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不信任案否決1カ月 政府・国会機能不全 衛視「こんな議員守る仕事なんて…」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110702/plc11070201110001-n1.htm
2011.7.2 01:05 産経新聞
菅直人首相の「まやかしの退陣表明」によって内閣不信任決議案が否決されてから2日で1カ月が経過した。この間、通常国会は8月31日まで70日間延長されたが、東日本大震災復興基本法が成立した以外これといった成果もなく、「空白の1カ月」となった。「延命」に執念を燃やす首相を前に、政府も国会も機能不全に陥っている。
1日の閣僚懇談会でも、首相は続投への意欲をそれとなく示した。
政府・与党がなんとか合意にこぎつけた社会保障と税の一体改革案。首相は閣僚たちを前に「これから、野党各党に社会保障のための協議を提案し、参加を呼びかけていきたい」と説明した。
与野党協議まで自ら手がけるつもりか−。政府・与党間の折衝に当たった玄葉光一郎国家戦略担当相らは疲れた表情を浮かべた。
「消費税率は、2010年代半ばまでに段階的に10%まで引き上げる」
これが今回の改革案の最大の“成果”だ。しかし6月17日の原案では「2015年度までに段階的に10%まで引き上げる」となっていた。
「半ば」と引き上げ時期をあいまいにしたのは、首相が自らの退陣時期をあいまいにしていることと無関係ではない。いつ辞めるか分からない首相のもとでは、国民に負担を強いる増税時期を明確にできないというわけだ。
「半ばというのは、14、15、16年ということでいいのか?」
与謝野馨経済財政担当相は6月30日、民主党政調会長として党内調整にあたった玄葉氏に詰め寄った。
そこに仙谷由人官房副長官が横やりを入れた。
「そんなの、『常識的に考えればいい』って答えておけばいいんだよ!」
仙谷氏も与謝野氏と同様、財政再建に向けた消費税増税容認派だが、首相が居座り続ける現政権の議論には、すっかり嫌気がさしている。
これでは野党が協議に後ろ向きになるのは当然だ。
公明党の井上義久幹事長は1日の記者会見で「与野党協議を責任を持ってやれる体制にあるのか。民主党が『新体制』は『新首相』といっているのだから、早く体制を整えるべきだ」と指摘した。せっかくまとめた政府・与党案だが、その実現性は限りなく低い。
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首相の進退問題は政府の東日本大震災復興構想会議(議長・五百旗頭(いおきべ)真防衛大学校長)の議論にも影を落とした。6月25日の「復興への提言」は当初、第1次提言となる予定だったが、退陣問題の混乱で五百旗頭氏が「先の展開を予知できない」とし、事実上の最終提言となった。
原発問題でも、首相の存在が障害となった。
「原発の再稼働については、総理がおっしゃった方がいいですよ」
海江田万里経済産業相は6月18日、原発を持つ11社に再稼働を要請する直前、首相に提案した。中部電力浜岡原発の全面停止を要請した首相の口から電力の安定供給に関するメッセージを発するよう求めた進言だったが、首相は「自分は言いたくない。言うべきではない」と答えた。
国民受けしそうな浜岡原発の全面停止という、もともとは海江田氏が提案した手柄を自分で取り、再稼働に関する地元対策はほったらかし。一方で全面停止し、一方で運転再開を要請する二重基準に住民の懸念は強まり、再稼働の環境は厳しくなった。
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「社会保障、エネルギー政策を2年間で方向づければ、民主党は次の国政選挙で国民から信頼される。そこにつなげていきたい」
首相は6月28日の両院議員総会でこう訴えた。衆院議員の任期は平成25年8月までの2年余り。それまで辞める気がないのかもしれない。
6月15日には再生エネルギー特別措置法案について「国会には『菅の顔だけは見たくない』という人が結構いる。本当に見たくないのならば早く法案を通したほうがいい」と傲慢ぶりを見せつけた。70日間の国会延長が決まると、人事を断行し、自民党から浜田和幸総務政務官を一本釣りして国会を空転させた。
震災復興よりも延命を優先する首相に、誰もが辟(へき)易(えき)としている。民主党の安住淳国対委員長は6月30日、国会内で自民党の逢沢一郎、公明党の漆原良夫両国対委員長に語りかけた。
「自民党さんも公明党さんも、菅さんを辞めさせたいんですよね? 私たちも一緒です」
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国会も「真空状態」が続いた。
「国会が動かなくなった原因を作り出したのは政権与党側にあります。申し訳ない気持ちです」
民主党の安住淳国対委員長は1日の与野党国対委員長会談で、居並ぶ野党幹部に深々と頭を下げた。
内閣不信任決議案が6月2日に否決されてから、しばらくは与野党協調のムードが続き、20日には東日本大震災復興基本法が成立した。そこに水を差したのはまたも菅直人首相。21日に独断で決めた「8月末まで70日間の会期延長」方針で審議は全面ストップし、約2週間を無駄にした。
安住氏は会談で、予算委員会の集中審議を7月5日に衆院、6日に参院で開催する代わりに、7日の原子力損害賠償支援機構法案の審議入りに応じるよう求め、与野党は大筋合意した。だが、野党側からは痛烈な首相批判が続いた。
「菅首相本人が国会空転の原因を作った。政務官人事が原因だった」
自民党の逢沢一郎国対委員長は、首相が同党から浜田和幸参院議員を一本釣りして総務政務官としたことに不満をぶつけた。
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民主党執行部も本音では同じ思いだ。浜田氏の起用が固まった6月27日、国会内の民主党の国対役員室には安住氏の怒号が響いた。
「なんで政務官1人だけのために、こんなことをするんだ! 首相を国会審議に呼んで、オレが問いただしたいよ」
岡田克也幹事長ら執行部は(1)赤字国債発行のための特例公債法案(2)再生エネルギー特別措置法案(3)平成23年度第2次補正予算案−の3点セットと引き換えの首相退陣を交渉材料に、自民、公明両党との連携を模索してきた。
ところが、首相の数々の延命工作で、野党の態度は硬化。もはや民主党執行部にとっても、首相の早期退陣は条件闘争の材料ではなく、自分たちの希望に他ならなくなった。
玄葉光一郎政調会長は1日、TBS番組の収録で3点セットについて「7月中に通してしまったほうがいい」と述べ、月内退陣への期待を隠そうとしない。
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被災者が復旧・復興の遅れにいらだちを募らせる中、国会が2週間、開店休業した影響は大きい。
東京電力福島第1原発事故の損害賠償のための原子力損害賠償支援機構法案は6月14日に提出されたが、7月7日に審議入りしても成立は同月下旬にずれこむとみられる。首相が退陣しなければ野党の協力を得られず、9月召集予定の臨時国会に提出される本格的復興のための第3次補正予算案や関連法案の成立もおぼつかない。
「復興国会」となるはずの延長国会が「延命国会」になりつつある現状に、被災県に縁のある国会の衛視がこぼした。
「こんな無駄なことをしている議員を守る仕事なんて、もう辞めたい…」(加納宏幸、坂井広志、斉藤太郎)
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