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原発耐性テスト:政府対応が混乱 民主党内からも批判続出
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110708k0000m010089000c.html
毎日新聞 2011年7月7日 21時35分
菅直人首相が全原発を対象にストレステスト(耐性試験)を実施する方針を指示し、原発再稼働問題の政府対応が混乱している。九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働に向け、海江田万里経済産業相の動きが本格化した直後の方針転換だけに、民主党内からも「ちぐはぐと言われても仕方がない」(岡田克也幹事長)との批判が続出。はしごを外された海江田氏からは7日、辞任を示唆する発言まで飛び出し、首相の唐突さが退陣圧力を強める結果となっている。
首相は7日の参院予算委員会で「従来の法律なら再開は経産省原子力安全・保安院のチェックで決められるが、福島第1原発事故の後では国民の理解を得るのは難しい」と繰り返した。しかし、野党側は政府内の調整不足を追及。「なぜ突然言うのか」(自民党の片山さつき氏)、「場当たり、ちぐはぐ、連携が悪い」(たちあがれ日本の片山虎之助氏)と批判した。
東京電力福島第1原発事故の長期化を受けて、原発の安全審査体制に対する国民の関心は高まっている。首相は予算委で「国民の皆さんに大変重要なことと考えていて、決して個人的な、別の思惑でやったことではない」と強調。しかし、退陣圧力に抗し続ける首相がにわかに持ち出したことで、与野党に「首相の新たな延命策ではないか」との疑念を招いた。
首相を取り巻く空気は冷ややかだ。枝野幸男官房長官は7日の記者会見で「より安心感を持っていただくプロセスだが、その趣旨が十分伝わってない。むしろ一時的に不安を高めてしまっている側面があり、反省すべき点がある」と述べざるを得なかった。
自民党の谷垣禎一総裁は7日の記者会見で「明らかに閣内不一致。原発を抱える自治体の不安、電力供給への国民の不安と混乱を助長する」と批判。公明党の山口那津男代表も同日の党中央幹事会で「菅政権は思いつきでものを言い過ぎる。『不信バラマキ内閣』と言わざるを得ない」と皮肉った。
民主党内からも首相批判が公然と噴き出した。岡田氏は7日の記者会見で「本来なら3月、4月に議論しておくべきで、今ごろ出てくるのは釈然としない。関係閣僚と意思疎通し、政府方針を明確にしてほしい」と指摘。小沢一郎元代表グループの議員は「首相が海江田氏の後ろから矢を放つ。政権は末期症状だ」と語った。【田中成之、野口武則】
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