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東日本大震災から3ヶ月、失態続きの菅首相に与党民主党のお家騒動、復興よりも政争に明け暮れる国会議員へ失意の声が上がっていますが、被災地の復興事業や、福島第一原発をめぐる状況は、日々変化しています。
今回のBLOGOSチャンネルは、原子力行政を管轄する経済産業省の現役キャリア官僚、古賀茂明氏をお迎えしました。福島第一原発の事故の裏で、政府の責任そっちのけで東電バッシングが広がる真の理由とは。なぜ東電を存続させる賠償スキームが出来上がったのか。カネボウやダイエーなどの経営再建に関わってきた古賀氏が、霞ヶ関の官僚達の思惑を全て語りました。
古賀氏は現役官僚の中では珍しく、率直な政府批判をすることで知られています。昨年10月には、民主党が進める公務員制度改革に関して「非常に問題だ」と参院予算委員会で証言。仙谷由人官房長官(当時)が「はなはだ彼の将来を傷つけると思います」と異例の警告を発したことで、「古賀氏に対する恫喝に当たるのでは?」と各界の議論を呼びました。【構成:安藤健二(BLOGOS編集部)】
市民運動で人気の「再生可能エネルギー」
池田信夫氏(以下、池田氏):こんばんは、毎月1回お送りしているこのBLOGOSチャンネル。今日は今、話題のベストセラー『日本中枢の崩壊』の著者であります古賀茂明さんをお迎えします。今日はよろしくお願いします。
古賀茂明氏(以下、古賀氏):よろしくお願いします。
池田:ベストセラーですから皆さんご存知の方も多いかと思いますが、古賀さんは現役の官僚でありながら日本の政策決定の裏側をお書きになって、それがいろいろな意味で反響を呼んでいます。古賀さんは今話題の原子力行政に長く携わっていたということですから、今日はその辺からお伺いしたいと思っています。
ちょうど今は国会の延長に絡んで、また原子力の問題が出てきました。再生可能エネルギー促進法案。「あれを通せば辞めてやる」という(菅首相の)奇妙な条件がついているようですが、あれはどういうことなんですか?
古賀:いやぁ、私も驚いたんですけど、菅総理は、もともと市民活動から政治の方に入ってこられたという歴史を持っておられます。この再生可能エネルギーの法案というのは、非常にいい法律だと思うんですが、必ずしも政府の中で一枚岩に「是非やろう」ということにはなってないようなんですね。
再生可能エネルギーに一種の補助を与えるわけですから、電力会社にしてみればライバルを育てるわけです。それから、電力料金にその分が上乗せされる。消費者のためにどうかということもありますが、政府と役所の観点からすると「経済界に非常に影響があるんじゃないか?」という懸念があるわけです。
そんなに(首相が言うように)ドンドン推し進めていいのかどうかという不安を持っているんだけど、民主党の政策の旗になるということで、恐る恐る(法案を)出したと。でも、自民党にも電力会社寄りの人は多いので、反対している(民主党内の)勢力からしてみれば「うまくすれば通らないかも」という期待を持っている人もいるんです。
そんな中で今回、菅さんが大きなテーマとして打ち出してきた背景には、再生可能エネルギーは自民党の守旧派は賛成しにくいし、民主党内でも電力会社系の人は賛成しにくい。そういうところで、市民運動的には非常に人気があるテーマだということがあるんです。これを自分が取り上げて「何が何でもやるんだ!」という姿勢を見せることによって、もう一度、政権の浮揚に活用したいと。そういうお気持ちがあったのでは。
市民運動家に戻った菅首相
池田:僕が異様な感じがしたのは、彼が日曜日の勉強会で「私の顔を見たくなかったら、この法案を通してください」と、にこやかに言ってたじゃないですか。あれなんかは、総理大臣というよりは市民運動家の菅直人に戻ったような印象を受けました。
古賀:あれは私もちょっと驚きました。「あそこまでパフォーマンスをやるかなぁ」とも思いましたけど、菅総理が原点に戻って、ある意味で永田町では四面楚歌なんですけども。
池田:(笑)
古賀:市民活動家の視点から見ると温かい目で見られているので、孫正義さんを初めとして支持してくれる人がいる。「俺にはこんなに味方がいるんだ!」ということで元気がもらえる。自分の原点に戻ったみたいな感じで、これで「もう一回頑張ってみよう」みたいな感じになちゃったと。
池田:その辺に今の民主党政権が混乱する一つの原因があるような感じがしますね?
古賀:やっぱり民主党は「政治主導」を掲げてきたんですけども、政治主導をやるためにはまずトップが何をやりたいのかをはっきり持ってないといけない。でも、民主党政権の場合にはマニフェストはあるんですけども、リーダーが本当に何をやりたいのかが見えない。そのときどきによって、普天間基地の問題にしても、温室効果ガスの25%削減というのも、ビジョンや戦略を持っているわけではなくて、そのときどきで人気が取れるテーマに飛びついて、半分思いつきみたいに言ってしまう傾向があります。
今回の再生可能エネルギーは、菅総理はもともと関心はお持ちだったと思うので、完全に思いつきだとは言いません。でも、やっぱり人気を取れるテーマに飛びついているような印象を国民の皆さんも感じているんだろうな、と思いますね。
池田:菅さんは、ある意味若い頃からある意味では、ずーっと(社民連という)野党勢力の中でも非主流の非常に小さい党派に所属されていたわけですね。言ってみれば、国家権力に対して「違うぞ」とただ言ってればいいところで、何十年もやってきた方です。その人が、国家権力を動かす立場に立ったんだけども、そのことに本人が自覚的でないようです。
古賀:そうですね。批判するだけであれば、世論を味方につけて批判して、次の選挙で票をたくさんもらうということで、目的は達成できるわけです。でも、政権与党になった場合には、それだけでは終わらなくて、単に人気を取るだけでなくて政策を実現しなくちゃいけない。いわば責任を負うわけですが、そこ(政策実現)に繋がる仕組みをどれだけ持ってるかが問われているわけです。残念ながら民主党の場合は、そこに至ってないという気がしますね。
「官僚をライバルにしてしまった」
池田:今回の震災とか原発事故をめぐる対応を見ても、自民党政権と比べても時間が経ってますね。その一つの原因としてよく言われるのは、菅さんは官僚が嫌いで、身の回りを自分のお友達だけで固めちゃうと。僕は「官僚に依存しない」というのはいいと思うんですが、官僚とケンカ別れして今みたいに情報が孤立したような状態で仕事をするのは、相当まずいんじゃないか?と思いますね。
古賀:そもそも政治主導なんて言葉があること自体が変なんです。政治が主なのか、官僚が主なのかと言ったら、政治が主に決まってるからです。自民党が実質的には官僚に仕切られて、官僚主導の政治をやってしまったことを批判して、その流れで「脱官僚依存」ということを訴えて政権を取ったわけですね。
でも、政治主導と言うときには「自民党を批判する」という意味での政治主導でしかなかった。自分が責任を負ったときに、どういう風に政治が主導するかを考えてこなかったのでは。政権批判のキーワードとしては良かったんだけど、政治主導って「政治家が官僚を使って政策を実現する」という意味なんですが、民主党は政治家と官僚を横に並べてライバルだという風に捉えてしまった。
ライバルだから競争して、「俺達の方が実力があるんだ。お前らはどけ」ということで、排除する方向に行っちゃった。それが最大の問題。行政をやっていく上で官僚を排除することなんて、できるわけないんだから。例えば最初の頃は、大臣から政務三役が電卓まで抱えて「俺達は計算までやってるんだ」ってパフォーマンスをしてましたが、あれに象徴的に現れています。やっぱり官僚を政治家が使いこなす仕組みをどう作るか?という頭がなかったという感じがしますね。
池田:それは日本の官僚がしっかり仕事をしてきたということの一面でもあると思うんですね。言っちゃ悪いけど、自民党政権だってそんな大したことをやって来なかったわけで、やっぱり官僚がしっかり実務的なことをやってきたという点でいい面はあると思うんですけども、今回の震災以降、官僚のやってきたことが大きな転換を迫られているときに、何ていうのか官僚の人々自身を命令する上司の立場にある人々が、官僚とケンカしている状態が3カ月近く続いちゃってるのが、今回の混乱の原因かな?という気がするんですね。
古賀:そうですね。先ほど申したように、政治主導の意味合いを取り違えたのが一つと、閣僚に政治主導を実現するための能力が欠けてたと言えるんではないでしょうか。自民党だって、官僚の言いなりというスタイルの人が多かったので、民主党に比べてそんなに優秀だったわけではないんですが……。民主党では能力がないにも関わらず「俺がやる!」と言っちゃったと。しかも、やるのは自分が関心を持ったことだけなんですね。関心を持ったことについては「俺がやるんだ。お前どけ!」と、その分野に関しては特化するけど、それ以外のことは何事もなかったかのように官僚がそのままやると。
一時期はそういう状況に陥ってたので、仙谷さんが官房長官になった辺りで路線転換しようとしたんですね。仙谷さんは「民主党の閣僚には能力が足りない」という判断をしたんですね。「変に政治主導をやるよりは、官僚と仲良くしろ」と一生懸命に言ってました。本当に大事なことは何省のことであっても官房長官のところで引き取る仕組みにしようとしたんだけど、官房長官がものすごい忙しい仕事ですから、結局は全体を見れる財務省に依存せざるを得なくなっちゃった。だから、政治主導の意味を取り違えたことと、政治主導をするだけの十分な能力がなかったこと、この2つが政治主導が失敗した原因じゃないかなと思ってます。
パラダイムシフトができていない財務省
池田:仙谷さんは「影の総理」と言われるくらい実力が持っていると、いわゆる財政通の議員として知られてますよね。財務省との人脈というか情報が強いと、逆に言うと民主党が霞ヶ関全部を敵に回すわけに行かないんだから、財務省ぐらい味方につけとかないと戦いにならない。それが古賀さんのお考えなんですよね?
古賀:はい。財務省が好きだってわけじゃないんでしょうけど、財務省とギブアンドテイクの関係を築こうとして、カードとしては増税をするということと、公務員制度改革としてあんまり無茶をしないと、二つのカードを持ってるんじゃないかと思いますね。それは一つの戦術として選択肢としてはあると思うんですが、経済政策は財務省の枠からは出られないという限界は出てきてますね。
池田:僕は1993年の細川内閣のときに似てるかなと思ったんです。あのときも「8頭だての馬車」と呼ばれてガタガタで「霞ヶ関とはとても戦えない」となったときに、新生党の代表幹事だった小沢(一郎)さんが、大蔵省の斎藤次郎・事務次官と組んで、一郎・次郎コンビと言われた。
そして、国民福祉税という増税路線で大蔵省のご機嫌を取ろうとしてバーンと失敗した。その歴史と重なるんですね。
古賀:そうですね。それとやはり小泉政権でも財務省を敵には回してないんですね。郵政民営化で総務省とは対立しましたが。当時までは、無駄がものすごくあって、景気が悪くなると自民党的なバラマキをどんどんやると。それは特に効果がないことが分かってきていて、財務省からすると、そういうバラマキはやめさせると。で、その代わりに増税を含めて財政再建に力を入れる方がいいんだという立場でした。昔はまだ日本経済の潜在成長力が高い時代だったからまだ良かったんですが、今の状況で増税だけで日本の経済を立て直すというのは絶対にあり得ないと思うんです。でも、パラダイムシフトが出来ていない。
政治の中に二つの勢力があって、自民党的なバラマキを止めて経済成長を高めて税収を上げて財政再建しようという勢力と、「いやそんなの効果ない。きっちり増税でやるんだ」という勢力があったわけです。増税派の人にとっては、成長を唱える人は「自民党的なバラマキだ」という思いがあるんですね。本当はそうじゃなくて、バラマキじゃない成長戦略もあるはずだと思うんです。しがらみをとっぱらって農業や医療とか、これから伸びると言われている分野に企業や人材が入っていく仕組みを整えることで成長を成し遂げることもできるはずですが、そういう路線を意識している人がいないんです。
確かにバラマキ的な成長戦略は、財政再建とは反するんです。でも、バラマキじゃなくて既得権益グループと戦うことで経済成長をさせるのであれば、財政再建と両立するんですね。そういう戦略的な経済政策を持っているグループは、あまり大きく見えないんです。
賠償支援機構には隠されたスキームがある
池田:財務省に非常に依存しているってことが、(今回の福島原発事故の)賠償支援機構法なんかにも端的に現れている。あれも財務省がお膳立てをした仕組みですよね?
古賀:「税金という物に最後の帳尻合わせを持ってきちゃダメです。それさえはっきりしていれば好きにやっていいです」というのが財務省の考え方なんですね。ただ実際には、被災者の保障というのがものすごく巨額になりますし、廃炉にもお金がかかる。それを国民負担なしにやるのは事実上不可能だと、みんな分かってきています。
原子力損害賠償支援機構法案には、それが隠れていまして「国民負担はないんだ」って一生懸命言ってますよね。ですけど、僕が読んでいてアレ?って思ったんです。電力会社から「負担金」と称して少しずつお金を集める仕組みなんですが、賠償額がものすごく大きくなれば負担金をどんどん上げなきゃいけない。
負担金があんまり大きくなりすぎて、利用者に著しい負担をかけて電力料金に跳ね返ってきてしまうのは困ると、特に企業にとっては(大ダメージです)。そういうときには、「政府が機構にタダでお金をあげますよ」という条項が入っているんですよ。交付国債がすごく(マスコミに)クローズアップされているんですが、それとは別のスキームがあるんです。
池田:あ、そうなんですか!
古賀:「あげても一切返さなくていい」といったような条項があるんです。「そうすることができる」という表現にはなっているんですが、こういう場合に「できる」って書いてあるってことは「やる」という意味なんですね。これは多分、財務省と経産省で読み方が違っていて、予算を国会を通さなきゃいけないので歯止めはあるんですが、この条文を入れたってことは、経産省が最後の粘り腰を見せたのかなぁと見てるんですが。
東電が悪者になったワケ
池田:古賀さんも著書で書いてましたが、僕はまず順序が違うと思うんですよ。まず「政府の責任はどうなってるんや?というのが全く抜けてる。「東電が100%悪い。可哀想だから政府が助けてやる」って作りになってるわけですよね。
古賀:今の時点では誰が悪かったのかは、はっきり分からないわけですが、政府の経産省の原子力・安全保安院の考え方は「とにかく東電を悪者にしておこう」と。思い切り悪者にすることによって、政府が金銭的な責任を問われるのがまず嫌だし、もっと彼らが嫌なのは「政府がお金出せ」ってことになったら「それは誰の責任だったのか」という議論を呼ぶことなんです。そうなると、経産省なり原子力安全・保安院の幹部の責任って話になる。
今は「東電が悪い」って論調だから「東電の社長の給料を半分にしろ」って話になるけど、「政府が悪い」ってことになったときに、「経産省の次官がクビになるんですか?給料が半分になるんですか?退職金が半分になるんですか?」って、そういうような議論になるのが彼らは嫌なんです。とにかく「政府の責任」という話になるのを避けたい。でも「政府の責任はありません」って言うと逆に「あるだろう!」と突っ込まれるから、なるべく触れないで、いろんな事例を挙げて「東電がまたこんなことしやがった」っていうネタを定期的に出すことで叩いていれば、国民の関心もそっちに行くと。
東電を叩いて、幹部を土下座させていれば、国民の鬱憤を晴らせると。その上で、「これだけやったんだけど、それでも足りないんで、国民の皆さんお願いします」と、政府の責任を素通りして国民にお願いするという構図なんですね。
池田:でも原子力安全委員長の班目(まだらめ)さんは、「安全基準には明らかに間違いがありました。津波を想定していなかったのは間違いでございます」と断言しちゃいましたよね。あれは政府に過失責任があると言ったに等しいと思うんですけどね!
古賀:東電の株主総会で、どういう意見が出るかっていうことにもよると思います。東電の株主からしてみれば、「なんで全部、東電がかぶんなきゃいけないんだ」ということになるでしょう。もともと「異常な天災のときは例外です」という規定がありますよね。そうでないにしても、政府が変な基準を作ってて「これでいいよ」としていた責任があるじゃないか、と。
たとえば「被災者は国家賠償請求できるじゃないか。その部分を東電が肩代わりしてる部分もあるんじゃないか?」という議論もあると思うんですよ。東電が政府に怒られたからといって、何も権利を行使しないで潰れちゃったら株主としてはたまらない。
「権利を行使しないんだったら株主代表訴訟するぞ」という話が出てくる可能性もあるんですね。
池田:僕は東電が訴訟でも起こして、シロクロつけた方がいいと思うんですね。そこが賠償法の括りだと、東電という会社を生かすことになってますから、そういう責任を全て曖昧にできる仕組みになってるんですね!もし会社更生法で完全に潰れちゃうとしたら、債権者の債権をカットするとか、あるいは国がそこにどれだけお金を入れるかって話が出てくるはずなんです。でも今は、お金がどれだけかかるかをぜ〜んぶ曖昧にする仕組みになってますよね!
古賀:「電力会社の利益の中で(賠償を)払わせるんだ」って政府は言ってますが、よく考えてみると利益って結局、電力料金なんですよ。電力料金をいくらにするかって判断は、全部、政府が認可するわけです。利益の中から払っていったら、(国民に対して)「あなたは負担してないですよ」というのは全くナンセンスな議論ですよね。何で利益出るのかっていうと、高い電気料金を払っているからです。
そこも非常に(議論の)すり替えになっていまして、「国民負担があるんです。申し訳ありません」と言うと、「じゃあ、なんでそんなことになったんだ。お前のせいだ!政府の中で誰に責任があるんだ?」という話になってしまいます。そこから逃げてるということですよね。
自由な意見を表明できない組織
池田:古賀さんが経済産業省の大臣官房の職員でありながら、こういう場の出て来られるということが、異例なことなんですけど。僕も経産省所管の研究所にいたときに似たようなことがあって、「官僚が外に対して役所の見解と違うようなことを一切言ってはならない」と。僕が雑誌に投稿すると、当時の官房長から文句が来たりしたわけです。
僕は公務員が、所属官庁を代表してしか発言できないのかと?思うわけです。若い官僚と個人的に飯を食ったりすると、「いやぁ、このままではまずい」と思っている人が多いんです。でも、それを外に発信する機会がなくて不満が鬱積して、耐えられない人は辞めていってしまう。耐えるか辞めるしか選択肢がないってのは、まずいのでは?と思うんですが、いかがでしょうか。
古賀:そうですね。私みたいな例が出てきちゃうというのは、その程度のレベルになってしまってるということだと思うんですね。官のレベルが非常に下がってしまっているんです。どれだけ(他の)人のために貢献したのかで昇進が決まってしまうシステムが問題だと。私もこういうことを、やりたくてやってるわけではないんです。組織の中で「何だ!」という話にはなりますし。そういう人達が私に対して信頼感を持てなくなって、組織の中で使えなくなるということはあるかとは思います。
私個人としては「仕事をしたい。仕事を与えてください」とは言ってありますけど、「君の仕事はないよ」と言われたら辞めるしかないかなと。その覚悟で意見を言っているんですけど、この形が好ましいと思ってやっているというよりは、こういうことでも言わないと経産省の中でも、いろんなアイデアを持っている人達が生かされる道がなくなるという危機感を抱いているからです。
若い人は私に「もっとやれ!」みたいなことは言ってくれますし。昨日も省庁を横断的に集まっている人達がいて、そこに行って食事もしないで話をしてきました。そこで彼らが言ってたのは「自分達もいろいろやりたい。アイデアをどんどん使って欲しいんだけど、そういう環境になってない」ということでした。
私がこうすることで一石を投じて、「公務員は時には自分の意見を言ってもいいんだよ」と。自分が組織と違うというときには、国民の皆さんに知ってもらうことを……。逆に匿名でやっている人はたくさんいるんですよ。それに比べれば、自分の責任でちゃんと言うということは、はるかにいいと思っていますね。
官僚は聖人でも悪人でもない
池田:逆に民主党も霞ヶ関の中のそういう人と、うまく連携することを考えた方がいいと思いますね。今みたいに妙な喧嘩をするんじゃなくて、霞ヶ関の中では非主流かもしれないけどまともな意見を言う人を取り込んで政治主導するとかね、お考えになった方がいいんじゃないかと思いますね。
古賀:そうですね。官僚の中にもいろんな考えの人がいますから、官僚に依存しちゃったらいけないんですけど、いい官僚を引っ張りあげて、その人達には存分に仕事をしてもらうようにしたらいいと思います。
池田:霞ヶ関の中でも今のままでこのシステムが長続きすると思っている人は多くないと思うんですね。それに政権党も役所とうまく協力して変えていくことをしていった方がいいんじゃないかと思いますね。
古賀:そういう意味では民主党の先生方はもっともっと官僚とつきあった方がいいと思います。なんか「話をすると騙される」と警戒しているみたいなことも聞きますけど、そうじゃなくて官僚が持っている情報はどんどん上げさせて議論をして、それで官僚とは違った国民目線で判断をして、「これだ!」という物を自身持って出せばいいと思うんですね。官僚と同じレベルで競争しているから、官僚の土俵に乗って官僚依存になってしまうんであって。
池田:民主党の混乱の原因は、官僚と勝てっこない喧嘩をしていることであって(苦笑)。そうじゃなくて、勝てる戦いをお考えになった方がいいんじゃないかなと思いますね。
古賀:そうですね。官僚の一人一人は悪いわけじゃないですから。仕組みとして、今は「役所のために働いた方が得する」ということになってしまっているんです。そうじゃなくて、「民主党政権を信じて国民のために尽くせば、官僚の方も得ですよ」という仕組みにしてあげれば、誰でも働きますよね。
「官僚は聖人君主でなけりゃいけない」というのも、「官僚というのはみんな悪い奴だ」というのも、どっちもウソです。基本的には普通の人なんです。
http://news.livedoor.com/article/detail/5608038/?p=8
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