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「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報」2011年7月7日『理系政治家・菅直人の「ウィークエンド・スペシャル」と「オペレーションズ・リサーチ延命術」』を下記に転載投稿します。関連写真は上記URLで。
=転載開始=
(*写真)
アルルの男・ヒロシです。菅直人首相が、国内の原発に対する「安全検査」(ストレステスト)の実施を決めました。海江田万里経済産業大臣もこれに従う方向だ。
「ストレステスト」とは、ある一定の想定で自然災害などが原子力発電所に発生したとして、その原子炉の緊急停止、緊急冷却の機能がきちんと働くかという「データ上の実験」の事をいう。もともとストレス耐性テストというべきなのだが、欧米で金融機関がリーマンショックなどの予期せぬ事態に見舞われたときにそれに個別金融機関・金融システムが耐えうるかという実験をやったことを「ストレステスト」というので、原発の場合にもその名称が使われているわけだ。
金融版ストレステストの場合、ショックに対応していなかった金融機関は増資(資本金の増強、普通株の発行などで行う)を検査当局から要求されている。ストレステストはネットワーク波及効果が高い金融網にたいして実施されたが、同様に送電網で結ばれる電力供給にも使われうるものである。同様に鉄道網、通信電話網などにも応用が可能だ。
日経新聞では次のように解説されている。
(引用開始)
◎ストレステスト
▽…設備やシステムに大きな負荷を加え安全性や健全性が保たれるかどうかを調べるリスク管理手法。機械やIT(情報技術)、金融などの分野で使われる。リーマン・ショック後に、米政府が大手銀行の財務を分析した際にも実施した。
▽…原子力発電所の場合、通常の安全検査では想定される大地震などに耐えられるかを調べるのに対し、ストレステストは、揺れなどの負荷を上げていった時、どの時点で機能が損なわれるかを測定する。東京電力福島第1原発事故後に欧州連合(EU)が実施を決定。6月の国際原子力機関(IAEA)閣僚会合でも、各国が実施することでまとまった。
(引用終わり)
要するに、菅直人は海江田にこのストレステストを実施させることで、今問題になっている九州・佐賀県の玄海原発2号機、3号機の再稼働の判断を先送りしたことになる。原発は従来の06年の安全基準に加えて、今回あたらしく行われる「ストレステスト」によって、さらなる厳重な耐震設計、津波に対応する設計を求められることになった。
面白いのは、海江田ではなく原発担当大臣の細野豪志がこのテストの所管大臣になるという点だ。日経の記事から引用する。
(引用開始)
驚いた海江田氏は「原発を止めたら、今後の電力供給はどうなるのですか」と詰め寄った。5月6日に中部電力浜岡原子力発電所に運転停止を要請したときも、首相は全国の他の原発は再稼働させる前提だったからだ。
首相は「再稼働で原子力安全委員会の意見は聞いたのか」と他の論点を持ち出した。「聞いていません。安全委に諮るのは新規稼働だけです」と答えた海江田氏を、首相は「法律はそうでも、国民は納得しない」と押し返した。
安全委は経産省ではなく、首相が腹心と頼む細野原発相が所管する。再稼働の時期は首相の判断で事実上、自由に先送りできることにもなる。6日の予算委で質問が出れば、こうした方針を答弁するとも海江田氏に通告した。
日本経済新聞(2011年7月7日付)
(引用終わり)
(*写真)
海江田大臣は「電事連」の影響を受け過ぎている。その意味で細野大臣がIAEAと協議しながら、このストレステストを行うのはいいだろう。IAEAにとっては世界の原発ビジネスが新しく発展することが重要なのであって、原発ビジネスが斜陽産業となり、廃炉ビジネスが盛んになる日本にはできれば、福島第一の事故のような醜態は起こしてほしくないだろう。
場合によっては、菅はストレステストを口実に「脱原発」をゆっくりと進める気かも知れない。その意味で、いかなる「制度設計」でこのストレステストを行うかが重要になる。経産省のお手盛りのストレステストであってはらならない。欧米の学者にも入ってもらい、検討委員会を設立し、委員の人選には公正かつ中立性を保ってほしい。
ストレステストが、単なる儀式として行われるのではダメで、厳密に迫り来る「東海地震・東南海地震・南海地震」の三連動地震にも耐えうるかどうかの基準でやってもらわなければ困る。震度7にも耐えうる設計を100点満点の理想とし、それ以外は減点方式でやらなければならない。震度6弱で耐えられないと判断された原発はできるだけ早く耐震強化を行うか、でなければ運転停止、燃料棒取り出しを行い、隣接地域に火力発電所や風力・地熱・太陽光など自然エネルギー発電所を建設するというふうにしてもらいたい。
今、自然エネルギーの普及が話題になっているが、問題なのは一体どの程度のコストが掛かるか、もっと具体的に言えば、「一年間でどれだけの電気代が値上になるのか」ということである。原発をやめるコストが政府で試算されていない。私はしっかりとした脱原発・代わりの発電所建設が行われるのであれば、一年間の電気代の値上げが単身世帯で最大10000円までは許容範囲だとは考えている。
それはそうと、菅直人の政権延命術は大したものである。菅は政権が危機になると、何かパブリック・リレーションズ(広報宣伝)の策を打つ。今回も原発ストレステストを実施すると発表することで、佐賀県内と経産省でまとまっていた、「玄海原発再稼働」の動きを封じた。松本龍の失言がこれで吹っ飛んでしまった。
菅は当初、「自然エネルギー法案」「第二次補正予算」「赤字公債法案」の3つの成立を三条件に辞任を民主党執行部に約束していた。ところが二次補正が通ると見込みが経つと、またノッチをあげて、「原発の安全性確認」を自分の仕事に加えた。菅はもともとは心情的な反原発派である。ただ、権力者としては現実に妥協を重ねてきたし、一時は原発推進の旗も振った。いうなれば平均的な戦後日本人の原発に対する考え方を踏襲している。
今回も菅直人の「ウィークエンドスペシャル」が出た。しかも、今回は九電が玄海原発の再開にむけて行った「地元住民」に対するヒアリングを行う経産省主催の「討論番組」で「一般市民を装って運転再開を支持する意見を寄せるように」と「やらせ」を促すメールを関係各社におくっていたことが暴露された。似たような事例は裁判員のPRの際にも行われており、最高裁と広告代理店の電通は批判を浴びたことがある。(http://blog.goo.ne.jp/taraoaks624/e/a7c95a26ed94b972287fa8684c3afb41)
ネット上ではこの九電のヒアリングには参加者の選定などに不審な点があると指摘があったが、こんどは「ヤラセメール」の存在が明るみに出た。これで玄海原発の再稼働は無理だし、他の原発の再稼働のPRも相当に難しくなった。
菅直人は一見、追い詰められているように見えて、実は今は敵がいない状態である。菅を辞任させるには、民主党の党規約を変更して、両院議員総会などで代表解任をできるようにする必要もある。それでも総理と代表は違うと居直るかも知れない。
菅政権に対しては、一度内閣不信任が出されて否決されている。一国会で一不信任というのは慣例だが、そもそも自民党に政権を担える指導者が今いない。政治の継続性から言っても当分は菅政権継続だろう。
政治家の最大の合理性は、立法府の議員にとっては、「選挙に勝ち、当選回数を重ねること」であるが、内閣に居る議員にとっては、「政権の延命」である。自分の政治目標も延命なしには実現できないし、ライバルが自分の寝首をかこうとしている時には、不安が常に付きまとうものである。
菅直人は、小沢一郎、鳩山由紀夫、前原誠司といった主要なライバルをけり落とし、今、政権の後見人であった仙谷由人の言うことも聞かなくなっている。ライバルが居なくなってようやく自分の政策(菅の場合は「自然エネルギー法案」)を実現できる。これは冷酷な政治闘争の現実だ。
いま、菅直人が実践しているのは、鳩山由紀夫の得意とする「オペレーションズ・リサーチ」(多変数解析、様々な変数を組み合わせ最適解を導き出す管理手法)である。鳩山前総理はORの博士号は持っていたが、普天間問題も自身の政権延命にも失敗した。その意味では実践家としては失格だった。これに、菅直人は、なぜか今のところ成功している。
その意味で菅直人は「クライマーズ・ハイ」のような状態だ。しかし、どこかで雪崩が起きれば、彼とて滑落死するだろう。
政権交代からもうすぐ2年。やはりもう少し民主党政権で続けるべきだろう。
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首相の居直り鮮明 「辞めると言ってない」「刀折れ、矢尽きるまで」
日本経済新聞 2011年7月7日
菅直人首相は6日の衆院予算委員会で、続投意欲を隠さなかった。松本龍前復興担当相辞任の任命責任を認めながらも即時退陣を否定。本格復興に向けた2011年度第3次補正予算の編成に意欲的ととれる答弁もした。2次補正予算案など3案件が成立すれば本当に退陣するのか。徐々にハードルを上げてきた首相に対し、与野党議員に疑念が募っている。
「任命責任は私にある」。首相は松本氏辞任から一夜明けて初めて謝罪した。総務政務官に参院自民党の浜田和幸氏を一本釣りしたこともわびた。が、平身低頭はそこまでで「評価は政治家本人と有権者の判断に委ねる」と自信をのぞかせた。
首相が繰り返す「震災対応に一定のメド」に疑問を投げかけた自民党の石破茂政調会長に、首相は11年度第2次補正予算案、赤字国債発行法案、再生エネルギー特別措置法案の3案件の成立だと改めて説明。しかし「私自身は『辞める』『退陣』という言葉を使ったことはない」と付け加え、退陣の条件だとは明確にしなかった。
石破氏は質疑後「続投の意欲満々という感じがするのは私だけか」と語った。
3次補正に関して、首相と岡田克也幹事長は「新しい体制の下で対応する」方針で一致している。公明党の高木美智代氏が「新しい体制」の意味をただすと、首相は「新しい一つの政権の枠組みだ」と答弁。必ずしも退陣を前提としていないとの解釈を示した。
この日も首相の居直りが鮮明になった。「満身創痍(そうい)、刀折れ、矢尽きるまで、私の力の及ぶ限りやるべきことをやっていきたい」。首相は6日の衆院予算委をこう締めくくった。
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原発、今夏の再稼働困難 首相一転、安全宣言を撤回
玄海再稼働 佐賀知事、態度を硬化
日本経済新聞 2011年7月7日
定期検査で停止中の原子力発電所の今夏の運転再開が難しくなってきた。政府が6日、全原発を対象に事故・災害への耐久性を調べるストレステスト(耐性調査)を実施する方針を打ち出したのに対し、佐賀県など原発立地自治体が態度を硬化させている。中部電力浜岡原発以外の原発の安全性を確認したとしていた従来方針を菅直人首相が翻したためで、電力需給の先行きに不透明感が強まる
菅首相は6日の衆院予算委員会で、運転停止中の九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の再稼働について「国民が納得できるルールの下で検証していくことが必要だ」と発言。ストレステストの実施を細野豪志原発事故担当相、海江田万里経済産業相に指示したことを明らかにした。
だが、海江田氏は6月29日に佐賀県の古川康知事を訪ね、「再稼働して構わない。国が責任を持つ。首相にもご理解いただいている」と要請していた。再稼働についての新ルールを求める首相の指示は経産相の行動を否定するものだ。
経産相が全国原発の「安全宣言」をした翌日の6月19日、首相は官邸で開いた自然エネルギーに関する「オープン対話」の席上で、原発再稼働を巡って海江田氏と「同じ思いだ」と述べていた。
首相の翻意を受け、玄海原発の再開容認に動いていた佐賀県は態度を硬化させた。古川知事は6日、これまで7月中旬としてきた再開の是非の判断時期が「全く飛んだ」と発言。7日に首相官邸に枝野幸男官房長官を訪ね、首相の真意を確認する考え。停止中の原発を抱える他の自治体の判断にも影響を与えそうだ。
ストレステストの内容はまだ固まっていない上、実施に何か月もかかる可能性もある。
全国の原発の稼働が遅れれば、夏の電力供給は厳しさを増す。九州電力は火力発電の稼働率を上げる一方、顧客への節電要請を迫られる見通し。玄海原発が再稼働しない場合、ピーク需要に対する供給余力は1.6%と安定供給の目安とされる8%を大きく下回る。
昨年のような猛暑になれば、電力制限令を発動した東京電力と東北電力に加え、関西電力など合計5社が同様の状況になる。余力が8%を上回るのは北海道電力と中国電力だけだ。
原発は全電力の供給量の約3割を占める。原発が再稼働せず、新たに定期検査で停止する原発だけが増えると、暖房需要が増す冬の需給は一段と厳しくなる。現在稼働中の原発の出力は合計で、1758万キロワットに上る。
北陸電力では現在停止中の原発が再稼働しないと、冬場に20%程度電力供給が不足する可能性がある。四国電力では約15%の供給不足が起きる見込み。各地域で今夏の東電管内を上回る節電が必要になる。来年夏も東電や関電など6社で電力不足が10%を超える見通し。関西電力の幹部は6日、国による電力の使用制限令について「供給不足が広がればあり得る」と述べた。計画停電についても「一つの可能性として考えたい」とした。
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全原発、災害の耐性調査 経産相表明 再稼働判断に影響も
日本経済新聞 2011年7月6日 夕刊
海江田万里経済産業相は6日朝、原発が自然災害など最悪の事態に耐えられるかを調べるストレステスト(耐性調査)を全国で実施すると表明した。経産省は耐性調査自体は原発再稼働の条件にはならないとしている。ただ、地元自治体の受け止め次第では、運転停止中の九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働問題などの判断に影響を与える可能性もある。
海江田経産相は記者団に、「安全性はすでに確保しているが、地元住民のより一層の安心を得るためにストレステストを実施する」と述べた。稼働中も含めた全原発が対象で、玄海原発など再稼働待ち状態の原発を優先する。
ストレステストは安全基準に対し設備の余裕がどれだけあるかを調べ、地元自治体や住民に情報提供する。テストにかかる期間や方法、項目などは不明。保安院と原子力安全委員会が共同で詳細を決める。
国際原子力機関(IAEA)は6月に加盟国の全原発ストレステスト実施で合意。欧州連合(EU)も自然災害時の耐久性能を点検する計画を作っており、海江田経産相は「IAEAやEUの知見も参考にする」と述べた。
EUは地震や津波などで冷却機能が損なわれる、燃料棒の格納容器が壊れるなど3ケースを想定した対策がとられているかなどを調べる。各国が最終報告をまとめるのに7カ月かかる見通しだ。
玄海原発の再稼働を巡っては、古川康佐賀県知事が最終判断の時期を7月中旬が一つの節目としてきた。
東京電力福島第1原発の事故後に経産省原子力安全・保安院は、地震や津波に備える緊急安全対策や炉心損傷などの過酷な事故を想定した対策を指示。電力各社が実施したと確認している。
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クローズアップ2011:全原発耐性テスト 再稼働、突然「待った」
◇首相「安全委に聞いたのか」 経産相「今さら何言っている」
政府は6日、全原発を対象に新たに安全性を点検するストレステスト(耐性試験)を行うと発表したが、経済産業省原子力安全・保安院は6月、定期検査中の原発は「安全」と宣言したばかり。方針変更の背景には、原発再稼働を急ごうとした海江田万里経産相に対し、脱原発に傾く菅直人首相が待ったをかけたことがある。政府の迷走は立地自治体や国民の不信を高める。九州電力玄海原発(佐賀県)などの再稼働が遅れるのは必至で、夏場の電力不足懸念が一段と強まりそうだ。
「原子力安全委員会に聞いたのか」。6月29日に玄海原発の地元に再稼働を要請した海江田氏を待っていたのは、首相の厳しい言葉だった。安全委員会の了解を取っていないことをなじる首相に対し、海江田氏は「安全委員会を通すという法律になっていない」と反論。首相は「それで国民が納得するのか」と再稼働に反対する姿勢を鮮明にした。
しかし、海江田氏が6月18日に行った安全宣言に首相は「私も全く同じ」と同調していた。突然、はしごを外された海江田氏は鳩山由紀夫前首相らに「首相の独走」を報告。「もう頭に来た。今さら何を言っているんだ」と怒りをぶちまけた。
首相が中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の停止要請を発表したのは5月6日。その時点で「ほかの原発は別」というのが政府内の共通認識で、経産省は夏の電力不足を回避しようと立地自治体が最も理解を示している玄海原発の再稼働に照準を合わせ、説得に動いた。
海江田氏の要請を受け玄海町は7月4日、九州電力に再稼働への同意を伝えた。「古川康知事が要望する首相との会談が実現すれば再稼働できる可能性が高い」(経産省幹部)状況までこぎつけたところで、ブレーキをかけられた。脱原発を続投の原動力にしている首相が、自ら再稼働要請する場面を作りたくなかったとの見方もある。
現行制度は経産省原子力安全・保安院の検査で再稼働の是非を判断する仕組みになっている。だが、首相は「(東京電力福島第1原発事故で)一番失敗した役所が自分で作った基準で『はい、安全です』なんて通用するわけないだろう」と周辺に語り、安全委員会を所管することになった細野豪志原発事故担当相をストレステストに関与させることにした。首相は6日の衆院予算委で、海江田氏の安全宣言を事前に了解していたかを聞かれ「本人に聞いて」と否定。海江田氏も「事前にということはない」、安全委員会の班目春樹委員長も「事前に見ていない」と述べ、経産省の独断を印象づけるやりとりとなった。
ストレステストについて首相周辺は「動かすための基準か、将来的に止めるための基準かを考えた方がいい」と再稼働ありきの経産省をけん制。「首相は脱原発を掲げて8月に衆院解散・総選挙に踏み切るのではないか」との臆測も広がる。【田中成之、野原大輔】
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玄海原発説明会で九電が「やらせメール」
社員らに依頼 再開容認市民装う
日本経済新聞2011年7月7日
九電の真部利応社長が6日、福岡市で開いた記者会見で明らかにした。玄海原発の再稼働問題の当事者に当たる九電側が意図的に偏った意見を主催者側に寄せ、説明会の公平性を損ねたことに批判が集まるのは必至だ。
真部社長は会見で「(説明会の)信頼性を損なう形となり、心からおわび申し上げる」と謝罪した。自身の関与は否定。その上で「責任は私にある」と述べたが、進退については「どのような責任の取り方があるのかわからない。もう少し考えさせてほしい」と明言を避けた。
真部社長によると、「やらせメール」は九電の原子力発電本部の課長級社員が6月22日、本社の一部と玄海原発などの3事業所、子会社4社の担当者にメールで依頼した。具体的には「説明会の進行を見ながら、再開容認の立場で意見を発信してほしい」といった内容だった。
真部社長は、このメールに基づき、複数のメールが送られたことを認めた。何通送られたかは把握していないという。
依頼した理由については「原子力の安全性や必要性について事業者の立場から意見を出して理解を広めたかったのではないか」との見方を示した。社員が独断で依頼したかについては「誰かから指示があったとも考えられる」として、社員から直接事情を聴くなど調査する考えを明らかにした。
6月26日に佐賀市で開いた説明会には経産省が選んだ佐賀県内の商工団体幹部や学生、主婦ら7人が参加。説明会は1時間半にわたり、ケーブルテレビやインターネットで中継された。同省は参加者を7人に限定したことなどから、メールやファクスで意見や質問を受け付けた。
九電による「やらせメール」を巡っては、菅直人首相が6日午後の衆院予算委員会で「やらせ的なことがあったとすれば大変けしからんことだ」と批判。海江田万里経済産業相は「説明番組の趣旨を根本から損なう言語道断の行為である」とコメント。経産省は九電に厳重注意するとともに、再発防止策を報告するよう指示した。
佐賀県の古川康知事は6日夜のNHK番組で「気持ちとしてわからないわけではない部分もあるが、やり過ぎだった。率直に反省が必要だ」と述べた。
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<参考>
中川秀直ブログ
2011-07-07 07:27:00
「現実主義者の菅の中では、脱原発も原発推進も時々の「最適解」に過ぎず、矛盾しない」(読売新聞)
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10945877742.html
=転載終了=
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- 九電、副社長らメールに関与 会長帰国、社長進退協議へ (東京新聞) 五月晴郎 2011/7/08 13:54:57
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