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会社で重要な来客を玄関まで出迎えるか、先に応接室に通してから顔を出すかの判断は結構難しい。こんなことはビジネスマナーの本など読んでも書いていないが、基本的には、特に玄関まで出迎えなくても失礼には当たらないと思う。私の場合、相手の役職や取引上の力関係、それに用件の中身や同行者が誰かなどから判断したが、中には妙にそういうことにこだわる人がいるので、それを見極めることも必要だった。
その「妙にこだわるタイプ」らしい松本復興相の今回の暴言問題だが、村井宮城県知事は取引先の幹部が来たと思って対応しているのに、大臣の方は子会社に乗り込んだ親会社の重役のつもりだったように見える。その後、村井知事は「政府と自治体は主従関係ではなく対等」という意味の発言をしており、その通りなのだが、それなら、いきなりこちらから握手を求めたのはマナー的にちょっとおかしい。しかも、知事は大臣より9歳年下である。
妻は、日頃偉そうにしている松本大臣を、村井知事がテレビの前でわざと怒らせたと言うのだが、私の見方は少し違う。当日はテレビカメラも入っており、被災者の視線を背中に感じている村井知事が、映像的に卑屈に見えかねない出迎えをせず、部屋で待つこともしなかったのだと思う。そして、「やあ、やあ」という感じで、こちらから握手を求めた。それまで「俺を誰だと思っているんだ!」と怒りが募っていた松本大臣はそこでキレてしまった。
政治家の序列としては宮城県知事より国務大臣のほうが少し上なのかもしれないが、だから主従関係にあるということではまったく無い。だから、今回の松本大臣の態度と発言は、大手企業の役員が中堅企業の社長に偉そうに訓示をしているような感じでとても滑稽だ。大臣になってからは送り迎えは護衛つきの専用車だし、周りから「大臣、大臣」と呼ばれる。会議などでは自分が部屋に入ると全員が待っていて、すべての準備が整っている。
今回のような公務ともなればパトカーの先導で県庁に乗りつける。いい気分だ。ところが知事は玄関に出迎えていない。部屋に通されてみれば全員が起立して迎えるはずが肝心の知事がまだ部屋に来ておらず、しかも大臣様を待たせる。お前のやりたいことはこのオレがうんと言わなければ出来ないのに、分かっていないな。ここは一つオレの力を見せ付けておくか?先ほどまでは自分中心にすべてが動いていたのに、なんと生意気なやつだろう。
松本大臣に限らず、政権交代後の民主党にはこの手の「俺を誰だと思っているんだ」病が蔓延しているようで、近いところでは、海江田経産相の福島第1原子力発電所への放水作業を担当した消防隊員に「言う通りやらないと処分する」と恫喝した件がある。同じく原発事故に関しては仙谷代表代行の「どういうことだ。俺を誰だと思っているんだ」発言もある。さらに昨年12月には、中井前国家公安委員長の秋篠宮ご夫妻の前での、「早く座れよこっちも座れないじゃないか」という、ぼやき事件もあった。
そして、昨年7月には航空自衛隊入間基地での納涼祭で、松崎哲久衆院議員が「おれをだれだと思っているのか」と車両誘導係の隊員を恫喝し、胸倉をつかむという事件があった。これらは全部同じ根っこから出た出来事なのである。要は「俺様を誰だと思っているのか」という気分がこういう言動をさせる。つまり、今回の事件は起こるべくして起きたことである。
ここまで書いてきたら、ニュース速報で松本大臣が辞表を提出したと報じられた。マスコミが一斉に取り上げ、特にテレビでは映像が何回も流されているので、耐え切れなくなったのだろうか。さすがにテレビの映像の威力はすごい。それとも、菅内閣という泥舟から逃げ出す、いいきっかけだと思ったのかも知れない。
菅首相は後任を選ぶ必要が有るが、いまさらこの泥舟には誰も乗りたがらないのではないか。最も重い「俺を誰だと思っているんだ病」に罹っている菅首相。いよいよ正念場か。
http://akiran1969.iza.ne.jp/blog/entry/2346833/
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