http://news.livedoor.com/article/detail/5663276/


孫正義氏が、鹿野農水相がシンポジウムに飛び入りして彼の「電田プロジェクト」に協力すると約束したことに感激している。

この大臣の発言は本当に大きい！ RT @masa_toku: 鹿野農水大臣「電田ＰＪ、やりましょう。耕作放棄地３／４使える。」

農水相がソフトバンクの太陽光発電所に飛びつくのは当然だ。全国の耕作放棄地は38.6万haで、農地の9.7％が遊休化している。これは補助金を払って減反させているためで、その額は年間2000億円。維持管理も大変だから、これをSBが借りてくれるなら、無償で提供しても助かる。それが34もの道府県が「自然エネルギー協議会」に参加した理由だ。他方、SBにとっては耕作放棄地を無償で使うことによって用地買収が必要なくなり、固定価格買い取りで利潤は保証される。

しかしこの構想には、多くの難点が指摘されている。最大の問題は、耕作放棄地が山間部などに点在し、太陽光発電に適した広い土地がほとんどないことだ。孫氏は「発電所に適している1割ほどを使うだけだ」というが、そういう広い平地は大規模農業にも宅地にも適している。

しかも農地の取引は農地法で禁止されているので、農業委員会の許可がなければ転用できない。農家にとっては、何も仕事をしないで減反補助金がもらえる現状が最高なので、これを高度利用するインセンティブもない。株式会社の参入も禁止されているので、企業が農地を高度利用することもできない。それを行政がSBに独占的に使わせるのは、補助金で借り上げた土地を無償で供与するようなもので、不当な利益誘導だ。

こうした農政の問題点は、「守旧派」の経団連でさえかねてから指摘してきた。SBが農地を利用するなら、まず農地法や減反制度を撤廃し、耕作放棄地を通常の不動産市場で借りるのが当然だ。ところが孫氏は、補助金漬けの休耕田を無償で借りることによって利益を得ようとしている。これは現在の社会主義的な農政にただ乗りして税金を食い物にするrent-seekingである。

おそらく孫氏は、農政の実態を知らないで善意で言っているのだろうが、農水相（鹿野氏は民主党の「農水族」の中心）がホイホイ乗ってくること自体が、農業利権を温存する証拠である。「光の道」にしても「メガソーラー」にしても、孫氏の提案は国家の経済への介入を求める国家資本主義だが、こういう政策は先進国では失敗が約束されている。農業利権に悪乗りすることは結果的には市場をゆがめ、農業も電力もめちゃくちゃにするだけだ。
　

コメント
01. 2011年6月30日 18:22:28: FUviF2HWlS 日本は昔から社会主義国家だった。 小泉政権の一時期だけ、資本主義国家的な体裁を整えてはどうか、という議論があったが、現在はその路線は修正されている。 特に農業については、自由主義的政策が実施されたことは一度もないから、市場をゆがめられて困る民間資本は存在し得ない。
02. 2011年6月30日 18:28:35: oz3zVsEkfw 「特に農業については、自由主義的政策が実施されたことは一度もない」 新しくなった食糧法 これまで生産者（農家）を守るために最低ラインの価格を守ってきましたが，これからはお米のとれる量やおいしさによって自由に値段が決められるようになります．つまり買う人の立場がより反映された値段の付けられ方が行われるようになります．難しい言葉でいうと競争によって「市場価格」が決まるということになります． http://www.tamagawa.ac.jp/sisetu/kyouken/rice/syokuryouhou/index.html
03. 2011年6月30日 18:44:46: 3DzJqv1zRw 都会にも休耕田はかなりある。 うちの近所にも沢山ありますよ。 転作奨励金を貰うためにトマトやナスを植えて手入れも収穫もしない。 「なんでほったらかしにしているの？」と聞くと 補助金がもらえて資産保持できるのだから何もする必要がないとの事。 金貰って資産を維持しいずれ金に換えるか、マンションでも建てるか。 年をとって他の農家に貸していた田んぼも農家個別補償の話が出てきたので またやり始めた。 都会の農家はこんなもの。 金持ち土地持ちのブルジュアです。 弱っているのは地方の農家。 中山間地の農家。
04. 2011年6月30日 20:09:56: gkJwF7jR5M アメリカの中小の農家は悲惨だ。 一部の大規模農家のみが、投機的な商品市場と上手に付き合い越え太っているだけである。 安全保障としての食料資源の観点を持ち出すまでも無く、日本の国土にあった 農業の視点は譲れない。 新自由主義的観点からの農業論に誘導しようとする論点には多いに警戒が必要である。
05. 2011年6月30日 20:32:26: yxstEvnWG6 東京でも練馬まで行くとJAの支店が沢山あるけど、実質はJAって不動産資産＆金融資産家の集まりなんだよね。 農水省の役人が実質をよく知ってるよ。
06. 2011年6月30日 21:46:40: fyu0a2ssIw 正直、あの狂人そのもののアホ缶と まるでそっくり瓜二つの パフォーマンスを見て以来、 ソフトバンクホークスを 素直に応援できなくなった。 おまけに、ハゲ頭に対する 嫌悪感も起きてしまった。
07. 2011年6月30日 22:55:34: 1Na1hLhxgw 農業が市場経済に原理にゆだねるべきだと、 何か宗教でも信仰しているのか。人類の歴史を少しでも知っておるのか。 １人あたりの耕地面積がケタ違いに大きく飛行機で種子会社の提供した種をまいて次の世代を作る能力のない遺伝子組み換え作物を作る。この方法がコストも安いので市場全てを占有すべきだともいうのかね。 １人あたり耕地面積の多い国 アメリカ　ネイティブアメリカン（アメリカインディアン）から取り上げた土地 カナダ　イヌイット（エスキモー）から取り上げた土地 オーストラリア　アポリジニから取り上げた土地 ニュージーランド　マオリ族から取り上げた土地 これが世界基準かね。
08. 2011年7月01日 00:51:06: fTlwgRH3DU ある本に、日本の食糧自給率は２０％というのが実態である、と記されていた。 もしそれが真実なら、JA・農林水産省は売国の巣窟である。 ソフトバンクの孫氏が日本人なら、いずれやってくるであろう食料危機に備え、 自給率アップを目指し休耕田の廃止を訴えるのが国論である。 現在、電気エネルギーが事足りていることは今回の原発テロで証明されており、 田畑を使用せずとも太陽光発電は出来る。 それより恐ろしいことは、モンサント社が日本の野菜の9割の苗をJAを通し国内販売をしているという実態である。
09. 2011年7月01日 06:49:18: rDuEWYWrXY 武田邦彦氏「自然エネルギーやれば、このへんメチャクチャになる。バイキンも流行るし湿気が出るし。電気をとって何も悪いことが起こらないなんてことない。メリットがあればデメリットがある」( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/sgkc6eX) http://twitter.com/#!/shbttsy74/status/86409478509039617 武田邦彦「再生可能エネルギーなんていうのはありえない。エネルギー保存則から考えるとありえない。エントロピーは増大する。最近は言葉のあやが横行」 #eneshif $genpatsu ( #iwakamiyasumi2 live at http://ustre.am/pPQY) http://twitter.com/#!/NextStageSpirit/status/86406316792365056
10. 2011年7月01日 18:34:36: 3DzJqv1zRw いずれやって来る食料危機になら充分対処できる。 突然やって来る食料危機には対処できない。 突然に来る食料危機に対処できないのは日本だけでは無い。 農業問題をエネルギー問題に絡めると良くないのだけは確かだろう。 過疎地の休耕田は使えるなら太陽パネルを並べてもいいと思う。 都会の市街地の農地は思い切って宅地並み課税をかけた方が良い。 地方の農業後継者が農業を諦め都市部にでる、都市部の地価は高く家も買えない。 家賃は高い。 都市部の農地が宅地になれば土地は安くなるし、地方の農業生産需要は増える。 日本の農業は補助金浸けで壊れてしまっている。 都市部のブルジュア農家と地方の農家を同列に扱ってはいけない。

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