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題名:No.960 日本の農業、社会を壊すTPP参加
From : ビル・トッテン
Subject : 日本の農業、社会を壊すTPP参加
Number : OW960
Date : 2011年06月10日
日本の主流メディアがどこまで報道しているかわからないが、日本農業新聞にウィキリークスが暴露したアメリカの公電が紹介された。ニュージーランドのTPP(環太平洋経済連携協定)首席交渉官がアメリカ国務省の担当者に、TPPは日本や韓国などを押しつぶすことが長期的な目標だと語ったというものだ。
(ビル・トッテン)
日本の農業、社会を壊すTPP参加
ニュージーランドとアメリカは、ともにTPP交渉を主導する立場から農地への投資制度や食品の安全性などの基準を統一する「絶対基準」を定めて経済の自由化を推進しようとしている。それは既存の基準や規制の緩和・撤廃につながり、日本の農地までも自由化させるような仕組みなのである。
ウィキリークスが暴露するまでもなく、オバマ大統領は2月に行った経済報告でも、TPPによって貿易障壁を取り除き、アジアの市場を開放することでアメリカの輸出拡大を目指すと明確に述べた。それはアメリカ企業が日本に参入しやすくすることであり、アメリカの思惑通りの基準を日本が受け入れれば、農業だけでなく医療市場の開放、そして国民皆保険制度の崩壊へとつながる可能性もある。
そのTPPへの参加判断を先送りしていた菅首相は、5月末に行われた日米首脳会談で早期に判断することを口約束してきたという。判断、というのは、もちろん参加するということなのであろう。いったいどこまでアメリカの言いなりになれば気がすむというのか。
東日本大震災で日本の第一次産業は大きな被害を受けた。東北地方に米や野菜、魚などの食料を依存してきた首都圏は、これからは電力不足だけでなく、食料不足にも見舞われることは間違いない。日本国内で流通する食品の約2割くらいが食品廃棄物として捨てられているという記事を読んだことがあるが、これからはそのような無駄ができなくなり、また飽食から、日本の国は一転して少食の国にならざるを得ないのは決して悪いことではないかもしれない。だがそうなった時、真っ先に影響を受けるのは常に弱者や貧しい人々であることを考えると、政府は早急に対策を講じるべきである。
TPPへの参加は、日本の農家をアメリカ政府から多額の補助金を受けているアメリカの大型農業と競争させることである。それによって利益を得るのは一部の多国籍企業や富裕層だけであり、被災を受けずに生き残っている日本の農家すらもそれによって壊滅し、日本の国家安全保障の弱体化につながることは目に見えている。
TPPとは海外の企業や外国人投資家が日本で自由に振舞えるようにすることであり、日本国民の健康や幸福を守るためにある規制をひとつずつ取り除いていくという協定である。原発事故の収拾がつかない混乱の中で、日本政府は国民に幅広く告知することなく、日本でも遺伝子組み換え大豆の栽培を容認する方向へ動きだした。それはあたかもTPP参加のための準備のようでもある。
http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1195734_629.html
題名:No.962 日本が後追いするアメリカの実態
From : ビル・トッテン
Subject : 日本が後追いするアメリカの実態
Number : OW962
Date : 2011年06月24日
去る5月に発表されたアメリカの雇用統計によると、アメリカの失業率は9.1%と2カ月連続で悪化傾向にあったが、経済成長という意味ではカナダ以外のG7諸国と比べると高いGDP成長率を記録した。
(ビル・トッテン)
日本が後追いするアメリカの実態
2007年にサブプライムローン住宅危機が起きる前まで、アメリカは先進国の中でも低い失業率を自慢していた。危機のあと、経済も雇用も底を打ったとされたが、実際上向きに転じたのは経済だけだった。これにはいくつかの理由が考えられる。
一つは景気回復、つまりアメリカ企業の収益の増加は、労働者あたりのコストを下げることでもたらされた。景気が悪化すると需要が減り、企業の利益も減少する。そのため、経営者は従業員のレイオフや賃金削減によってあたかも業績が回復したかのようにみせることができる。それが一般労働者の生活水準を下げる結果になることは気づいていても、アメリカ企業の取締役会の重要な議題は役員報酬や株主配当を増やすことであって、国民生活の向上ではない。
もう一つはオバマ政権には具体的に職を作り出す雇用計画がない。大恐慌のあとルーズベルト大統領はニューディール政策として公共事業促進局などを作り、政府が直接失業者の大量雇用を行った。金融危機以降、オバマ政権はウォール街に対しては不良資産救済プログラムなどいくつもの直接的な救済策を提供したが、失業者への直接的な対策は何もしなかった。
これに加えて、アメリカの失業悪化を促進したのはそれ以前に行われた労働市場の規制緩和であろう。労働組合を骨抜きにし、労働者を守るための法律を改悪したことだ。労働組合はもともと経営者が不当な解雇を行えないようにする、労働者を守るためのセーフティーネットであった。それが取り払われた今、アメリカは世界でも最も解雇のしやすい国の一つとなったのである。
さらに正社員ではなく契約社員や派遣社員といった、企業側にとっては安く使い捨てのできる仕事が急増した。こうして人件費を削減し、いつでも解雇をできる柔軟な経営のおかげで収益と競争力を高めてきた。
サブプライム危機以降のアメリカ経済の景気回復の実態は、受益者は経営者と株主で、高い失業率という形で労働者を犠牲にしたものだった。大恐慌が世界を襲った時代、日本では松下幸之助が、生産は半減させるが従業員は解雇してはならない、工場は半日勤務にし、あとの時間は在庫の販売に全力を傾注するなどの施策をとって1年以内に売り上げを従来の水準に戻したというが、まさにその逆だ。
日本の昨年の25〜29歳の失業率は7.1%、20〜24歳は9.1%と、若者の失業率は過去最悪の水準となった。それでも日本経団連会長は、人材の移動が自由化されるTPP(環太平洋連携協定)への参加を促す理由の一つとして、外国からの移住者を奨励すべきだと言ったという。日本の労働者を、さらに安い賃金で働く外国人労働者と競わせようというのだろう。それで日本がますますアメリカのように貧富の格差の大きな社会になっていくことだけは間違いない。
http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1195787_629.html
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