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“ストレステスト実施”でも内閣支持率は16% 菅首相よ、それでも不毛な延命に努めるのか
http://diamond.jp/articles/-/13136
2011年7月14日 田中秀征 政権ウォッチ :ダイヤモンド・オンライン
■“安全宣言”を打ち消すためにストレステストを持ち出す菅首相のあざとさ
菅直人政権は、7月6日、すべての原発を対象にストレステスト(耐性試験)を実施すると発表した。
既に、定期検査中の原発に対して“安全宣言”を発していたから、これは重大な方針転換である。
首相は、海江田万里経産相が6月18日に、停止中の原発の再稼動を要請したことに対して、翌19日のネット対談で「私もまったく同じ考えだ」と明言していた。
首相と経産相の間でどんな協議が行われたか明らかではないが、再稼動要請は間違いなく首相の意向だろう。
だが、首相は“脱原発”を掲げて延命を企てようとしているので、“安全宣言”や“再稼動宣言”では、海江田氏や経産省を前面に立てて自分は逃げようとする。
ネット対話についても「再稼動を明確に支持してしまい、本人は翌日へこんでいた」と首相周辺が証言している(6月25日朝日新聞)。
首相がこれを打ち消すために飛びついたのが、ストレステストの実施であろう。
ストレステストの実施に反対する人は少ない。それを見込んで唐突に持ち出すところがあざといのである。
もっと早く、事故調査・検証委員会を立ち上げ、その活動報告を得ながら新しい安全基準を策定、そしてそれに沿ってストレステストを実施すればよかったのではないか。首相はなぜ「浜岡は特別」としたのか。なぜ“安全宣言”や“再稼動要請”をしたのか。はしごをはずされた海江田大臣の心境は察して余りある。
そして政府は11日、ストレステストに対する統一見解を発表したが、なぜ最初からそうしなかったのか。
■鳩山内閣支持率21%さえ下回る状況に信頼なきまま延命する首相は存在してよいのか
このところ経産省は、安全・保安院への不信感、インサイダー取引事件、九電のやらせメール事件などで窮地に立っている。
首相にとって、これは絶好の“抵抗勢力”と言える。世論と一緒に徹底的に経産省と対決するつもりか。岡田克也幹事長は経産省出身。最近首相と距離を置いている幹事長の立場も当然計算に入れているだろう。
“脱原発”は既に抗しがたい流れになっている。菅首相ではなくても当然その方向に進む。むしろ、不純な動機と疑われる菅首相では進捗が遅くなり、不必要に世論を分裂させる恐れがある。
菅首相は1日も早く退陣し、一兵卒として“脱原発”が実現するように援護すればよいではないか。世論にも周辺にも信頼されなくなって延命した指導者なぞ歴史上に存在しないのだ。
案の定、11日になって複数の世論調査結果が発表された。NHK、日テレ、フジ、いずれも内閣支持率は16%そこそこだ。前回に比べてNHKも9ポイント急落している。また、12日発表の朝日新聞の調査では15%で、脱原発賛成派(77%)においても支持率は15%だった。
もう世論は不満や不信の域を越えて、怒りの段階に達している。首相がどんなに正しく立派なことを言っても耳を貸さないのである。
NHK調査では、鳩山由紀夫内閣の支持率は21%が最低であった。それをはるかに下回っている。
菅首相よ、それでも不毛な延命に努めるのか。
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