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2011年7月1日発行
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JMM [Japan Mail Media] No.642 Monday Edition-3
■ 北野一 :JPモルガン証券日本株ストラテジスト
内閣府は24日、東日本大震災や大津波で損壊した道路、住宅などの直接的な被害額
は16.9兆円にのぼるとの推計を発表しました。ちょうど、3ヶ月前の3月23日に発表さ
れた被害額の推計は16兆円から25兆円でした。今回の推計額は、前回推計のレンジの
下限ということになります。私は、以前より被害額は過大に推計されているのではな
いかと考えてきました。今回、事実上、被害額の下方修正が行われたことになります
が、これでも前回のレンジに収まるように鉛筆をなめたのではないかと疑っています。
実際、推計の根拠は曖昧です。3ヶ月前は、建築物の損壊率について、津波被災地
域は阪神大震災時の2倍あるいはそれ以上、非津波被災地域は阪神大震災と同程度と
想定した上で、被害額を推計しておりました。今回は、こうしたトップダウン的な手
法ではなく、「各県及び関係府省からの被害額に関する提供情報に基づき、内閣府に
おいて取りまとめた」とボトムアップに変わっておりました。
発表資料に、問い合わせ先が記載されていたので、内閣府に16.9兆円の内訳を聞い
てみました。それは、答えられないとの回答でした。なお、被害額の推計は、これが
最後になるそうです。東日本大震災の被害額は16.9兆円で確定です。これから先、10
年後も、20年後も、東日本大震災の被害額は16.9兆円と記憶されることになるわけで
す。なぜ、これが最後になるのか、もっと突き詰めないのかといえば、阪神大震災の
時も、震災後1ヶ月目に発表された9.6兆円という数字が最後の推計になったからだ
そうです。
前例踏襲の官僚とすれば、それで良いのでしょうが、こうした被害額を前提に増税
を求められる納税者は納得できないのではないでしょうか。
ところで、マスコミは、今回発表された推計額を次のように報道していました。
「震災の直接被害16.9兆円 阪神の1.8倍」(6月24日付け日本経済新聞夕刊)。これ
を受け、松本龍防災担当相(当時)も、「2次、3次補正は早急に取り組まなければな
らない」と語っていました。それにしても、阪神大震災時には、9.6兆円の被害額に
対して、3.3兆円の補正予算が組まれました。今回は、4兆円の1次補正に加えて、2
次補正は約2兆円になるといいます。あわせて6兆円。これは、阪神の1.8倍(6兆円/
3.3兆円)です。
単純な比較は出来ませんが、被害額が阪神の1.8倍で、補正予算の規模がやはり阪
神の1.8倍なら、3次補正は必要なのでしょうか。9月以降に編成されるという3次補正
には、25日に復興構想会議が取り纏めた「復興への提言〜悲惨のなかの希望〜」が反
映されるといいます。ただ、この提言については、「踏み込み不足に思える点も少な
くない」(朝日新聞)、「具体論はなお、踏み込み不足だ」(毎日新聞)、「具体的
なのは増税だけではないか」(東京新聞)、「復興の中身が示されていないのに増税
の必要性ばかり強調している」(産経新聞)、「政府は提言の具体化を急ぐべきだ」
(日本経済新聞)という批判が、「復興の基本方針としては妥当だろう」(読売新聞)
という支持よりも目立ちます。
それは、そうでしょう。この提言はこう始まります。地震と津波、そして原発事故
によって、「この国の「戦後」をずっと支えていた"何か"が音を立てて崩れた」。
「"何か"が崩れた」とはどういうことでしょう。私なら、「何が?」と聞き返します。
実は、復興構想会議のメンバーは、何が崩れたのか分からないのではないでしょうか。
その後にも、「何をどうしたらよいのか。われわれは息をひそめてたちつくすしかな
い」という文章が出てきます。
何をすれば良いのか分からなくて、立ちつくしている人達が書いた提言に基づいて
第3次補正予算が組まれ、それで増税などということには、私は納得できません。被
害額の推計も、もっと精緻にやって頂きたいと思います。被災地の「復旧」について
は、1次と2次補正で、基本的には賄えるのではないかと私は思います。いや、それ
では被災地の方々が困るのだという説得力のある議論を政府からお聞きしたいと思い
ます。
JPモルガン証券日本株ストラテジスト:北野一
以上引用終
>何をすれば良いのか分からなくて、立ちつくしている人たちが書いた提言
証券会社のストラテジストという肩書きだけ見ると胡散臭いが
言ってうことはかなりまとも
復興予算も机上の空論ではじき出しただけ
今回は阪神と違い一ヶ所に集約された災害ではないので、個別地域ごとの復興に関する単価もことなるであろうし、単純に倍掛けするような復興会議の面々の頭の中は、津波で流された地域よりも殺伐としているのであろうか
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