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◎この国は“実害”をもたらす首相と遭遇した
http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2011-07-08
2011-07-08 07:43 永田町幹竹割り
やっていることが最左派政党の主張そのものでは、政権の崩壊どころか日本経済が崩壊過程に入りかねない。「浜岡停止」に続く「玄海再稼働中止」は、首相・菅直人がかっての社会党のイデオロギー路線に勝るとも劣らぬ教条主義的かつ確信犯的な「脱原発路線」に舵を切ったことを意味する。社民、共産両党は反原発の旗印を掲げているからまだ旗幟(きし)鮮明だが、菅は旗印なしで、なし崩し的にやろうとしているところが悪質だ。戦後初めて、日本は自らの経済に“実害”をもたらす首相と遭遇した。早期に政権を交代させ、菅の政策を全てひっくり返すことに期待をつなぐしかない。
かつて同一選挙区の与謝野薫起用を「不条理」と形容した海江田万里が、経産相辞意を表明した。今回の「不条理」はより大きく深刻だ。閣僚として必死になって積み上げた成果を首相によって根底から否定されたのであり、憤まんが爆発するのは当然だろう。しかし直ちに辞任しないのでは、早晩辞める菅にとっては痛くもかゆくもない。辞めるなら直ちに辞めるべきだ。菅は、「6人組」造反、復興相の辞任、海江田辞意表明と次々に政権が崩壊過程をたどっても、「カエルの面に水」で何の痛痒も感じない。澎湃(ほうはい)としてわき起こる辞任要求を愚かにも「敵との戦い」と位置づけて、かえって闘志をわかせているからだ。2日間にわたる予算委集中審議も野党の追及不足も手伝って、菅の居座りを際立たせるだけに終わった。「広島・長崎の原爆犠牲者の追悼式典については万難を排して出席したい」と次々に日程を追加する菅の耳には被災地、政界、財界、一般国民のうめき声は聞こえていない。
前首相・鳩山由紀夫が「菅政権が長引くと民主党全体だけではなく、日本全体が世界の中でレームダックになってしまう」と“死に体日本”の国難を指摘しているが、鳩山政権も含めて政権の選択を誤るといかに国民自身が途端の苦しみを味わうかの左証である。しかし国民にとって不幸なことは、問題が永田町だけのコップの嵐にとどまらなくなっていることだ。実害が生じているのだ。復旧・復興にしても自治体の長など「現場」への依存度が高く、瓦礫の処理はいまだに遅々として進展しない。震災発生108日目でやっと任命した復興相が、たったの9日間で辞任である。これが被災地の政治不信をいやが上にも高め、被災者を無政府的な心境においてしまっている。
相次ぐ原発停止の経済への打撃も大きい。経団連会長・米倉弘昌が「国民への信頼を裏切るもの」と強い反発を示しているが、今夏の休止原発再稼働は不可能となった。7日の原発立地県の知事会でも菅への不満・批判が噴出した。ストレステストの影響を予測すると、現在停止中の原発35基中13基が夏には稼働出来る見通しだったが、まずこれが不可能となった。残る19基のうち年内に12基が定期検査入りし、よほど早くテストを済ませない限り冬場の電力事情は夏以上に厳しくなる。各地域で今夏の東電管内を上回る大規模な節電が必要になる。このままなら来年4月には54基全てがストップし、夏には東電や関電など6社で電力不足が10%を超える見通しだ。我が国は「首相発の電力危機」に直面し、国全体を覆う不安が消費を冷え込ませ、経済を萎縮させ、産業の空洞化を招き、失業者を増大させるのだ。喜ぶのは中国、韓国などライバルだけだ。
参院議長・西岡武夫が「菅総理大臣は、何かの出来事に反応だけして、『あとは野となれ山となれ』という感じで、日本の産業や国民生活をどうしようとしているのか心配だ」と述べているとおりだ。対抗策は思いつきとパフォーマンス政治に徹する首相を早期に辞めさせることしかない。
新政権が、菅の政策の全てを撤回すれば希望が生ずる。新政権は、既に海江田が「安全宣言」を出しているのだから、ストレステストなどは再稼働の条件とせずに、単なる補完的なチェックと位置づけてしまえばよい。浜岡も菅が条件とした堤防などの工事を急いで再稼働に持ち込む。それには菅の主張する3法案を早く処理することだ。民主、自民両党の有志による超党派議連が7日、第2次 補正予算案、特例公債法案、再生可能エネルギー促進法案の早期成立を決議したが、与野党執行部はメンツにとらわれず妥協するべきだ。菅退陣という「大の虫」を生かすため、妥協という「小の虫」を殺す政治に徹するしかない。
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