も腹に据えかねたとみえる」と書いた。
過去の記事や放送への反省や謝罪をせずに、いつの間にか責任をどこかに転嫁して自らを正当化するのがメディアの常套手段である。
新 恭 (ツイッターアカウント:aratakyo)
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