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「あなたにふさわしいポストはないので辞めてください」経産省キャリア官僚、突然クビになりそうなわけ
2011年7月1日 金曜日
山根 小雪
霞が関きっての改革派キャリア官僚、古賀茂明氏が突然の退職勧告を受けている。
古賀氏は1955年に東京大学を卒業後、通商産業省(現在の経済産業省)に入省。産業再生機構執行役員や経済産業政策課長、中小企業庁経営支援部長などを歴任。2008年には国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、急進的な改革案を次々と提案した経緯がある。審議官退任後も、メディアなどを通じて公務員制度改革の必要性を訴え続けてきた、“戦う官僚”だ。
今年5月には、「日本中枢の崩壊」(講談社)を発刊し、民主党政権の公務員制度改革や福島第1原発事故への政府の対応を批判した。
経産省は「個人の人事については回答できない」としている。なぜ古賀氏は退職を勧告されているのか。その真実を古賀氏本人が明かした。
(聞き手は山根小雪=日経ビジネス記者)
―― 退職を勧告されたのは、いつなのですか。
古賀茂明氏[経済産業省官房付](写真:柚木 裕司)
古賀 6月24日に経済産業省の松永和夫・事務次官に呼ばれて、「あなたにふさわしいポストはないので辞めてください」と言われました。それ以外に、退職を勧告する理由はありませんでした。
官僚を理由もなくクビにすれば、話題になります。国会期間中は避けたいと考えるのが政治家の発想でしょう。それでも、このタイミングで退職勧告をするということは、それなりの理由があるはずです。
―― 著書などで福島第1原子力発電所事故の賠償をめぐる「原子力損害賠償支援機構法案」のあるべき姿を提案されましたね。今後、野党自民党から国会に呼ばれる可能性もありそうな状況です。現職の官僚を国会に呼んで説明させるのは容易ですが、退職後は難しくなる。だから慌ててクビにしようとしたという見方もされてますが。
確かにそう考えればつじつまが合いますね。
―― 辞める時期はいつになるのですか。
松永次官はうむを言わさず「7月15日までに退職を」と言いました。話が急だったので一応回答は留保しました。天下り先が決まっている普通の退職勧奨とは違ってそれまでに仕事を見つけるのは至難の業でしょうね。
―― 実際、お辞めになるのですか。
まだわかりません。ただ、ポストに執着するつもりはありません。そもそもこの話には経緯があります。昨年7月初めに、当時の望月晴文・事務次官と膝詰めで話しをして、4カ月の猶予を持って10月末に経産省を辞めることにしていたのです。
ところが、想定外の出来事が2つ起こりました。
1つは、昨年10月の参院予算委員会で仙谷由人官房長官(当時)に“恫喝”されたこと。かねて主張してきた公務員制度改革について発言に対するものでした。
もう1つの想定外は、私の地方出張に関して野党からの批判を受けた当時の大畠章宏大臣が、「いじめるつもりはなかった。ふさわしいポストに処遇する」と発言したことです。これで10月末の退職はいったん、棚上げとなったのです。
今年の冬に松永次官と話した際には、「仕事を下さい」と申し上げました。まだ官僚として日本の未来に貢献したいという強い思いがあります。ただ、「絶対に仕事はさせないというなら言ってほしい」「ある程度の時間的余裕を持って」とも伝えたのです。
その後、東日本大震災が起き、経産省内が慌ただしい時期が続きました。そして6月24日の退職勧告へとつながったのです。
「キャリア官僚の人事は大臣がやるべきだ」
―― このまま退職することに不満はないのですか。
このまま辞めると後輩たちに迷惑をかけるのではないかと危惧しています。役所には、退職にまつわる制度がありません。天下りなしの場合にどれだけの猶予を持って退職を勧告するのかも定かではない。ルールを整備して欲しいですね。
かねて主張してきた公務員制度改革の一部でもありますが、大臣に幹部官僚の人事評価をしてもらいたいと思っています。政治主導の官僚人事をすることで、官僚は次官のために働くのではなく、大臣のために働くようになる。それが、省益を求める現在の姿勢から、国民のために働くことへと変えるはずだからです。
逆に、大臣の名前を使って、次官が自分の気に入らない官僚をクビにできるとなるとこれは官僚主導をますます強めてしまいます。
海江田万里大臣と直接お話しをして、お考えを確認したいと考えています。最終判断はそれからします。
このコラムについて
ニュースを斬る
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著者プロフィール
山根 小雪(やまね・さゆき)
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