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閣内亀裂の修復は困難 「恥の文化に反する」って誰のこと?
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110708/plc11070822590022-n1.htm
2011.7.8 22:53 産経新聞
菅直人首相がすべての原発でのストレステスト(耐性検査)実施を唐突に打ち出したことにより、政権内の不協和音はついに内閣に及んだ。首相は閣僚に陳謝することで事態収拾を図ろうとしたが、幾重にも広がる亀裂はもはや修復しようがない。
「私の指示の遅れ、不十分さに責任を感じている。おわび申しあげたい」
ストレステストをめぐる混乱を受け、首相は8日の閣僚懇談会でこう陳謝した。このまま海江田万里経済産業相に責任を転嫁していては事態は悪化するばかりだと考えたようだ。
ところが、海江田氏が九州電力玄海原発再稼働について法に基づいた手続きを進めてきたことを説明すると、いきなり気色ばんだ。
「法律以上の手続きも必要なんだ!」
海江田氏は「もはや打つ手なし」と思ったのか。閣議後の記者会見ではストレステストについて苦し紛れの例えを披露した。
「安全宣言を出したのは大学入学のようなものだ。入学したけど遊んでいていいわけでないからテストもするということだ…」
多くの閣僚は海江田氏の肩を持った。大畠章宏国土交通相は「いったん断を下してから方針を変えるのは混乱を招く」、玄葉光一郎国家戦略担当相は「経済産業省と官邸が早い段階でもっと意思疎通をしておくべきだった」と暗に首相を批判。首相の後見人である江田五月法相も「迷走気味という印象を与えてしまった」とこぼした。
枝野幸男官房長官が混乱収拾に向けて動き出したが、心情的なもつれを解消するほどの手腕はない。8日午前の記者会見で、海江田氏と細野豪志原発事故担当相の3人で政府の統一見解を8日中にまとめる考えを表明したにもかかわらず、午後には「発表は相当慎重にしたい」とトーンダウンしてしまった。
自ら混乱を招きながら首相に反省の色はない。8日午後に行われた衆院本会議で質疑に立った首相は、憂さを晴らすかのように野党に矛先を向けた。
「原発事故は現政権にも大きな責任はあるが、長年原子力政策を進めてきた中心的な政党は自民党です。長年与党であった公明党にも責任の一端はある。他人にすべての失政を押しつけて、その責任を免れようとすることこそ『恥の文化』に反する行動です」
「恥の文化」にもっとも反しているのは一体誰なのか。議場に失笑が起きた。
(今堀守通)
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