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暴君菅に「やってられない」…海江田辞意の全真相
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110708/plt1107081622003-n1.htm
2011.07.08 夕刊フジ
★鈴木哲夫の永田町核心リポート
菅直人首相(64)が、官邸居座りの「脱原発」カードを温存するためか、原発問題をもてあそんでいる。地元自治体と合意寸前だった九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働にストップをかけるように、突然、安全検査「ストレステスト」を打ち出したのだ。堪忍袋の緒が切れた海江田万里経産相(62)は辞任を示唆。何もできない細野豪志原発事故担当相(39)。批判の高まりを受け、菅首相は8日、「私の指示の遅れ、不十分さがあった。おわびする」と語ったが、口先だけで撤回する気はない。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が「原発トロイカ崩壊」の全内幕に迫った。
原発問題をめぐって、菅首相と海江田氏の発言は常に食い違いを見せていたが、ついに海江田氏は7日の参議院予算委員会で辞任を示唆する発言をするに至った。その背景には、長きにわたる確執があった。
6月30日、佐賀県から帰京した海江田氏は、その足で首相官邸に向かった。玄海原発の再開について、佐賀県の古川康知事と膝詰め交渉を終え、その内容をいち早く菅首相に報告するためだ。
海江田氏は、再開に比較的理解を示している現地の状況を報告した。
「向こうも地元の住民を納得させる最後の決め手がほしいんです。知事は私ではなく『総理に来てもらって説明してほしい』と言ってます。ですから、ぜひ…」
ところが、これを遮るように菅首相は信じられない暴言を吐いた。
「うまくやってくれと言っただろう! 俺は知らない」
海江田氏はついにキレた。それまで、たまりにたまっていた菅首相への不満が一気に爆発した。
「そうですか。では、勝手にやります」
その後、経産省にもどった海江田氏は「もう俺は辞めたい。我慢ならない。やってられない。(菅首相は)ひどい!」と経産省幹部や政務3役らに怒りをブチまけた。
いま日本が抱える喫緊で最大の政治課題は、やはり原発問題だ。国家経営の基軸である「電力供給」への不安は、国民生活や日本経済に暗く、深刻な影を落している。
だからこそ、分厚い態勢で事にあたっていたはず。トップの菅首相、本来担当である海江田経産相、そして、わざわざ新設した細野原発担当相…。だが、この3人は連携も信頼感もゼロ。むしろ怨念にも近い感情に支配され、原発問題解決など絶望的なのだ。
菅首相にとって、原発問題はただの「政権延命のために使える道具」でしかない。相変わらず、おいしいところは自分がしゃしゃり出て、面倒なところは知らん顔だ。
「すべては中部電力浜岡原発の停止要請から始まった」
経産省幹部はこう話す。本リポート(5月26日発行)でも取り上げた5月初旬の浜岡原発停止は、海江田氏が中部電力などに根回しをしながら水面下で進めてきた。にもかかわらず、菅首相は「あとは俺がやる」といきなり記者会見した。例によって、おいしいところを取ったものの、会見の中身は科学的根拠も法律論もメチャクチャ。「結局、その後の中部電力や地元自治体の反発などは全部、海江田さんが引き取った」(同幹部)のである。
実は、その後も同じような不信感を重ねる出来事が続いていた。
6月18日、海江田氏は全国の原発について安全性が確認されたとして、自治体に再稼働協力を求める会見を行った。ところが…。
「菅首相は『脱原発』を旗印にしているのに、一方で、現存する原発には再稼働を呼び掛ける。これは明らかに矛盾していて、菅首相は自分が会見するのをイヤがった。そこで、『これは海江田さんのほうでやってくれ』という指示が下りてきた。海江田さんは『いいところは自分。イヤなところは今度はこっちが会見かよ』と不快感をあらわにしていたが、逃げるわけにもいかなかった」(海江田氏に近い民主党議員)
海江田氏はこのころから、「官邸に行くのはイヤだ。菅首相には会いたくない」ともらし始めたという。
さらに、マインドが下がり始めたのは今月に入ってから。
別の経産省幹部によると、海江田氏はこんな会話をしたという。
「海江田大臣は『そもそも、経産省が原発問題を同時に抱えるのは無理なんだ。何とかしたいけど、どうせ、この政権は続かないから私の任期中に組織を変える時間なんかない』と話していた。同情して『そんなことをおっしゃらないでくださいよ』と言ったら、大臣は『民主党政権自体だってもう末期だな。自民党に委ねるしかないんだろうか』とまで言っていた」
一方、手柄を独り占めする菅首相にも、それなりの言い分があるらしい。首相を持ち上げるだけの茶坊主の若手側近は言う。
「事故発生以来、菅首相は東京電力や経産省を信じていない。既成の原子力村にメスを入れようとしているんだ。官邸主導、政治主導で原発問題を解決しようとしている」
だが、そんな言い訳はお笑い草だ。
菅首相は、当時補佐官で東電担当だった細野氏に対しては、報告のたびにロクに話も聞かず、「お前は東電に取り込まれたのか! 東電のまわし者だろう」と怒鳴りつけ、海江田氏に対しても、「あとはうまくやってくれ」と丸投げする。これが官邸主導や政治主導であるはずはない。単に「疑心暗鬼や、おいしいとこ取りの性格」(民主党議員)でしかない。
その結果、対応はチグハグになり混乱をきたす。原発問題、電力供給も政治利用しようとする醜悪さ。すべてはガバナンス、菅首相の責任だ。
こうした状況が続くと、官僚が再び原発の行方を握るという、ゆゆしき流れにもつながりかねない。
経産省の原発担当者はこう本音を話す。
「菅首相を相手にしてもしようがない。どうせ、この政権は長くない。海江田さんや細野さんは、もしかすると次(=首相)がある。こういった人たちは取り込んでおいたほうがいい。幸い、菅首相に反感を持っている海江田さんはわれわれを頼ってくるし、右も左も分からない細野さんは何でも事務方に相談してくる。2人とはいい関係ができている。原発政策も今後はわれわれの思うように動いてくれるだろう」
原発と向き合うべき「トロイカの崩壊」は、当然、被災地・福島の対応を遅らせている。それ以上に、再び官僚主導のエネルギー政策に時計を逆戻ししてしまうことになりかねない。
【すずき・てつお】 1958年、福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、東京MXテレビ編集長などを経て、現在、日本BS放送報道局長。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「汚れ役」(講談社)など多数。
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