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“原発”まで延命策の1つなのか!? 歴史に名を刻むであろう菅首相のエゴイズム
http://diamond.jp/articles/-/12931
2011年6月30日 田中秀征 政権ウォッチ :ダイヤモンド・オンライン
菅直人首相は6月27日、記者会見を開き、退陣のための3条件を明らかにした。
それは、@特例公債法案、A第二次補正予算案、そしてB再生可能エネルギー特別措置法案の成立だと言う。しかも、それは「1つのメド」に過ぎないらしい。
これだと、@、Aが成立してもBが成立しなければ、これから10年でも居座ることができる。
岡田克也幹事長はじめ党執行部は、@とAの成立とBの採決と言ってきた。採決を条件とすれば、可決、否決を問わず退陣することになる。
だから首相の3条件は、党執行部のそれと全く違うものだ。
首相は、もしBが可決されれば国民的人気が出る、否決されれば延命できると読んでいるのであろう。実に愚かな見通しだ。
■自民議員の政務官起用に表れた菅首相のあざとさ
今回の小幅内閣改造で、首相は突然、自民党参議院議員を総務政務官に起用した。与野党を仰天させたこの人事には、首相のあざとい政治手法が余すところなく表れている。
私は松本龍復興担当相、細野豪志原発事故担当相の人事は順当だと思っている。特に、松本龍氏は、大震災対策に真剣に誠実に取り組んでいると評価してきた。しかし、なぜ首相はあえて波風が立つ人事を強行したのか。
もし本気で浜田和幸氏を政務官として必要だと考えるなら、自民党に正式に礼を尽くして依頼すればよいではないか。
首相が自民党の猛反発を予想できないはずはない。自民党など野党が硬化して国会審議が停滞すれば、@とAも先送りになり、Bは限りなく遠くなる。そうなれば世論の批判は自民党などに向かっていくと思っているのだろうか。
しかし、それは首相の錯覚であることは世論調査の結果も示している。
■約9割の国民が首相を評価しない今、首相の言葉は“延命策”にしか聞こえない
FNN(フジ・サンケイ)の世論調査(6月27日発表)では、首相が震災復興や原発事故への対応を口実に延命を図っていると思う人は6割を越えている。
また、現在、政治空白が起きていると思っている人は9割近く、その責任が与党や首相にあると感じている人は52%に達している。
さらに、首相の指導力を評価していない人は実に9割近いのだ。
また、6月2日の不信任案騒動や6月22日の会期延長騒動によって、内閣支持率は5月に比べて6ポイント急落し、不支持率は逆に6ポイント上がった。今回の改造騒動でまた大きく低下するに違いない。
首相は既に、何を言っても、何をしても、自分の延命のためだと大半の人たちに思われてしまっている。これではとても政権担当に必要な国民的協力は得られない。
首相は、再生可能エネルギー特措法が否決されれば、“脱原発”を掲げて解散・総選挙に持ち込むとささやかれている。もし本当にそんなことをするなら、自分のことしか考えない首相として歴史に深く刻まれるだろう。
民主党執行部の1人は、「こんな首相を選んだ不明を恥じるばかりだ」と嘆いたと言う(6月28日読売新聞)。
民主党執行部は当然としても、多くの国民がもう同じように慨嘆するに至っている。
孤立無援の首相が居座ることが、首相の言う“参加民主主義”なのか。それなら、今までの政治生涯のすべてが虚構だったことになる。
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