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菅首相側が6250万円献金…北の拉致、容疑者親族の周辺団体
産経新聞 7月2日(土)7時56分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110702-00000077-san-pol
菅直人首相の資金管理団体「草志会」が、北朝鮮による日本人拉致事件容疑者の親族が所属する政治団体「市民の党」(東京、酒井剛代表)から派生した政治団体に、計6250万円の政治献金をしていたことが1日、分かった。年間の献金限度額上限の5千万円を支出した年もあり、大口の献金者だったことがうかがえる。政府の拉致問題対策本部長でもある首相側の献金先としては「不適切」との批判を受けかねない。
菅首相側が献金していたのは、「市民の党」から派生した政治団体「政権交代をめざす市民の会」(神奈川、奈良握(にぎる)代表)。
「めざす会」は市民の党の酒井代表の呼びかけで平成18年に結成され、奈良代表も市民の党出身。めざす会には、市民の党の名を冠する会派に属している複数の地方議員が年間計1千万円近い政治献金をしているほか、事務担当者が同一だった時期もある。
政治資金収支報告書によると、草志会は19年に5千万円、20年に1千万円、21年に250万円をめざす会に寄付している。19年の5千万円は資金管理団体から政治団体に献金できる上限額。この年は、めざす会の収入の6割近くが草志会の寄付だった。市民の党をめぐっては14年6月、横浜市議2人が市議会本会議で議場内の国旗掲揚に反対し、議長席と事務局長席を占拠して6時間近く議事を妨害した問題が起きている。
一方、市民の党には日本人拉致事件の容疑者の親族が所属。この親族は、昭和55年に石岡亨さん=拉致当時(22)=と松木薫さん=同(26)=を欧州から北朝鮮に拉致したとして結婚目的誘拐容疑で国際手配されている森順子容疑者(58)と、よど号ハイジャック犯の故田宮高麿元リーダーの長男(28)。長男は北朝鮮で生まれ、平成16年に日本に帰国するまで現地で生活していた。今年4月の東京都三鷹市議選に市民の党から立候補したが、落選している。
市民の党には、民主党の黒岩宇洋(たかひろ)法務政務官の関係政治団体も21年に計約400万円の政治献金を行っており、自民党の河井克行衆院議員らが今年5月の衆院法務委員会で「(長男は)20歳のときまで北朝鮮にいた。どのような教育を受けたかということは容易に想像がつく。そういう人を公認したのが市民の党だ」などと指摘している。
市民の党の酒井代表は取材に、「菅首相とは30年ぐらい前からの付き合い。寄付については出している側に聞いてほしい」、めざす会の奈良代表は「首相と会ったこともないし、詳しいことは分からない」と話した。
菅直人事務所は献金について、「当時の党の役職者(代表代行)としての責任において、職務遂行の一環としてのものであり、法に則(のっと)り適正に処理している」とコメントしている。
首相側献金に怒り 拉致被害者家族
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/515783/
拉致問題対策本部長である菅直人首相の資金管理団体が、日本人拉致事件の容疑者の家族が所属する政治団体から派生した団体に多額の献金をしていた問題で、拉致被害者の家族らには怒りと疑念が広がっている。首相はかつて、拉致実行犯の釈放嘆願書に署名したこともある。「政治家として信じられない」「姿勢に疑念を持たざるを得ない」…。巨額資金提供の意図は何だったのか。家族らに対し、首相側の詳しい説明が求められそうだ。
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総務省によると、今年4月の東京都三鷹市議選に拉致事件の容疑者の長男を擁立した「市民の党」は平成8年9月に、菅直人首相の資金管理団体「草志会」から献金を受け取っていた「政権交代をめざす市民の会」は18年9月に、それぞれ設立された。
市民の党の酒井剛代表は取材に「ボランティア選挙でも大政党に勝てることを実証する団体」と設立の意図を説明。「めざす会は私の呼びかけで作られ、市民の党と事務担当者も同一。だが銀行口座も別で、あくまで違う団体だ」とする。拉致容疑者の長男の市議選擁立については、「出馬を持ちかけたのは事実で、若い人に頑張ってほしいと思った」と話した。
一方、めざす会の奈良握(にぎる)代表も、同会は市民の党と別団体であることを強調。草志会からの献金については「収支報告書に書いてある通りだ。私は菅首相と会ったこともないし、詳しいことは分からない」とし、コメントを拒んだ。
政治資金収支報告書によると、めざす会は設立以来、毎年1千万〜8千万円の収入があり、草志会のほか各地の市議会議員らからの政治献金が目立つ。主な支出先は「人件費」「看板等作成費」「旅費・宿泊費」など。めざす会について政界関係者は「民主党など、かつての野党勢力の選挙応援などを全国で行っていたようだ」としている。
■「即刻辞めて」
めざす会への献金についてよど号犯グループに拉致された有本恵子さん=拉致当時(23)=の母、嘉代子さん(85)は「日本の政治家がやることとは思えない」と憤る。
首相は平成元年、拉致事件の実行犯である北朝鮮工作員、辛光洙(シングァンス)容疑者(82)の助命釈放嘆願書に署名。その後、昨年の衆院本会議などで「確かめずに署名したことは間違いだった。反省している」と謝罪している。草志会をめぐり首相は、在日韓国人系金融機関の元男性理事から献金を受けていたとして、政治資金規正法違反罪で東京地検に告発されてもいる。
嘉代子さんは「政治家がいかにいいかげんか身をもって感じている。拉致被害者家族としてだけでなく、一人の日本人として、菅さんに即刻辞めてくださいと言いたい」と批判する。
同じくよど号犯グループが拉致に関わった松木薫さん=同(26)=の姉、斉藤文代さん(65)は「故田宮高麿元リーダーの長男が市議選に出て、落選したことは知っていた。選挙で当選するかどうかは有権者が決めることで、私がどうこう言うことではないが、献金が事実なら到底考えられない」と落胆する。
拉致問題をめぐっては、20年8月の日朝実務者協議で北朝鮮が拉致被害者の再調査に合意。しかしその後は棚上げ状態が続いており、家族会は今年6月、北朝鮮が9月までに再調査に応じなければ全面制裁するよう求める要請書を政府に提出。首相は北朝鮮側に再調査を求める意向を示していた。
「そうした首相の姿勢すべてに対し、疑念を持たざるを得ない」。家族会事務局長で増元るみ子さん=同(24)=の弟、照明さん(55)はそう話す。増元さんは「拉致問題解決を目指すと語る首相の言葉が本当なのか。きちんと説明してほしい」と訴えた。
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