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再生エネ法案は巧みに国民を欺くトラップ(罠)法案だ! - (木走日記)
http://www.asyura2.com/11/senkyo116/msg/196.html
投稿者 七転八起 日時 2011 年 7 月 04 日 22:54:47: FjY83HydhgNT2
 

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20110704


 3日付けの読売新聞記事から。

再生エネ法案、自民幹事長が修正条件に賛成表明

 自民党の石原幹事長は3日のNHK番組で、菅首相が退陣の条件としている電力会社に自然エネルギー買い取りを義務づけた再生可能エネルギー特別措置法案について、「電力を集中的に使う業界にどう(配慮)するかがなく、負担が増える(業界もある)。そういう問題をクリアすれば、すぐ通す」と述べ、電力消費型の業界への配慮などを盛り込んだ修正が行われれば、賛成する考えを表明した。

 民主党の岡田幹事長も同じ番組で「電力多消費型産業には配慮しないといけない」と語り、理解を示した。

 ただ、自民党内には同法案について、「審議を尽くすべきで、菅政権で実現する必要はない」(幹部)との声もあり、今国会で成立するかどうかは微妙だ。

(2011年7月3日23時08分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110703-OYT1T00508.htm

 どうせ野党の反対で国会を通すことはできないだろうと高を括っていた、菅総理が辞任の条件のひとつに挙げている再生エネ法案ですが、自民党の石原幹事長が電力消費型の業界への配慮などを盛り込んだ修正が行われれば、賛成する考えを日曜のNHK番組で表明いたしました。

 ちょっと待ってほしいです。

 経産省が旗を振っているこの法案は電力会社の地域独占の現状維持路線を担保する意図がみえみえで問題だらけでとても賛同できません。

 いっけん「脱原発」に向けて再生可能エネルギーによる発電を促す体裁にはなっていますが、中身をよく読むと既存電力会社に対する経産省の配慮がちりばめられており、これでは逆に「電力自由化」に逆行し現状の地域独占体制を将来に渡って担保しかねません。

 再生可能エネルギー法案は、太陽光や風力による電気を固定価格で買い取るよう電力会社に義務づけるもので、同様の法律は世界で40カ国以上が採用しています、この制度は新エネルギーの普及に確かに効果があります。

 しかし物事には順序というものがあります。

 昭和40(1965)年に施行された、電力会社の地域独占体制を認めた電気事業法、まずこの法律の全面的見直しを先にすべきです。

 ここに手を付けず小手先の再生エネ法を施行しても、日本の電力効率化への抜本改革には結びつきません。

 日本の電力料金が高止まりしている最大の要因は地域独占の電力会社間にまったく競争がないからです。

 競争を促すカギは現在地域電力会社10社の所有物である、送配電網を多くの事業者が使いやすくすること、電力会社の発電部門と送配電部門を分ける発送電分離であります。

 発電は切り離して自由化しますが、送電網は逆に統合し公社化、英国など同様、政府の監視を前提に独占的企業とします。

 つまり発電は自由化、送電は公社化することで、電力の健全な自由市場の形成と、電力の公共性・安定性を維持することが可能になります。

 これはイギリスやドイツなどが進めた実績のある電力自由化への常道と申せましょう。

 英国はサッチャー政権が1990年に、国営電力を3つの発電会社と1つの送電会社に分割・民営化し発電を自由化し、小売りでは12の配電局を民営にし新規参入も認めました。

 当時の英国においても国営電力の民営化・電力自由化は既得権益擁護グループのものすごい反発を受けていたことが、「サッチャー回顧録」に描かれています、そこには「鉄の女」と呼ばれたがサッチャー氏ならではの迫力で、国営電力を追い詰めていくシーンが描写されています。

 日本でも10年ほど前、発送電分離が国会で議論されましたが、電力会社の猛反対で断念した経緯があります。

 世界の先例を見ても、発送電分離は既得権益を有するものが猛反対するのが常ですから、サッチャーのような強烈なリーダーシップを有する政治家でなければなかなか強行できません。

 日本では政治家のリーダーシップを求めても残念ながら期待できませんから、福島原発事故で電力会社の政治力が弱体化している今が法律を改正する数少ない、いやもしかすると最後のチャンスなのだと私は思います。

 電気代の半分を占める発電部門で競争が進めば、コスト削減の効果は極めて大きいです。

 また政府監視の下で送配電網の利用を促し、小売りも完全に自由化して、新規事業者が伸びれば、電気の値上げをさらに抑えやすくなります。

 そして風力・太陽光発電などの再生可能エネルギーも、送配電網を安く使えるようになれば利用しやすくなるのは自明です。

 競争原理の働く市場を作るほうが、はるかに確実に効率化は進むのは当然です。

 ですから、まず昭和40(1965)年に施行された古い法律、電力会社の地域独占体制を認めた電気事業法、この法律の全面的見直し、地域独占の廃止をし、発送電分離をし、発電の自由化と送電の公社化、これを先にすべきです。

 経産省が旗を振っている再生エネ法案は、電力会社の地域独占体制を現状維持することが前提の悪法です、いっけん「脱原発」に向けて再生可能エネルギーを促進する体裁になっているのが逆にたちが悪いです。

 この法案は、国民を欺く経産省と電力会社が仕込んだトラップ(罠)法案です。

 まず電力自由化し電力会社の地域独占体制をなくし効率化をはかることをすべきです。

 市場を健全に自由化した上で、再生エネ法案のような特定のエネルギー源を優遇する法案は慎重に制度設計するべきです。

 手順を踏めば、市場の自由化と再生エネ法案は両立することはドイツやイギリスに先例があります。

 現状の再生エネ法案は、電力会社の地域独占体制を現状維持することがたくみに隠されています。

 今の再生エネ法案は巧みに国民を欺く経産省と電力会社が仕込んだトラップ(罠)法案です。

 自民党は賛成してはなりません。 

 

(木走まさみず)

 

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コメント
 
01. 一隅より 2011年7月05日 00:06:40: PnbUj1IYwR18o : OXc7OdW6Uo
国民を欺く方向が全く逆ですけれどね。

法律案などしょせん何かひとつの利益だけを代表するような外見にはつくられません。見かけはつねに各方面まんべんなく。

しかしこの法案は、>「電力会社の地域独占体制を現状維持することが前提」の、「いっけん『脱原発』に向けて再生可能エネルギーを促進する体裁になっているのが逆にたちが悪い」、のではありません。

この法案は、復活版「年次改革要望書」ともいうべき「日米経済調和対話」、その中で出された「米国側関心事項」というのにもとづいています。
 ↓
外務省HP http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/tyouwataiwa1102.html
 および
米大使館HP http://japanese.japan.usembassy.gov/j/p/tpj-20110304-70.html
 にあります。

だからこの法案は、「いっけん『国民の電力利用の規制緩和・自由化』に向けて再生可能エネルギーを促進する体裁になっている」のに、じつは将来の、『発送電分離=外部資本の電力投資・市場参入の自由化=ハゲタカへの切り売り』に道を開くものであるところが、「逆にたちが悪い」のです。


02. 2011年7月05日 02:50:01: fXxDAez7C2
■菅首相をほんとうに辞めさせたければ、
再生エネ法、補正、そして特例公債法案に賛成すればよいだけの話。
問題点があれば、次期政権が改正すればよいだけの話。
簡単な話だ。

にもかかわらず、審議拒否をし続け、被災者を見殺しにする自民党。

もうグタグタするのをやめようよ('A`)


03. 2011年7月05日 08:22:45: PPAJr6WqwQ
CO2環境詐欺キャンペーンも電力利権維持にとって重要な役割を担っている。

発電が自由競争になり、誰でもが好きなところから買えるようになっても、火力発電は”悪”であるということであれば、太陽光などの自然エネルギーなど今すぐ実用化できるレベルではないので、当分は原子力でということになる。

まず優先すべきは、原発停止・廃炉に向けた体制を作って実行に入ることだ。
100年先に1度上がるかどうかのCO2環境詐欺キャンペーンなどに捉われてはいけない。


04. 2011年7月05日 15:57:26: FFIErVvouc
だから寄付金は赤十字とか「中央」に送らないで地方に直送すればよかったのに
http://maps.google.com/maps/ms?ie=UTF&msa=0&msid=218204519449315317843.00049f83a3c3c84b3b5d0

地方が自分でなんとかする方法提案したら
執拗にネガキャンされてからまれた
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1697606246&owner_id=14364565


05. 2011年7月05日 17:24:26: 0HWREZWYs6
たしかにこれだと、地域独占は温存されるし、現実的に競争は全く起こらないな。
単純に消費者が、新規参入業者の事業コストを肩代わりするだけ。
全く何のメリットもない。孫に税金払うだけ。まるっきりの詐欺。

ソーラー発電のコストは激高だから、まるで競争にならないというか、競争になれば誰も買うはずないし、
ガス発電は小規模すぎて、既存の業者の置き換えにはならない。
つまり電力会社にとって、痛くも痒くもない話。

東電の犬の、菅・石原は今すぐ死ぬべき。


06. 一隅より 2011年7月05日 22:24:56: PnbUj1IYwR18o : OXc7OdW6Uo
>>03さんに賛成。

脱原発、そのためにはどんどん火力発電(化石エネルギー)で行こう、という意見はあまりはやらないようですが、なぜでしょう。

私は賛成。理由は03さんと同じ、自然エネルギーは残念ながら「今すぐ実用化できるレベルでない」から。

皆さんどう思われますか。


07. 2011年7月26日 03:37:16: T07aQnDPFg
私もそう思います。
自然エネルギーが実用化されるまで化石エネルギーに頼ればいいと思います。
自然エネルギーについてはオーランチオキトリウムや温度差発電などが期待できると思うですが
どうでしょうか?

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